トライアルが西友を完全子会社化へ、2025年7月1日実行予定の背景と狙い
ベストカレンダー編集部
2025年3月5日 16:41
西友完全子会社化
開催日:7月1日

株式会社西友の株式取得に関するお知らせ
株式会社トライアルホールディングスは、2025年3月5日に開催された取締役会において、株式会社西友(以下「西友」といいます。)の株式を取得し、完全子会社化することを決議したことをお知らせいたします。この決定は、トライアルホールディングスが進める流通小売事業及びリテールAI事業のさらなる成長を目指すものです。

株式取得の背景
トライアルホールディングスグループは、九州を中心にディスカウントストアを運営しており、IoTやAIなどのデジタル技術を駆使して流通小売業界のデジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組んでいます。特に流通小売事業においては、Every Day Low Priceの提供により、インフレ時代でも高い集客力を維持しています。
今後の成長戦略としては、既存店の成長と新規出店の推進、「食」の強化、収益性の向上を掲げており、具体的には以下の施策に注力する方針です。
- リテールテックの導入を通じた店舗改装
- 美味しくて安い惣菜やプライベートブランド(PB)商品の開発
- ローコストオペレーションの強化
西友は、関東エリアを中心に駅近くの好立地に多くの店舗を有し、強固な事業基盤を持っています。PBを中心とした商品力や自社製造拠点、取引先との強固な関係が特徴です。今回の完全子会社化により、トライアルホールディングスグループは九州に加えて関東、中部、関西エリアでの事業基盤を迅速かつ効率的に構築することが可能となります。

株式取得の詳細
今回の株式取得により、連結売上高1兆円を超える小売グループが誕生する見込みです。西友とトライアルホールディングスの店舗は地域的に重複が少なく、商圏のカニバリゼーションによる退店等のディスシナジーについては認識していません。また、西友のオリジナル商品や製造拠点を獲得することで、グループ全体の「食」の強化や生産・物流の最適化が期待されます。
さらに、西友が展開するEC事業も、トライアルホールディングスのEC事業と相乗効果をもたらすことが期待されています。リテールAI事業では、メーカーとのデータ連携による「ムダ・ムラ・ムリ」の解消や、タブレット決済機能付きのレジカード「Skip Cart」の導入による買い物体験の向上を図ります。

株式取得の相手先について
株式取得に関わる相手先は以下の通りです。
- 1. SY Investment L.P.
- 設立根拠等、組成日、出資の総額、出資者・出資比率などは非開示とされています。
- 2. アジア・リテール・ファイナンス任意組合
- こちらも設立根拠や出資者の情報は非開示です。
また、株式譲渡実行日には、少数株主が保有する種類株式が普通株式に転換され、当社がこれを取得する予定です。

今後の展望と資金調達方法
株式取得の実行日は2025年7月1日を予定していますが、競争法に関する手続き等の進捗状況により変更される可能性があります。資金調達については、トライアルホールディングスの健全な財務体質を活かし、手元資金に加えて新たに約3,700億円の借入金を調達することを想定しています。
なお、この株式取得に際して増資等の新株発行を伴う資金調達は行わない予定です。2025年6月期の業績予想については現在精査中であり、業績見通しが確定次第、速やかにお知らせする予定です。

まとめ
株式会社トライアルホールディングスによる株式会社西友の株式取得は、流通小売業界におけるさらなる成長を目指す重要な一歩です。以下に本件の主要なポイントを整理しました。
項目 | 内容 |
---|---|
株式取得の目的 | トライアルホールディングスの事業基盤の強化と、流通業界のDX推進 |
株式取得の相手先 | SY Investment L.P.、アジア・リテール・ファイナンス任意組合 |
実行日 | 2025年7月1日(予定) |
資金調達方法 | 手元資金と新規借入金による |
業績見通し | 現在精査中 |
このように、トライアルホールディングスは西友の完全子会社化を通じて、さらなる成長戦略を推進していく方針です。流通業界全体の変革に向けた取り組みが期待されます。
参考リンク: