名古屋市で3月13日から開始!AWSコスト管理ツール「srest」の実証実験
ベストカレンダー編集部
2025年3月13日 14:48
名古屋市クラウド実証
開催日:3月13日

名古屋市のガバメントクラウドにおけるコスト最適化支援
株式会社メタップスホールディングス(以下、メタップスホールディングス)は、2025年3月13日(木)から名古屋市のガバメントクラウド環境において、AWSコスト管理ツール「srest」を用いた実証実験を開始します。この取り組みは、名古屋市が進めるデジタル改革の一環として、ガバメントクラウドへの移行に向けた連携を強化し、AWSコストの可視化および適切なコスト管理を実現することを目的としています。
名古屋市は、2022年に策定した「名古屋市役所DX推進方針」に基づき、業務のデジタル化を加速させるため、ガバメントクラウドへの移行を推進しています。この際、一般的な「共同利用方式」ではなく、「単独利用方式」を採用することで、意思決定の迅速化やガバナンスの強化、クラウド最適化によるコスト削減を図っています。

実証実験の背景と目的
名古屋市では、各システムごとにAWSアカウントが分かれているため、マルチアカウント環境を適切に管理する必要があります。しかし、ガバメントクラウドの仕組み上、組織単位でのコスト把握が困難であることが課題となっていました。そこで、今回実施される実証実験では、クラウドの運用状況を可視化し、システム全体の最適化を図ることを目指しています。
「srest」を活用することで、ガバメントクラウド環境における日々のリソース使用状況やコストの変動を把握し、最適な運用計画を立てることが可能になります。また、運用コストの最適化を実現することで、より安定したクラウド運用体制の構築を目指します。
実証実験の具体的な内容
実証実験では、AWSコスト管理ツール「srest」を活用して、利用コストの正確な把握と最適化を行います。具体的には、以下の内容が含まれます。
- 複数アカウントにおけるコストの横断的な可視化
- アカウント内で按分が必要になるコストの任意の割合での配賦
- 適切な会計管理の実現
名古屋市総務局デジタル改革推進課の高橋氏は、運用コストに関する詳細な情報が現状のままでは十分に把握できないことに気づき、モニタリング体制を整える必要があると考えました。その結果、AWSコストとログを一元的に管理できる「srest」の導入に至りました。
srestの特徴と機能
「srest」は、AWSコスト管理ツールとして、複数のAWSアカウントのコストデータを様々な角度から可視化し、企業のクラウドコスト管理を容易にします。以下は「srest」の主な特徴です。
- 詳細なコスト分析が可能なダッシュボード
- AWSコストの最適化を支援
- SREエンジニアの業務効率化を目指した設計
- AWS Foundational Technical Reviewを通過し、AWS認定ソフトウェアとしても認められています
「srest」の名称は、SRE(Site Reliability Engineering)とrest(休息)を組み合わせたもので、SREエンジニアの業務を少しでも効率化したいという思いが込められています。
今後の展望と期待
名古屋市は、実証実験を通じて、システム標準化対象の20業務だけでなく、内部事務系のシステムやインターネット上に公開するシステムなど、様々なシステムでの活用も検討しています。高橋氏は、リアルタイムに近い情報が受け取れることから、定期的にモニタリングを実施し、資金計画や支払事務の準備期間を確保することを期待しています。
また、コストアロケーションで細かな配賦設定が可能であり、1アカウントに複数の業務がまたがる場合など、会計別にクラウド利用料を正確に把握し、請求・支払いの円滑化を図ることができるとしています。さらに、スタートアップならではの要望へ迅速に対応してもらえるアップデートのスピード感にも期待が寄せられています。
株式会社メタップスホールディングスについて
メタップスホールディングスは、AIの進化により、全てのソフトウェアが更に高度化する時代において、ニッチで専門性の高いソフトウェアの提供を通じて、企業のDX支援に取り組んでいます。
同社のミッションは「テクノロジーでお金と経済のあり方を変える」、ビジョンは「世界を解き放つ」という理念のもと、様々なソフトウェアを提供しています。
まとめ
項目 | 内容 |
---|---|
実証実験開始日 | 2025年3月13日 |
目的 | 名古屋市のガバメントクラウド環境におけるコストの可視化と最適化 |
使用ツール | AWSコスト管理ツール「srest」 |
導入の背景 | 運用コストの把握が困難であるため、可視化体制の強化が必要 |
期待される効果 | コストの正確な把握、請求・支払いの円滑化 |
今回の取り組みは、名古屋市がデジタル改革を進める中で、クラウド環境におけるコスト管理を強化する重要なステップとなります。これにより、より効率的な運用が可能となり、他の自治体におけるモデルケースとしても注目されることが期待されます。