吉村昭『雪の花』原作映画公開記念展示、1月25日から荒川区で開催

雪の花展示会

開催期間:1月25日〜3月16日

雪の花展示会
吉村昭の『雪の花』の映画ってどんな内容?
『雪の花』は江戸時代末期の福井藩の町医者、笠原良策が天然痘から人々を救うために奮闘する物語です。
映画『雪の花 -ともに在りて-』の特集展示では何が見られるの?
特集展示では吉村昭の自筆原稿や映画の台本、主演俳優の衣装、小道具などが展示されています。

吉村昭『雪の花』原作映画公開記念 特集展示の概要

荒川区に位置する吉村昭記念文学館では、2025年1月25日から3月16日までの期間、吉村昭の歴史小説「雪の花」を原作とする映画「雪の花 -ともに在りて-」の公開を記念した特集展示「雪の花 -ともに在りて- 展」を開催しています。この展示は、映画の公開に伴い、吉村昭の文学作品とその背景にある歴史的な意義を広く知ってもらうことを目的としています。

本展示では、吉村昭の自筆原稿を中心に、映画に関するさまざまな資料が展示されます。特に、小泉堯史監督から寄贈された台本や、主演を務めた松坂桃李さん、芳根京子さん、役所広司さんが撮影で実際に着用した衣装が目玉となっています。さらに、撮影に使用された小道具やスチール、衣装デザイン画、黒澤明監督作品「赤ひげ」の小道具として使用された薬研(やげん)も展示され、来場者は映画の裏側を垣間見ることができます。

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展示内容の詳細

特集展示「雪の花 -ともに在りて- 展」では、以下のような主な展示資料が用意されています。

  • 自筆原稿「めっちゃ医者 伝」
  • 種痘に関する自筆メモ
  • 「雪の花」に関する自筆メモ
  • 村上豊挿画「雪の花」(津村節子氏蔵)
  • 執筆時参考文献
  • 映画「雪の花―ともに在りて―」の台本
  • 劇場版パンフレット「蜩ノ記」「峠―最後のサムライー」など

これらの展示資料は、吉村昭の作品の深い理解を促すものであり、特に小説『雪の花』が描く江戸時代末期の福井藩の町医者、笠原良策の物語に焦点を当てています。彼は、未曾有の疫病である疱瘡(天然痘)から人々を救うために私財を投げ打ち、種痘(予防接種)の普及に尽力した姿が描かれています。この展示を通じて、笠原良策の強靭な精神力と信念を感じ取ることができるでしょう。

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イベント情報

特集展示の一環として、2月2日には映画「雪の花 -ともに在りて-」の小泉堯史監督を招いたトークイベントが予定されています。このイベントは、定員の2倍以上の応募があり、吉村昭記念文学館友の会の会員や一般の方々からも多くの問い合わせを受けています。

小泉監督は、荒川区からの手紙を受け取り、お忍びで文学館を訪れた際に、トークイベントの実施を快諾しました。このような経緯から実現したイベントは、展示への関心を一層高めています。トークイベントでは、映画制作の裏話や吉村昭の作品に対する思いなどが語られる予定です。

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おしどり文学館協定と展示の意義

吉村昭記念文学館と福井県ふるさと文学館は、平成29年11月5日に「おしどり文学館協定」を締結しました。この協定は、吉村昭と福井県出身の作家、津村節子氏の「おしどり夫婦」にちなんでいます。展示では、福井とゆかりのある作品や福井県の撮影ロケ地も紹介されており、地域の文学と文化のつながりを感じることができます。

展示の入口や実際の展示の様子は、来場者にとって新たな発見の場となるでしょう。特に、撮影で着用した衣装や吉村昭の自筆原稿を直接鑑賞することができる貴重な機会です。

展示名 期間 会場 入館料
雪の花 -ともに在りて- 展 2025年1月25日~3月16日 ゆいの森あらかわ3階 企画展示室 無料

このように、特集展示「雪の花 -ともに在りて- 展」は、吉村昭の作品とその背後にある歴史的な背景を深く理解するための貴重な機会です。映画と文学の融合を楽しみながら、来場者は多くの知識を得ることができるでしょう。

参考リンク: