ispace EUROPEがルクセンブルク宇宙資源法に基づく月面探査ミッション認可を取得、2025年1月中旬に打ち上げ予定
ベストカレンダー編集部
2025年1月8日 14:53
月面探査ミッション認可
開催日:1月15日
ispace EUROPE、ルクセンブルク宇宙資源法に基づく月面探査ミッション認可を取得
2025年1月8日、株式会社ispace(東京都中央区、代表取締役:袴田武史、以下ispace)は、同社の欧州法人であるispace EUROPE S.A.(以下ispace EUROPE)が、ルクセンブルク宇宙機関(以下LSA)より、2017年に施行されたルクセンブルク宇宙資源法に基づく月面探査ミッションの認可を取得したことを発表しました。この認可により、ミッション2「SMBC x HAKUTO-R VENTURE MOON」において、TENACIOUSローバーを運用することが承認されました。
今回の認可は、最速2025年1月中旬に打ち上げを予定しているRESILIENCEランダーに搭載されるTENACIOUSローバーの運用に関するものであり、宇宙資源の商業利用を可能にする欧州初の事例となります。ispaceにとっても、歴史的なマイルストーン達成となります。
ルクセンブルク宇宙資源法とその重要性
ルクセンブルク宇宙資源法は、宇宙経済戦略の要となる法的枠組みを提供し、宇宙資源の商業的探査と採取を支援するために必要な法律です。この法制度のもと、ispace EUROPEは宇宙資源の商業利用における世界的なリーダーとしての地位を確立し、ルクセンブルクの宇宙経済のイノベーション促進に寄与しています。
TENACIOUSローバーは、ispaceとispace EUROPEが2020年にNASAと契約した月資源商取引プログラムに基づき、月面レゴリスの採取とその所有権の譲渡を行うことを目的としています。このような取り組みは、今後の商業宇宙資源活動の先例となるでしょう。
ispace EUROPE CEOのコメント
ispace EUROPEのCEO、Julien-Alexandre Lamamyは次のように述べています。「ルクセンブルク政府の当社支援に心から感謝しています。この認可を取得できたことは、商業的な宇宙資源活動を可能にする初めての事例であり、欧州全体の宇宙探査に関する歴史的な瞬間と言えると思います。」
さらに、彼は「TENACIOUSローバーの運用により、私たちはシスルナ経済圏の構築に新たに一歩踏み出します。」と強調しています。この発言は、ルクセンブルクの先進的な政策と宇宙分野への取り組みが、ispaceの月面探査開発を推進する上で極めて重要であることを示しています。
ルクセンブルクの宇宙経済への影響
ルクセンブルク大公国のデレス経済・中小企業・エネルギー・観光大臣は、今回の認可が「シスルナ経済圏構築を実現させるための潜在能力を示す歴史的な一歩である」と述べ、ルクセンブルクが宇宙経済の商業化に必要な法的および規制の枠組みを定義する役割を果たしていることを明らかにしました。
このように、ルクセンブルクの宇宙資源法は、商業宇宙活動の促進に向けた重要なステップとなっており、ispace EUROPEのミッション2における目標達成に向けた大きな一歩となります。
法務顧問の見解
ispace EUROPEの法務顧問であるHéloïse Vertadierは、「今回の画期的なマイルストーンの達成は、社内における法務および技術チームの緊密な連携と、ルクセンブルク宇宙機関および政府からの適切な指導を経て実現した、まさに協業の成果と言えます。」とコメントしています。
彼女は、宇宙産業と規制当局間の良好な関係が国際宇宙法の未来を形作る上でいかに重要であるかを強調し、宇宙開発と資源利用における夢の実現に一歩近づいたと述べています。
今後のミッション計画
ispaceは、日・米・欧の3法人でそれぞれの地域の文化や多様性を活かしながら、統合的なグローバル企業として宇宙開発を進めています。最速2025年1月中旬に日本法人が主導するミッション2が行われ、その後2026年には米国法人が主導するミッション3、2027年には日本で開発中のシリーズ3ランダー(仮称)を用いたミッション6を予定しています。
これらのミッションは、宇宙資源の商業利用を目指し、世界中の政府、企業、教育機関からの高まる需要に応えるための重要なステップとなります。ispaceは、ミッション3およびそれ以降のミッションのペイロードサービス契約とデータサービスを提供する計画です。
ispace EUROPEの役割と機能
ルクセンブルクに拠点を置くispace EUROPEは、月面探査車の開発を重点的に取り組んでおり、欧州初となる独自設計および製造、組み立てを行い、マイクロローバーの開発を進めています。世界トップクラスの人材が集まり、ロボット工学技術やルクセンブルクのエコシステムとの強固なつながりを持つispace EUROPEは、月面産業の創出を加速させています。
同社は、月面を模した月面ヤードや関連ミッションのシミュレーションを行うためのミッションコントロールルームを備え、月面探査車のナビゲーション技術の開発をサポートしています。
まとめ
項目 | 詳細 |
---|---|
企業名 | 株式会社ispace |
法人名 | ispace EUROPE S.A. |
ミッション名 | SMBC x HAKUTO-R VENTURE MOON |
ローバー名 | TENACIOUSローバー |
打ち上げ予定日 | 2025年1月中旬 |
法的枠組み | ルクセンブルク宇宙資源法 |
今後のミッション | ミッション3(2026年)、ミッション6(2027年) |
このように、ispace EUROPEはルクセンブルクの宇宙資源法に基づく月面探査ミッションの認可を取得し、商業宇宙活動の新たな地平を切り開くことが期待されています。宇宙資源の商業利用に向けた取り組みは、今後の宇宙経済において重要な役割を果たすことでしょう。
参考リンク: