VicOneが2024年7月から自動運転車のサイバーリスク分析を開始
ベストカレンダー編集部
2025年3月7日 10:47
サイバーリスク分析受託
開催期間:7月1日〜7月1日

VicOne、損害保険料率算出機構より自動運転時代のサイバーリスク分析業務を受託
2025年3月7日、VicOne株式会社(以下、VicOne)は、損害保険料率算出機構(以下、損保機構)より、自動運転時代におけるサイバーリスク分析業務を受託したことを発表しました。この取り組みは、自動運転車が普及する未来に向けて、自動車保険の料率制度や体系における課題を整理するための基礎研究として位置付けられています。
VicOneは、トレンドマイクロ株式会社の子会社であり、自動車向けサイバーセキュリティ分野のリーディングカンパニーとして、自動運転車に関連するサイバーリスクの分析を行います。具体的には、2024年7月から始まるこのプロジェクトは、2025年7月を目途に完了する予定です。

自動運転時代におけるサイバーリスクの重要性
近年、自動運転技術の進展に伴い、サイバー攻撃によって多数の車両が巻き込まれる事故や、巨額の保険金支払いが発生する可能性が懸念されています。このようなリスクは「集積リスク」と呼ばれ、自動車事故の新たな要因として注目されています。
VicOneは、損保機構からの依頼を受けて、サイバーリスクに関する基礎研究を進めており、最悪の事態を想定したシナリオベースの損害額の定量評価に着手しています。この取り組みを通じて、将来の自動運転車社会におけるリスクを明確にし、保険料率算出の支援を行います。
VicOneの専門知識と技術の活用
VicOneは、トレンドマイクロが長年にわたり培ってきたサイバーリスク研究や調査の知見を基に、自動車に特化したサイバーリスクの研究を行っています。自動運転サービスを提供する企業に対し、安全な自動運転の実現を支援するソリューションを提供していることから、今回の業務でもその専門知識と技術が活用されます。
具体的には、VicOneは以下の手法を用いて取り組みを進めます:
- サイバー攻撃の洗い出し
- リスクスコアリング
- 被害が大きい事故のシナリオ特定
- 発生確率の検討
これらの手法を用いて、将来の自動運転車社会におけるサイバーリスクを定量的に評価し、保険料率の算出に活用します。
損害保険料率算出機構の役割
損害保険料率算出機構は、「損害保険料率算出団体に関する法律」に基づいて設立された非営利の民間法人であり、損害保険業の健全な発達と保険契約者の利益の確保を目的としています。主な業務には、参考純率や基準料率の算出、自賠責保険の損害調査、データバンクの運営などがあります。
自動車保険においては、会員から大量のデータを収集し、科学的・工学的手法を用いて適正な参考純率を算出することが求められています。このような取り組みを通じて、国民生活に密着した損害保険の安定的な提供が確保されることが重要です。
VicOneについて
VicOneは、自動車産業向けに幅広いサイバーセキュリティソフトウェアやサービスを提供し、現代の車両が必要とする高度なサイバーセキュリティの要件に適合したソリューションを開発しています。自動車メーカーの厳しい要求に応えるために設計されたこれらのソリューションは、大規模な運用にも対応可能です。
VicOneは、トレンドマイクロの子会社として、30年以上にわたって培われたサイバーセキュリティ技術を基に、グローバルリーダーとしての地位を確立しています。自動車サイバーセキュリティにおける独自の深い知見を活かし、安全でスマートな車両の開発を支援しています。
まとめ
項目 | 詳細 |
---|---|
業務受託者 | VicOne株式会社 |
依頼機関 | 損害保険料率算出機構 |
取り組み開始日 | 2024年7月 |
取り組み完了予定日 | 2025年7月 |
主な目的 | 自動運転時代のサイバーリスクの分析 |
具体的な取り組み内容 | サイバー攻撃の洗い出し、リスクスコアリング、被害シナリオの特定、発生確率の検討 |
今回の取り組みは、自動運転車の普及に向けた重要なステップとなるでしょう。VicOneの専門知識と技術を活用したサイバーリスク分析が、今後の自動車保険制度における課題解決に寄与することが期待されます。
参考リンク: