楽天シンフォニー、12月20日から船舶向けサイバーセキュリティ「Rakuten Maritime」提供開始
ベストカレンダー編集部
2024年12月20日 17:09
Rakuten Maritime提供開始
開催日:12月20日
楽天シンフォニー、船舶サイバーセキュリティソリューション「Rakuten Maritime」を提供開始
2024年12月20日、楽天シンフォニー株式会社は、船舶のサイバーセキュリティとデジタルトランスフォーメーション(DX)に対応する新たなソリューション「Rakuten Maritime」をグローバルで本格的に提供開始することを発表しました。このソリューションは、船舶ライフサイクルを通じて包括的なサイバーセキュリティを提供するもので、自律運航船や高性能な船舶の開発が進む中、これらの船舶を狙ったサイバー攻撃が増加していることから、その重要性が増しています。
船舶は設計、試運転、運用段階において、各々に応じたセキュリティ対策が求められます。楽天シンフォニーの「Rakuten Maritime」は、特定・保護・検出・対応・復旧の5つの柱から成るサイバーセキュリティフレームワークを基に、船舶ライフサイクル全体にわたるセキュリティ対策を実現します。
包括的なサイバーセキュリティフレームワークの内容
「Rakuten Maritime」は、以下の5つの柱を中心に構成されています。
- 特定: サイバー脅威やリスクを特定し、適切な対策を講じる。
- 保護: 船舶のデータとシステムを保護するための技術を導入。
- 検出: 異常な活動をリアルタイムで検出し、迅速な対応を可能に。
- 対応: サイバー攻撃に対する迅速な対応策を整備。
- 復旧: 攻撃後の迅速な復旧を支援する体制を構築。
このような包括的なアプローチにより、自律運航船や高性能な船舶のセキュリティを強化し、安全運航をサポートします。また、国際船級協会連合(IACS)が定めた「船舶のサイバーレジリエンスに関する統一規則(UR E26 / E27)」に準拠しているため、国際的な基準を満たすことができます。
提携企業とその役割
本ソリューションは、韓国のサイバーセキュリティスタートアップ企業であるCYTUR Inc.との提携により提供されます。CYTUR社は、2016年に設立され、自律運航船や高性能な船舶のサイバーセキュリティと脅威分析を専門としています。
CYTUR社は、韓国の海洋関連機関や造船所、政府機関と協業し、船舶サイバーセキュリティのイノベーションをリードしています。この提携により、楽天シンフォニーはさらなる技術革新を実現し、グローバルな市場において競争力を高めることを目指しています。
具体的な機能と利点
「Rakuten Maritime」は、以下の具体的な機能を提供します。
- IoT統合: センサーデータの収集・分析・活用を通じて、船上のIoTデバイスを効果的に管理します。
- クラウドベースのデータ管理: 船舶と陸上間で安全なデータ伝送と保管を行い、リアルタイムのデータアクセスを実現します。
- サイバーセキュリティ対策: 海事業界におけるサイバーリスクをリアルタイムで検知し、プロアクティブな防御システムを提供します。
- 運用効率の最適化: 船舶の操縦とセキュリティ管理に必要なリソースを削減し、効率を最大化します。
これにより、従来の船舶システムと比較して、サイバーリスクの特定・解析件数を400%改善し、セキュリティ設計に必要なリソースを83%削減することが可能となります。
業界への影響と今後の展望
楽天シンフォニーのインターネットサービスビジネスユニット プレジデントであるライアン・ソン氏は、「IACSによる新しい統一規則の発行以来、船舶がサイバーセキュリティ要件に準拠することが必須となりました。多くの国で政府機関や企業が船舶のDXを追求する中、海事業界は国際基準を満たす包括的なセキュリティソリューションが不足しています」と述べています。
楽天シンフォニーは、本ソリューションを通じて、セキュリティ要求とDXの両方を満たす安全な環境の構築を図り、海事業界において新しい基準を設定することに取り組んでいます。
まとめ
楽天シンフォニーが提供する「Rakuten Maritime」は、船舶ライフサイクルを通じた包括的なサイバーセキュリティソリューションです。自律運航船や高性能な船舶のセキュリティを強化し、安全運航をサポートするための機能を備えています。
以下に本ソリューションの主な内容をまとめます。
項目 | 内容 |
---|---|
提供開始日 | 2024年12月20日 |
主要機能 | IoT統合、クラウドベースのデータ管理、サイバーセキュリティ対策、運用効率の最適化 |
サイバーリスク改善率 | 400% |
リソース削減率 | 83% |
準拠規則 | 船舶のサイバーレジリエンスに関する統一規則(UR E26 / E27) |
「Rakuten Maritime」は、船舶の安全性と効率性を高めるための重要な一歩であり、今後の海事業界における新たな基準を設定することが期待されます。
参考リンク: