1月14日販売開始！日本初の認知症診療支援ソフト「ミレボ」の詳細を解説

フューチャーが開発した日本初の認知症診療支援ソフトウェア「ミレボ®」の販売開始

フューチャー株式会社（代表取締役会長兼社長 グループCEO 金丸恭文、東京都品川区）は、株式会社アイ・ブレインサイエンス（代表取締役社長 髙村健太郎、大阪府吹田市）との協業により開発した、日本初の「認知症の診療支援に用いる神経心理検査用プログラム」である「ミレボ®」の販売を2025年1月14日に開始しました。

この新たなソフトウェアは、認知症の早期発見を支援することを目的としており、アイトラッキング技術を用いた革新的な検査法を実現しています。認知症の早期診断が求められる中、「ミレボ®」はその重要な役割を果たすことが期待されています。

「ミレボ®」の開発背景と技術

フューチャーは2020年4月に、大阪大学発のベンチャー企業であるアイ・ブレインサイエンスと出資・協業契約を締結し、アイトラッキング技術を用いた神経心理検査用プログラム「ミレボ®」の共同開発を開始しました。このプログラムは、視線を追跡することで、被検者の認知機能を評価することができます。

「ミレボ®」は、タブレット端末にインストールされたアプリを使用して約3分で簡便に検査を行い、客観的な検査結果を得ることが可能です。被検者が画面に表示された質問に従って正解の箇所を見つめることで、データが自動的にスコア化され、検査者の知識や経験に依存せずに評価が行われます。

アイトラッキング技術の利点

アイトラッキング技術を用いることで、「ミレボ®」は以下のような利点を持っています：

• 迅速な診断：検査時間が約3分と短いため、迅速に認知機能を評価できます。
• 客観性の確保：データが自動的にスコア化されるため、検査者の主観が入りません。
• 簡便な操作：タブレット端末を使用することで、操作が容易です。

認知症の現状と「ミレボ®」の意義

2022年時点で、認知症および軽度認知障害（MCI）の方は1,000万人以上と推定されています。このような背景の中で、2024年1月より施行される「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」では、認知症の早期発見や早期診断、早期対応が重要視されています。

「ミレボ®」は、新たな検査の選択肢として、認知症の早期発見を支援する役割を果たします。臨床試験においても、主要評価項目である「本プログラムによる検査スコアとMMSEの総合点における相関」が確認され、MMSEと比較して検査者の負担軽減が認められました。

臨床試験の結果

「ミレボ®」は、臨床的に認知症と診断された被験者および認知機能が健常な被験者、MCIが疑われる被験者を対象にした臨床試験を実施しました。以下は、試験の主要評価項目と副次評価項目です：

「ミレボ®」の製品概要

以下は「ミレボ®」の製品概要です：

• 販売名：ミレボ®
• 一般的名称：神経心理検査用プログラム
• 使用目的または効果：認知症の診療支援として、視線の情報を連続的に収集し神経心理検査に用いる。
• 製品内容：タスク映像における被検者のアイトラッキングデータをアルゴリズム処理し、スコア化する。
• 測定時間：約3分間
• 保険収載情報：D285 認知機能検査その他の心理検査
• 製造販売業者：株式会社アイ・ブレインサイエンス
• 製造業者：フューチャー株式会社
• 販売業者：大塚製薬株式会社

※ミレボ®は医療機器であり、医療関係者専用のプログラムです。

フューチャーの医療・ヘルスケア事業について

フューチャー株式会社は、Healthcare Innovation Groupを通じて、医療・ヘルスケア領域の社会課題の解決に取り組んでいます。ITの知見を活用し、医療現場の業務効率化やデジタル化を推進しています。プログラム医療機器（SaMD）開発においても、医療機器企業や製薬会社と協業し、高度なアプリケーションの開発に取り組んでいます。

フューチャーは、医療機器製造業登録及び第二種医療機器製造販売業許可を取得しており、ISO/IEC 27001:2013、ISO 13485:2016の認証も受けています。

まとめ

「ミレボ®」は、アイトラッキング技術を用いた新たな神経心理検査用プログラムであり、認知症の早期発見を支援するための重要なツールとなることが期待されています。以下に本記事で紹介した内容を整理します：

このように、「ミレボ®」は認知症の診療支援において新たな選択肢を提供し、医療現場における効率化と正確な診断を実現することを目指しています。