パロマ・リーム、2025年7月に富士通ゼネラル株式公開買付けを開始予定

公開買付け開始

開催日:7月1日

パロマ・リームが富士通ゼネラルの株式を取得する理由は?
パロマ・リームは、空調と給湯事業の相互補完的な協業を進め、グローバル市場での競争力を高めるために株式を取得します。
公開買付けはいつから始まるの?
パロマ・リームは2025年7月を目途に富士通ゼネラルの株式公開買付けを開始する予定です。

パロマ・リーム、富士通ゼネラルの株式取得を目指した公開買付けの開始予定について

2025年1月6日、株式会社パロマ・リームホールディングス(以下、パロマ・リーム)は、株式会社富士通ゼネラル(東証:6755、以下、富士通ゼネラル)の株式を公開買付けにより取得することを決定したと発表しました。この発表は、パロマ・リームが空調と給湯(Air & Water)の両事業を手掛けるグローバル企業としてのさらなる成長を目指す重要なステップとなります。

パロマ・リームと富士通ゼネラルの関係

パロマ・リームは、空調と給湯の事業を展開する持株会社であり、その傘下には日本国内でガス給湯器やガスコンロのリーディングプレーヤーである株式会社パロマと、北米、南米、欧州及び豪州で給湯器と空調機器の事業を展開するリーム・マニュファクチャリング・カンパニーが含まれています。

一方、富士通ゼネラルは住宅、商業、産業向けの空調機器事業や情報通信システム、電子デバイス事業を手掛けており、2016年からリームとの間で北米における空調機事業に関する協業関係を築いてきました。この協業により、両社は相互に製品供給や共同開発を行い、より強固な販売基盤を形成しています。

公開買付けの目的と期待される効果

パロマ・リームは、富士通ゼネラルの参画を通じて、空調と給湯事業における相互補完的な協業を進め、さらなる成長を目指しています。両社は長年にわたり構築してきた販売基盤やサービス網を活用し、お客様のニーズに応える体制を整えることで、国内外の市場での競争力を高めることが期待されています。

特に、長期的には世界の空調市場におけるポジショニングを強化し、空調と給湯の技術融合を迅速に実施することで、イノベーションを促進し、脱炭素化社会の実現に寄与することを目指しています。

公開買付けの詳細

本公開買付けに関連して、パロマ・リームは富士通ゼネラルの最大株主である富士通株式会社との間で取引基本契約書を締結しました。この契約に基づき、富士通は保有する44.02%の富士通ゼネラルの普通株式全てについて、本公開買付けには応募せず、成立後に実施されるスクイーズアウト手続きの効力発生後に自己株式取得に応じて売却する予定です。

結果として、富士通ゼネラルはパロマ・リームの完全子会社となる見込みです。

公開買付け価格の設定

公開買付け価格は、以下のように設定されています。

  • 2024年12月30日の富士通ゼネラル株価の終値に20.67%のプレミアムを付した価格
  • 2024年12月30日までの1か月の終値単純平均値に27.29%のプレミアムを付した価格
  • 2024年12月30日までの3か月の終値単純平均値に35.33%のプレミアムを付した価格
  • 2024年12月30日までの6か月の終値単純平均値に39.15%のプレミアムを付した価格

富士通ゼネラルの取締役会は全会一致で本公開買付けに賛同し、株主に対して応募を推奨することを決議しています。公開買付けは、国内外の競争法当局における手続等を含む前提条件が充足され次第、迅速に実施される予定です。

代表者のコメントと今後の展望

パロマ・リームの代表取締役社長である小林弘明氏は、今回の合意について次のように述べています。「富士通ゼネラルの経営の独立性を尊重しつつ、共に協業していくことで合意いたしました。富士通ゼネラルの参画により、私たちは空調と給湯の両事業において、脱炭素化社会実現に向けたイノベーションを加速し、日本発のグローバル・リーディング企業として、より幅広くお客様のニーズに応えるべく努めてまいります。」

この発表は、パロマ・リームが今後の成長戦略を強化し、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを進める一環として注目されます。

パロマ・リームの企業概要

パロマ・リームは、空調と給湯(Air & Water)の両事業を手掛ける世界有数の企業グループです。日本拠点のパロマと米国拠点のリームから成り、主に空調、給湯、暖房、厨房機器の製造販売を行っています。

1911年に創業したパロマは、112年間にわたり大手ガス器具メーカーとしての確固たるブランドを築いてきました。1988年にリームを買収し、北米市場に参入したことで、空調機器と給湯器の両分野においてグローバルリーダーとしての立場を確立しています。現在、世界15ヶ国に拠点を持ち、85ヶ国で事業を展開。従業員数は約16,000人、35の生産工場と16のR&D施設があります。2023年12月期のグループ売上高は約9,000億円、EBITDAは約1,400億円に達しています。

項目 詳細
公開買付けの目的 富士通ゼネラルの株式取得
公開買付け価格 2,808円
自己株式取得価格 1,995円
公開買付けの開始予定 2025年7月を目途
パロマ・リームの売上高 約9,000億円(2023年12月期)
従業員数 約16,000人

以上の内容から、パロマ・リームは富士通ゼネラルとの協業を通じて、さらなる成長を目指し、空調と給湯の分野でのイノベーションを進めていくことが期待されます。今後の展開が注目される企業の一つと言えるでしょう。