國分功一郎の新刊『中動態の世界』が3月28日に発売!哲学的自由を探る

中動態の世界発売

開催日:3月28日

中動態の世界発売
國分功一郎の新刊ってどんな内容?
『中動態の世界 意志と責任の考古学』は、能動でも受動でもない“中動態”を軸に、人間の自由を探求する哲学書です。
中動態って何なの?
中動態はインド=ヨーロッパ語に存在した文法で、能動でも受動でもない状態を示し、私たちの思考の幅を広げる概念です。

國分功一郎の新刊『中動態の世界 意志と責任の考古学』が発売決定

2025年3月28日、株式会社新潮社より、著者・國分功一郎氏の文庫最新刊『中動態の世界 意志と責任の考古学』が刊行されることが発表されました。本書は、能動でも受動でもない“中動態”という失われた概念を軸に、言葉に規定されてしまう人間の不自由さを見つめ、本当の自由を求める内容となっています。単行本として刊行された際には大きな話題を呼び、紀伊國屋じんぶん大賞や小林秀雄賞を受賞するなど、評価も高い作品です。

40万部突破の『暇と退屈の倫理学』著者・國分功一郎の文庫最新刊『中動態の世界 意志と責任の考古学』が3月28日に発売決定! 画像 2

『中動態の世界』の概要と背景

本書は、2017年に「シリーズ ケアをひらく」として医学書院から刊行された哲学書です。刊行当初から注目を集め、依存症当事者との対話を通じて、私たちの思考が能動と受動の対立に強く縛られていることに気づかされます。著者は、歴史から姿を消した“中動態”を手がかりに、私たちの思考の可能性を広げることを目指しています。

中動態という概念は、私たちの日常生活における言葉の使い方を再考させる重要なテーマです。例えば、「誰かを好きになる」という行為は、能動でも受動でもなく、私たちが日常的に使っている言葉では説明しきれないものです。このように、著者は自らの思考の枠を超え、より深い理解を求める姿勢を示しています。

40万部突破の『暇と退屈の倫理学』著者・國分功一郎の文庫最新刊『中動態の世界 意志と責任の考古学』が3月28日に発売決定! 画像 3

中動態の重要性

中動態は、インド=ヨーロッパ語において存在した文法の一つであり、現代社会においても重要なテーマとなっています。ノーベル賞作家のハン・ガン氏もこの概念に触れており、彼の著書『ギリシャ語の時間』でも言及されています。中動態を理解することで、私たちの日常生活や人間関係における自由の概念を再考するきっかけとなります。

文庫版の特別な補遺

今回の文庫化に際して、著者は新たに補遺「なぜ免責が引責を可能にするのか──責任と帰責性」を収録しました。この補遺では、「責任」という概念について深く掘り下げています。著者は、単行本では「意志」との比較において十分に踏み込むことができなかったと語り、多くの人との対話を通じて得たヒントを基に、新たな視点から責任を論じています。

責任とは何か、そして“責任を負う”とはどういうことなのか。著者は、意志と責任が結びつくことで生じる現代社会の歪みを指摘し、時代を画する責任論を展開しています。これにより、読者は責任というテーマについて新たな理解を得ることができるでしょう。

『暇と退屈の倫理学』の成功

國分功一郎氏の著作『暇と退屈の倫理学』は、2022年1月に文庫版が刊行されて以来、累計40万部を突破するなど、哲学書として異例の売行きを記録しています。この書籍は、特に20代から40代の読者に広く支持され、普段は哲学書を手に取らない層にも受け入れられました。

現代の消費社会において、気晴らしと退屈が抱える問題を解き明かした本書は、2022年、2023年と2年連続で「東大・京大で一番読まれた本」としても注目を浴びました。これにより、著者の哲学的な考察が多くの人々に影響を与えていることが示されています。

著者紹介と書籍データ

著者の國分功一郎氏は、1974年生まれで、東京大学大学院総合文化研究科博士課程を修了し、現在は同大学の教授を務めています。専攻は哲学であり、著書には『暇と退屈の倫理学』や『ドゥルーズの哲学原理』などが含まれています。

書籍タイトル 著者名 発売日 造本 定価 ISBN 関連リンク
中動態の世界 意志と責任の考古学 國分功一郎 2025年3月28日 文庫 990円(税込) 978-4-10-103542-0 新潮社リンク

以上が、國分功一郎氏の最新刊『中動態の世界 意志と責任の考古学』に関する情報です。本書は、哲学的な視点から現代社会の問題を考察する重要な作品となっています。著者の独自の視点と深い洞察が詰まった本書を通じて、読者は新たな思考の世界に触れることができるでしょう。

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