2025年春開始!デイサービスでゲームを活用した認知症予防実証実験
ベストカレンダー編集部
2025年1月27日 11:07
ゲーム介護実証実験
開催日:3月1日
![ゲーム介護実証実験](https://cdn.bestcalendar.jp/press-release-images/28842/1.webp)
デイサービスでゲームを活用した実証実験を開始
介護業界のDX化を目指すGLOE株式会社と株式会社ウェルモは、2025年春より高齢者通所介護施設(デイサービス)でゲームを使用した実証実験を実施することを発表しました。この取り組みは、超高齢社会における認知症予防と高齢者のフレイル(加齢に伴う身体機能の低下)を防ぐことを目的としています。
![デイサービスでゲームを活用した実証実験を開始 画像 2](https://cdn.bestcalendar.jp/press-release-images/28842/2.webp)
超高齢社会の現状と課題
日本は2005年に高齢化率が世界で最も高くなり、2007年には高齢化率が21%を超える超高齢社会に突入しました。2024年9月時点での高齢者人口は3,625万人、高齢者人口化率は29.3%で過去最高となっています。加齢が最大因子とされる認知症については、2050年には約800万人が認知症になると推計されています。毎日130人が新たに認知症を発症するとされ、この問題に対する対策が急務となっています。
認知症予防の重要性
認知症の予防には「孤立」を防ぐことが重要です。超高齢社会においては、認知症高齢者とその支援を行う家族や地域のサポートが必要です。フレイルに対するアプローチとしては、以下の2つが挙げられます。
- 直接的なアプローチ:運動や脳トレなどを通じて認知機能低下を抑制する。
- 間接的なアプローチ:生活環境を整え、社会交流の機会を増やす。
厚生労働省のワーキンググループでは、これらのアプローチをデイサービスをはじめとする介護予防サービスで展開することが推奨されていますが、デイサービス事業者の約半数が赤字運営であり、フレイルに対するアプローチが困難な状況です。
課題はフレイル予防と高齢者の関心喚起
日本では医療保険や介護保険制度が充実しているため、病気に対する「予防」の意識が薄い傾向があります。自身の加齢に伴う機能低下を自覚していない高齢者が、フレイル予防の重要性を理解し、デイサービスを利用することは稀です。さらに、デイサービスを利用しても、高齢者の7割は施設外での交流がほとんどないという調査結果もあります。
このような背景の中、デイサービスを運営する事業者は、高齢者が楽しめるフレイル予防プログラムを提供する方法に頭を悩ませています。
ゲームが持つ可能性で介護業界を変える
ウェルモとGLOEは、認知症高齢者問題の解決に向けて、介護とゲームのノウハウを融合させた実証実験に取り組むことを決定しました。ゲームは、運動や脳トレ、レクリエーション活動に加えて、エンターテイメントとしての楽しみや達成感、社会的交流の場を提供します。これにより、高齢者のフレイル予防に新しいアプローチを提供することが期待されています。
また、インターネット環境を活用することで、自宅にいる独居高齢者もオンラインで参加でき、社会的孤立を防ぐことが可能です。さらに、ゲームを通じて新しい若年層の介護業界への就職促進も期待されます。
実証実験の目的と内容
本実証実験では、高齢者がゲームをすることで認知機能や身体機能が改善されることを検証します。以下の点に焦点を当てます。
- 利用者の認知機能や運動機能の変化を定量的に評価する。
- 利用者の行動変化やデイサービスへの参加意欲の変化を観察する。
- ゲームプログラム導入によるデイサービス従業員の業務量の変化を検証する。
- ゲームの結果を高齢者の身体的・精神的変化をモニタリングする手段として活用できるかどうかを検討する。
さらに、介護業界の生産性向上を目的として、従業員の業務負担軽減の効果も検証し、持続可能なプログラムの開発に取り組みます。
今後の展望と取り組み
ウェルモとGLOEは、従来のゲームコンテンツを取り入れるだけでなく、高齢者が自発的に取り組みやすい新たなゲームやレクリエーションの企画・開発を計画しています。外部研究機関と共同で実証実験を進め、科学的に根拠のあるプログラムを全国の介護施設に展開する構想もあります。
また、高齢者があたりまえにゲームを通じて繋がるコミュニティを構築することで、多世代の交流のきっかけにもつながります。これにより、孤立化のない超高齢社会を目指し、継続的な実証実験が行われる環境を整えていく予定です。
各社代表のコメント
- 株式会社ウェルモ 代表取締役 鹿野 佑介
- 高齢者が自ら外出しデイサービスに出向き、新しい友人を作ることができるよう、介護プラットフォームとノウハウを最大限に活かしていきます。
- GLOE株式会社 代表取締役 谷田優也
- ゲームが高齢者に楽しみを提供し、孤立を防ぐコミュニティを形成することを目指して、ウェルモ様との取り組みに感謝しています。
会社概要
株式会社ウェルモは、介護業界向けの革新的な業務DXソリューションを提供しており、25,900事業所のユーザーを抱えています。GLOE株式会社は、eスポーツやゲームに関する企画・運営を行い、介護業界の発展にも寄与しています。
会社名 | 事業内容 | 所在地 |
---|---|---|
株式会社ウェルモ | 介護業界向けの業務DXソリューション | 福岡県福岡市中央区 |
GLOE株式会社 | ゲーム・eスポーツに関する企画・運営 | 東京都新宿区 |
以上の取り組みを通じて、介護業界のDX化を進め、高齢者がより良い生活を送るためのサポートを提供していく方針です。