シミックとブラックストーン、5月1日から戦略的資本提携でCRO事業強化
ベストカレンダー編集部
2025年3月3日 14:42
戦略的資本提携開始
開催日:5月1日
シミックホールディングスとブラックストーンの戦略的資本提携
シミックホールディングス株式会社(以下、シミックホールディングス)は、2025年3月3日に、Blackstone Inc.(以下、ブラックストーン)との間で、シミックホールディングスの傘下にあるCRO(医薬品開発支援)事業を展開するシミック株式会社(以下、シミック)に関する戦略的資本提携に合意したことを発表しました。この提携は、シミックがアジアのリーディングCROに向けてさらなる成長を推進するための重要なステップとなります。
医薬品業界の現状とシミックの取り組み
日本の医薬品業界は、バイオ医薬品を中心に新薬の開発が進む一方で、海外依存が高まり、創薬力の低下が懸念されています。また、薬価改定による市場の魅力低下も影響を与えています。こうした状況を受けて、シミックは最先端の基礎・応用研究やデジタル技術を活かし、革新的な新薬を創出するために、産官学が一体となって創薬エコシステムの構築に取り組んでいます。
特にCRO業界は、事業環境が大きな変革期を迎えており、より高品質で効率的な医薬品開発支援が求められています。シミックはこの変革に対応するため、組織の進化と非連続成長を実現するために新たなパートナーを探してきました。
ブラックストーンの役割とシミックへの期待
ブラックストーンは、世界最大級のライフサイエンスファンドであるブラックストーン・ライフサイエンス・ファンド(BXLS)を運営しており、医薬品や医療機器の開発に対する投資と上市支援を行っています。これまでに約150製品の上市を主導した実績があり、米国を中心に世界中の製薬企業やバイオテック企業との強いネットワークを有しています。
この強力なネットワークにより、シミックは有力な海外バイオベンチャー企業との連携を強化し、これまでのサービスを進化させることが期待されています。シミックは、ブラックストーンが培ったヘルスケア・ネットワークや知見を活用することで、高品質で付加価値の高い医薬品開発支援を推進し、将来的な株式上場を見越した事業成長を目指します。
提携の具体的な内容とシミックの展望
本提携により、シミックは2025年5月1日(予定)付で、ブラックストーンが60.0%、シミックホールディングスが40.0%を保有する持株会社の下で事業を展開することになります。この新たな体制を通じて、シミックはアジア各地の拠点と連携し、アジアのリーディングCROを目指して、顧客に対してより充実したサービスを提供していく方針です。
シミックの強みは、1992年に日本で初めてCRO事業を開始し、医薬品に関する総合的な支援業務を提供してきた豊富な経験にあります。製薬・バイオテクノロジー・医療機器業界の海外企業の日本市場参入支援や、アジアでの臨床試験実施、米国と日本における医薬品開発及び製造のサポートなど、多岐にわたる業務を展開しています。
シミックグループの事業モデルとビジョン
シミックグループは、個人や自治体を支援する新しいヘルスケアソリューションを提供しており、製薬企業のバリューチェーンを全面的に支援する事業モデル「PHVC(Personal Health Value Creator)」の展開を目指しています。これにより、個々人の健康価値を最大化することを目指しています。
現在、シミックグループには7,500人を超える従業員と28社のグループ会社が存在し、グローバルな視点から医薬品開発支援を行っています。今後は、ブラックストーンとの提携を通じて、さらなる成長を遂げることが期待されます。
まとめ
シミックホールディングスとブラックストーンとの戦略的資本提携は、医薬品開発支援の分野でのシミックの成長を加速させる重要な契機となります。シミックは、ブラックストーンの豊富なネットワークと支援機能を活用し、より高品質な医薬品開発支援を提供することで、アジアのリーディングCROとしての地位を確立していく方針です。
以下に、本提携の重要なポイントをまとめます。
項目 | 内容 |
---|---|
提携日 | 2025年3月3日 |
提携先 | Blackstone Inc. |
シミックの持株比率 | 40.0% |
ブラックストーンの持株比率 | 60.0% |
事業開始予定日 | 2025年5月1日 |
シミックグループの設立年 | 1992年 |
この提携を通じて、シミックホールディングスはアジア市場における競争力を強化し、医薬品開発支援の新たなスタンダードを確立することが期待されています。
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