古河電工とメトロウェザー、ドップラー・ライダーの国産化に向けた提携を発表
ベストカレンダー編集部
2025年2月27日 09:42
ドップラーライダー提携
開催日:2月26日
古河電工とメトロウェザーの資本業務提携について
2025年2月26日、メトロウェザー株式会社(本社:京都府宇治市、代表取締役:古本淳一、以下「メトロウェザー」)と古河電気工業株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:森平英也、以下「古河電工」)は、ドップラー・ライダーの国産化およびその量産化に向けた資本業務提携を発表しました。この提携により、両社はドップラー・ライダーを活用した社会実装の促進を図り、世界の安全・安心の実現に向けた取り組みを強化することを目指します。
メトロウェザーは、高精度なリアルタイム風況観測を行うドップラー・ライダーの研究開発に注力しており、NASAや防衛省、商船三井グループ、ヤンマーグループなどとの国際的な事業開発を進めています。このような背景から、国内外の多くのステークホルダーから高い期待を寄せられています。
ドップラー・ライダーの特徴と利点
メトロウェザーが開発しているドップラー・ライダーは、重量とサイズの優位性から機動的な観測が可能であり、以下のような特長を持っています。
- 重量:180kg
- サイズ:60cm x 74cm x 106cm
- 観測距離:最大半径15km
このドップラー・ライダーは、赤外線レーザーを用いて大気中の微細な塵に照射し、塵の動きによってわずかに変化する光の周波数を解析することで、高精度な風速と風向を計測します。これにより、風況観測において高い精度を実現しています。
物体検知機能の研究開発
さらに、メトロウェザーはドップラー・ライダーの技術を活用した物体検知の研究開発も進めています。特に、レーダーで捕捉できない不規則に低高度を飛行するドローンなどの無人航空機をレーザーで探知する技術の開発に取り組んでいます。ドップラー・ライダーは赤外線レーザーを使用しているため、直接目視できない上に指向性が高く、被探知側からの逆探知をされにくい特長があります。
資本業務提携の背景と目的
古河電工は、「古河電工グループ ビジョン2030」の達成に向けて、社会課題解決型の新事業創出を進めています。航空宇宙分野やライフサイエンス分野を含む複数の新事業開発を行っており、本資本業務提携により、メトロウェザーの小型高性能なドップラー・ライダーのコアコンポーネントの開発を行い、国産化に貢献します。
この提携により、古河電工は自身のフォトニクス技術を活用し、メトロウェザーのドップラー・ライダーの量産体制の構築を支援します。具体的には、古河電工が持つ製造に関するノウハウや設備の利用を通じて、メトロウェザーが目指す小型高性能ドップラー・ライダーの開発を加速させることが期待されています。
NEDOからの採択事業
メトロウェザーの研究開発においては、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から以下の2つの事業内での採択を受けています。
- NEDO 経済安全保障重要技術育成プログラム
航空安全等に資する小型無人機の飛行経路の風況観測技術 - NEDOディープテック・スタートアップ支援事業(DTSU)PCAフェーズ
実用化研究開発(後期)『小型低価格ドップラーライダーと量産に向けた精度検証手法の開発』
これらの事業は、メトロウェザーがドップラー・ライダーを用いた新たな技術を開発し、社会実装を進めるための重要なステップとなっています。
企業情報
古河電工とメトロウェザーの企業情報は以下の通りです。
| 企業名 | 所在地 | 代表取締役 | 事業内容 | 設立 |
|---|---|---|---|---|
| 古河電気工業株式会社 | 東京都千代田区大手町2丁目6番4号(常盤橋タワー) | 森平 英也 | メタル、ポリマー、フォトニクス、高周波の4つのコア技術を強みに、情報通信やエネルギーなどのインフラ分野、自動車部品分野、エレクトロニクス分野へ多岐にわたる技術・製品・サービスを提供 | 1896年6月25日 |
| メトロウェザー株式会社 | 京都府宇治市広野町茶屋裏18番地の1 タニヤマ大久保ビル1階 | 古本 淳一 | リモートセンシング技術を応用した大気計測装置の開発・製作・販売 | 2015年5月13日 |
この資本業務提携を通じて、両社はドップラー・ライダーの社会実装を進め、より安全で安心な社会の実現に向けた取り組みを強化していくことが期待されます。
参考リンク: