ショート映画制作支援プログラム「TRIPLEX」が12月19日に始動、3作品を映画化

ショート映画制作支援プログラム「TRIPLEX」の概要

株式会社SAMANSAが運営するショート映画制作支援プログラム「TRIPLEX」が本格始動し、最大1000万円の制作費支援を行うことを発表しました。このプログラムは、ショート映画の制作を通じて新たな才能を発掘し、映像文化の発展に寄与することを目的としています。

TRIPLEXは、ショート映画のサブスクリプションサービス「SAMANSA」、クリエイションに特化したクラウドファンディングプラットフォーム「MOTION GALLERY」、そして下北沢に位置する映画館「K2」が協力して立ち上げた新しい取り組みです。このプロジェクトでは、25分以内のショート映画の脚本または企画を一般から募集し、選ばれた3作品を制作します。

TRIPLEXの特徴と支援内容

TRIPLEXでは、応募された中から選出された3企画について、MOTION GALLERYを通じてファンや資金を募ります。さらに、SAMANSAがプリプロダクションからポストプロダクションまで全面的にサポートし、作品完成までを最大1000万円までの資金援助を行います。完成した作品は、下北沢の映画館K2で劇場上映され、その後SAMANSAで1年間配信される予定です。また、企画によっては長編化企画としてのサポートも行うことがあります。

TRIPLEXの仕組みは、クリエイターがクラウドファンディングプラットフォームMOTION GALLERYを活用して制作資金を募ることにあります。このクラウドファンディングは、単に資金を集めるだけでなく、クリエイターとファンとの間に強固なコミュニティを築くことを目的としています。ファンからの支援を受けることで、制作費を確保しつつ、プロジェクトへの興味や期待を高めることができます。

映画化が決定した3作品

TRIPLEXにおいて映画化が決定した3作品は以下の通りです。各作品のタイトルや構成は2024年12月時点の情報であり、制作の進行状況により変更される可能性があります。

• 『白雨』 / SFパニックドラマ (監督：鈴木龍)

  物語は、車で移動中に母親と口論していた奈津菜が突然、ボンネットにカラスが落ちて急ブレーキをかけるところから始まります。そのカラスは全身が乾燥して死んでおり、直後に降り出したのは、浴びたものを乾燥させる謎の雨です。

• 『鯛のあら』 / 怪奇ドラマ (監督：長谷川汐海)

  遺産整理中の古い家に自称作家の男とその甥が暮らしている設定で、ある日、家に届けられた鯛のお頭が夜中に突然奇妙な物語を語り出します。鯛が話す物語通りに若い女がその家に現れ、三人の共同生活が始まります。

• 『ゆきおんな』 / ヒューマンホラー (監督：深田隆之、プロデューサー：村上知穂)

  夫から逃げ、友人の家がある長野県木曽地方へ訪れた江美子が、雪が残る森を進む道中で木曽に住む謎の男と出会う物語です。冬の木曽地方で民話「雪女」に着想を得て、森と人、男性と女性、現実と幻のあわいを描き出します。

映画館「K2」の役割と文化的意義

下北沢に位置するミニシアター「K2」は、さまざまな文化が根付く地域を背景に、「文化を愛する人たちの結節点」となることを目指しています。この映画館は、71席のスクリーンを有し、演劇や音楽、サブカルチャーなど多様な文化が交わる場として新たな価値を発信しています。

K2は、映画鑑賞の場を「学びを共有する場所」として位置づけており、多様な文化と時代を超える価値を共有することを目指しています。また、月額参加型のファンコミュニティー『BASIC』を導入し、観客が映画の当事者として参加できる環境を提供しています。

クラウドファンディングプラットフォーム「MOTION GALLERY」

MOTION GALLERYは、クリエイターが自身のプロジェクトに必要な資金を集める場を提供する、日本でも屈指のクラウドファンディングサイトです。SAMANSAとの協業により、才能あるクリエイターたちが自身のアイデアを実現するための資金面の選択肢が増え、より一層の支援が強化されます。

SAMANSAの事業概要と提供する価値

SAMANSAは「その10分、映画でリッチに」というメッセージのもと、月額370円で世界中のショート映画を配信するVODサービスです。1作品の上映時間は約3〜29分で、通勤時間やスキマ時間など様々なシチュエーションに合わせた映画体験を提供しています。

また、SAMANSAは世界各国のクリエイターと直接ライセンス契約を結び、ショート映画業界では異例の、作り手に報酬が行き渡るシステムを実現しています。これにより、他の国内VODでは観ることのできない、珠玉のショート映画を700作品以上配信しています。

これらの取り組みを通じて、TRIPLEXは新しい才能を発掘し、映像文化の発展に寄与することを目指しています。映画制作と観客との関係を深めるこのプロジェクトは、今後の映画界において重要な役割を果たすことでしょう。