QPS研究所、2025年から小型SAR衛星の打上げを開始 - ロケット・ラボと協力
ベストカレンダー編集部
2025年2月5日 09:41
QPS-SAR打上げ契約
開催日:1月1日
QPS研究所とRocket Lab社の契約締結
株式会社QPS研究所(以下、QPS研究所)は、2025年から2026年にかけて、小型SAR衛星「QPS-SAR」4機分の打上げに関して、米国のRocket Lab社(以下、ロケット・ラボ社)と契約を締結したことを発表しました。この契約によって、QPS-SARはロケット・ラボ社のロケットElectronに各1機ずつ搭載され、打上げが行われる予定です。
特に注目すべき点は、4機連続でロケット・ラボ社によって打上げられるのではなく、他社ロケットとも調整しながら打上げを決定していくという点です。これにより、個別の打上げスケジュールはそれぞれのロケットに対して衛星が決まり次第、改めてお知らせされることになります。
打上げ予定とスケジュール
今回の契約に基づく打上げは、2025年から2026年にかけて行われ、具体的には2025年中に3機、2026年に1機が予定されています。このように、QPS研究所は着実に衛星コンステレーションの構築に向けて進んでいます。
打上げに関する詳細なスケジュールは、今後の発表を待つ必要がありますが、QPS研究所は、これまでの経験を生かし、効率的かつ安全に打上げを進めていく方針です。
ロケット・ラボ社のコメント
ロケット・ラボ社のCEOであるPeter Beck氏は、今回の契約に関して以下のようにコメントしています。
「衛星コンステレーションの構築においては、エンドユーザの必要とするデータの収集やサービスの提供を最大化するために、衛星がいかに精緻な軌道に、適切なタイミングで配置されるかが重要です。まさにこれこそ、Electronの専用打上げが提供するユニークかつ信頼性の高いサービスです。QPS研究所の複数機にわたる打上げを一括して任せて頂いたことは光栄であり、そのコンステレーションの次の段階の構築を支援できることを楽しみにしています。」
QPS研究所の代表者のコメント
QPS研究所の代表取締役社長CEOである大西俊輔氏も、今回の契約についての見解を述べています。
「2023年12月のQPS-SAR5号機『ツクヨミ-Ⅰ』の打上げでお世話になったロケット・ラボ社と4機分のミッションを共にできることを大変心強く思っており、今回の契約に向けて尽力して下さったプロジェクト関係者の皆様、そして弊社担当チームに感謝しております。QPS研究所は衛星コンステレーションの構築に向けてQPS-SARの製造と打上げを加速しており、そのための確かな選択肢であるElectronを確保できたことは、弊社の計画をより盤石なものにしてくれるものだと信じています。」
SAR衛星の特徴と重要性
SAR(合成開口レーダー)衛星は、電波を使用して地表の画像を得ることができるレーダーを搭載しています。この技術の特徴は、雲や噴煙を透過して昼夜を問わず観測が可能である点です。これにより、地球観測データの取得が容易になり、様々な分野での利用が期待されています。
具体的には、災害監視、環境保護、農業、都市開発など、多岐にわたる分野での応用が考えられています。QPS研究所が開発するQPS-SAR衛星は、これらのニーズに応えるために設計されており、地球観測データビジネスにおいて重要な役割を果たすことが期待されています。
QPS研究所の概要
QPS研究所は2005年に福岡で創業され、九州宇宙産業の発展に寄与することを目的としています。会社名の「QPS」は「Q-shu Pioneers of Space」の頭文字を取ったもので、九州の地から宇宙産業をリードすることを目指しています。
同社は、九州大学での小型人工衛星開発の技術を基に、国内外で衛星開発やスペースデブリへの取り組みを行っており、名誉教授陣や若手技術者と共に宇宙技術開発を進めています。また、全国25社以上のパートナー企業と連携し、強力な支援を受けています。
まとめ
項目 | 詳細 |
---|---|
契約締結日 | 2025年2月5日 |
打上げ予定衛星数 | 4機 (2025年中に3機、2026年に1機) |
打上げロケット | Rocket Lab社のElectron |
SAR衛星の特徴 | 昼夜を問わず、雲を透過して観測可能 |
会社設立年 | 2005年 |
以上のように、QPS研究所はロケット・ラボ社との契約を通じて、衛星コンステレーションの構築を進めています。今後の展開が期待される中、QPS研究所の取り組みが宇宙ビジネスにおいてどのような影響を与えるのか、注目が集まっています。
参考リンク: