Visaが実施したキャッシュレス派と現金派の意識調査、地域・世代別の違いを分析

キャッシュレス派と現金派の実態調査

ビザ・ワールドワイド・ジャパン株式会社は、全国の15歳から79歳の男女11,538人を対象に「キャッシュレス利用実態に関する調査」を実施しました。この調査は、キャッシュレス派と現金派の意識や行動の違いを明らかにすることを目的としています。調査結果からは、特に地域別や年代別におけるキャッシュレス派と現金派の比率や、それぞれの節約意識、行動の違いが浮き彫りになりました。

地域別のキャッシュレス派・現金派の比率

調査結果によると、キャッシュレス派の比率は関東や近畿といった大都市圏で高く、四国地方では現金派が多い傾向が見られました。具体的には、全国平均でキャッシュレス派が71%に対し、四国では66%と低い数値が示されています。このことから、四国地方にはキャッシュレス化の潜在力があると推察されます。

以下の表は、地域別のキャッシュレス派と現金派の比率を示しています。

世代別のキャッシュレス派の割合

年代別に見ると、キャッシュレス派の割合は30代以上で7割を超え、特に60代以上では75%に達しています。この結果は、高齢者層においてもキャッシュレス決済が広がっていることを示しています。また、性別では男性の方がキャッシュレス派の比率が高いという結果が出ました。

キャッシュレス派の節約意識は、現金派に比べて高まっており、物価高の影響もあって節約方法に違いが見られます。キャッシュレス派は、ポイント還元や割引のある決済手段を使うことで節約を図る傾向が強いです。

節約意識と方法の違い

調査によると、キャッシュレス派の74%が節約意識が高まっていると回答しており、これは現金派の69%よりも5ポイント高い数値です。具体的な節約方法については、キャッシュレス派は「ポイント還元や割引のある決済手段を使う」が最も多く、次いで「特売品/セール品を選ぶ」「チラシやクーポンをチェックする」などが挙げられます。

一方で現金派は、「外食を控える」「自炊をする」といった支出を減らす方法を選ぶ傾向があります。このように、キャッシュレス派はお得な情報を活用し、現金派は支出を抑える方法を選ぶことで、それぞれの節約行動が異なることが分かります。

ATMからの現金引き出し頻度の変化

調査結果によると、ATMから現金を引き出す頻度はキャッシュレス派と現金派の両方で減少しています。キャッシュレス派の34%が頻度が減ったと回答しており、特に女性の若年層でその傾向が顕著です。具体的には、女性20代のキャッシュレス派では45%が「とても減った」と回答しています。

減少の理由としては、キャッシュレス派の62%が「現金を使う機会が減ったから」と答え、次いで47%が「クレジットカード/デビッドカードの利用が増えたから」としています。現金派でも41%が「現金を使う機会が減ったから」と回答していますが、30%が「現金を持ち歩くことが減ったから」とも述べており、防犯面での心理的不安も影響していることがうかがえます。

時短意識と行動の違い

時短に関する意識や行動について、キャッシュレス派と現金派で顕著な違いが見られました。キャッシュレス派の54%が「金融機関はネットを利用している」と回答したのに対し、現金派は29%に留まっています。特に男性40〜50代でこの差が顕著で、キャッシュレス派の男性は6割以上がネット利用を選択しているのに対し、現金派は3割以下です。

また、お会計時の意識や行動には大きな差は見られませんが、キャッシュレス派は無人レジ（セルフレジ）を好んで利用する傾向があります。特に女性若年層でその意識が高く、技術の進化を受け入れ、効率的な買い物を追求していることが示されています。

調査概要

本調査は、マクロミルに委託して実施され、調査期間は2024年12月16日から12月19日までの4日間です。調査対象者は全国の15歳から79歳の男女11,538人です。キャッシュレス派は、普段の決済で現金を使わないか、現金とキャッシュレスの両方が使える場面でキャッシュレス決済を選ぶ人を指し、現金派はその逆の定義となります。

キャッシュレス決済には、クレジットカード、デビッドカード、交通系電子マネー、流通系電子マネー、QRコード決済などが含まれます。

まとめ

今回の調査からは、キャッシュレス派と現金派の意識や行動の違いが明らかになりました。特に地域や年代による差異が顕著であり、キャッシュレス化の進展にはまだ潜在的な可能性があることが示唆されました。以下の表に、調査結果の要点をまとめています。

この調査結果は、消費者の決済行動における変化を示す重要なデータとなっています。今後もキャッシュレス決済の普及が進む中で、消費者の意識や行動がどのように変化していくのか注目されます。