2025年2月、食品値上げ1656品目に拡大。加工食品や調味料が中心
ベストカレンダー編集部
2025年1月31日 11:42
2025年食品値上げ
開催日:2月1日
2025年2月の食品値上げ動向
株式会社帝国データバンクが発表した調査によれば、2025年2月の飲食料品値上げは1656品目に及び、前年同月から30品目・1.8%増加したことが明らかになりました。この調査は、主要な食品メーカー195社を対象に行われ、家庭用を中心とした値上げの動向を分析したものです。
特に注目すべきは、食品分野別の値上げ状況です。「加工食品」が589品目と最も多く、続いて「調味料」が357品目、「菓子」が329品目、「酒類・飲料」が266品目と続きました。これにより、飲食料品全体における値上げの勢いが前年に比べて強まっていることが示されています。
2025年通年の値上げ予測
2025年の通年においては、累計品目数が8867品目に達し、前年同時期に比べて9割増のペースで推移する見込みです。これにより、年間の平均値上げ率は16%に達することが予想されています。特に、春先にかけての大規模な値上げが予想されており、コメやチョコレートの原料となるカカオ豆、コーヒー豆の高騰が影響を及ぼすとされています。
2025年3月には、2024年10月以来5カ月ぶりに単月で2千品目を超える見込みであり、4月には23年10月以来1年6カ月ぶりに3千品目を突破する可能性もあります。これにより、今後さらに値上げが増加することが見込まれています。
値上げの要因とその影響
値上げの要因としては、原材料高が97.6%を占め、過去3年にわたり値上げ品目全体の9割を超えています。さらに、物流費の上昇が79.4%を占め、これは集計開始以来の過去最高値となっています。人件費由来の値上げも50.9%に達し、初めて値上げ品目数のうち半数を超えました。
これらの要因に加え、エネルギー価格の上昇や円安の影響も値上げに拍車をかけています。特に、原油や電気・ガス代などの「エネルギー」による値上げが前年を上回る傾向にあります。
値上げ品目の内訳
食品分野 | 値上げ品目数 |
---|---|
加工食品 | 589品目 |
調味料 | 357品目 |
菓子 | 329品目 |
酒類・飲料 | 266品目 |
上記の表からもわかるように、加工食品が最も多く値上げされており、特に冷凍食品やチルド麺製品が目立っています。また、調味料や菓子類も値上げが進んでおり、消費者にとっては影響が大きい状況です。
今後の見通しと影響
2025年の値上げは、原料米を中心とした米飯類製品をはじめ、大幅な価格改定が予定されているケースが目立ちます。企業努力によるコスト吸収が限界に近づいている中、円安による輸入物価の上振れや賃上げによる人件費の上昇が続く限り、値上げ圧力が弱まる局面は考えにくい状況です。
また、実質賃金の伸び悩みから消費者の値上げに対する拒絶反応が見られる一方で、販売量減といった影響も顕在化しています。特に、今夏までは大幅な価格引き上げを伴う値上げが相次ぐ可能性が高いとされています。
まとめ
2025年2月の食品値上げは1656品目に及び、前年同月からの増加が見られました。これにより、2025年通年では8867品目の値上げが予想され、年間の平均値上げ率は16%に達する見込みです。値上げの要因には原材料高や物流費の上昇、人件費の増加が含まれ、特に加工食品や調味料が多く値上げされている状況です。
これらの情報をまとめると、以下のようになります。
項目 | 数値 |
---|---|
2025年2月の値上げ品目数 | 1656品目 |
通年累計値上げ品目数 | 8867品目 |
年間平均値上げ率 | 16% |
加工食品の値上げ品目数 | 589品目 |
調味料の値上げ品目数 | 357品目 |
今後の食品業界において、値上げの動向がどのように変化していくのか、引き続き注視する必要があります。