LONGiの新製品「Hi-MO X10」2025年1月出荷開始、高効率ソーラーパネルの革新

Hi-MO X10出荷開始

開催日:1月1日

Hi-MO X10出荷開始
Hi-MO X10ってどんな製品なの?
Hi-MO X10は、LONGiが開発したN型BC技術を搭載した太陽電池モジュールで、高効率・高出力を誇ります。
Hi-MO X10の出荷はいつから始まるの?
Hi-MO X10の出荷は2025年1月から順次開始され、3月には防汚タイプ、4月には54セルサイズが出荷予定です。

LONGi、N型BC技術搭載の太陽電池モジュール「Hi-MO X10」を日本市場に投入

LONGi(ロンジ/LONGi Green Energy Technology Co., Ltd.)およびその日本法人のLONGi Solar Technology株式会社は、N型BC(バックコンタクト)技術「HPBC 2.0」を採用した新製品「Hi-MO X10」を日本市場に投入することを発表しました。この製品は、分散型太陽光発電市場向けの太陽電池モジュールであり、2025年1月より順次出荷を開始します。

「Hi-MO X10」は、2024年9月に発表されたユーティリティ市場向け製品「Hi-MO 9」に続く製品であり、N型BC技術「HPBC 2.0」、TaiRay(タイレイ)ウェハ、0BB(ゼロ・バスバー)、高性能封止剤を採用しています。これにより、TOPCon製品を超える高効率・高出力を実現し、長期信頼性やリニア出力保証値、安全性に加え、高温時や低照度条件下での優れた実発電量を提供します。

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Hi-MO X10で採用している技術

「Hi-MO X10」では、以下の先進技術が採用されています。

  • N型BC(バックコンタクト)セル技術「HPBC 2.0」:セルの表面に配線がないため、太陽光の取り込みを最大化し、効率と出力が大幅に向上しています。
  • TaiRay(タイレイ)ウェハ:抵抗値のばらつきが小さく、特性のばらつきを抑えることで電流ミスマッチの減少に寄与します。
  • 0BB(ゼロ・バスバー)技術:バスバー配線を取り除き、セル効率の潜在能力を引き出します。
  • 高性能封止剤:二層構造POEおよび高耐水性シーラントにより、湿気や熱に対する耐性が向上します。
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N型BCセル技術「HPBC 2.0」

この技術では、セルの表面に配線がないため、太陽光の取り込みを最大化し、効率と出力が大幅に向上します。配線がセルの裏面で一直線に配置されているため、配線の断線リスクが約19%削減され、マイクロクラックのリスクが大幅に軽減されます。

また、N型BCセルの構造的な特長を活かしたソフトブレークダウン設計により、部分的な影が発生しても出力の大幅な損失を抑制することができます。

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TaiRayウェハ

TaiRayウェハは、ウェハ業界で10年ぶりの製造技術革新を実現しており、機械的強度が16%向上しています。これにより、長期信頼性の向上に寄与しています。また、ゲッタリング性能の向上により、酸素含有量やその他の不純物が減少し、セル変換効率がさらに向上します。

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0BB(ゼロ・バスバー)技術

0BB技術により、セルの裏面での受光面積が拡大し、裏面発電効率は70%に達します。バスバーがないことで、銀ペーストの使用量を削減し、資源保全にも貢献しています。

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Hi-MO X10の主なメリット

「Hi-MO X10」は、以下のような多くのメリットを提供します。

  1. 高出力・高効率:モジュール変換効率は24.8%、公称最大出力は670Wで、TOPConモジュールを20W上回ります。
  2. 長期信頼性の向上:BC技術とTaiRayウェハの採用により、製品の耐久性が向上し、リニア出力保証も30年間にわたります。
  3. 優れた高温時の発電性能:最大出力温度係数が-0.26%/℃であり、高温時の出力低下を抑えます。
  4. 優れた低照度特性:曇天や朝夕のような低照度環境における発電性能が優れています。
  5. 安全性の向上:部分的な影による出力損失を70%以上抑制し、局所的な過熱リスクを低減します。
  6. シンプルで美しい外観:配線がセルの裏に配置されることで、視覚的に美しいデザインを実現しています。

製品ラインナップと出荷開始時期

「Hi-MO X10」の製品ラインナップには、54セルクラスサイズと72セルクラスサイズが含まれています。72セルクラスサイズは1月に出荷を開始し、防汚タイプは3月から出荷予定です。54セルクラスサイズは4月から出荷を開始します。

この新製品は、屋根上設置から地上設置の大型発電所まで対応可能な製品を提供することを目指しています。

LONGiのBC技術への取り組み

LONGiは、単結晶技術の可能性を見抜き、その技術革新に注力してきました。BC技術においても、困難だが正しい道を選び、量産体制を確立してきました。2017年にはBCセルの企画を完成させ、2019年には量産試作に成功しました。

2022年11月には初代BC技術「HPBC 1.0」を搭載した製品「Hi-MO X6」を発表し、BC時代の幕を開きました。今後は全生産能力のうち100GWをBC製品に切り替える計画です。

まとめ

新製品「Hi-MO X10」は、出力、効率、信頼性において優れた性能を持ち、長期間にわたる安定した発電量を提供します。これにより、BOSコストの削減やLCOEの低減にも寄与します。

以下に、この記事で紹介した「Hi-MO X10」の主なポイントを表にまとめます。

特長 詳細
出力・効率 公称最大出力670W、変換効率24.8%
信頼性 長期信頼性向上、30年間のリニア出力保証
高温時の性能 最大出力温度係数-0.26%/℃
低照度特性 曇天・朝夕での優れた発電性能
安全性 部分的な影による出力損失を70%以上抑制
外観 シンプルで美しいデザイン

このように、LONGiの「Hi-MO X10」は、今後の太陽光発電市場において重要な役割を果たすことが期待されます。

参考リンク: