日本植物燃料、2025年1月からモザンビークでのバイオ燃料供給開始を発表
ベストカレンダー編集部
2025年3月18日 05:52
バイオ燃料供給開始
開催日:1月1日
バイオ燃料による海事海運業界の脱炭素化
日本植物燃料株式会社(以下、弊社)は、バイオ燃料の生産と供給を通じて地域の発展、地球環境保全、産業の持続可能性に貢献することを使命としています。2025年3月17日に発表されたこのプレスリリースでは、モザンビークでのバイオ燃料事業を通じて、日本の海事海運産業の脱炭素化に取り組む決定を明らかにしました。
弊社は、ジャトロファを活用したバイオ燃料生産に20年以上の経験を持ち、これまでの実績を基に新たな挑戦を行います。海事海運業界における温室効果ガス(GHG)の削減は、パリ協定の締結以降、喫緊の課題となっています。2025年1月に発効したFuelEU Maritime規制により、業界全体での脱炭素化が求められる中、弊社は年間40万トンのバイオ燃料を生産し、海事海運業界へ供給することを決定しました。
海事海運業界への貢献と環境への影響
年間40万トンのバイオ燃料供給は、日本国内で1年間に回収される廃食油の総量に匹敵します。この取り組みは、温室効果ガス削減に向けた重要な一歩となります。さらに、弊社は搾油後の残渣などのバイオマスを活用し、カーボンクレジットを創出することで、年間800万トンのCO₂排出削減・除去を目指します。
具体的には、以下のような取り組みが進められています:
- バイオ燃料の安定供給
- 温室効果ガス削減の推進
- カーボンクレジットの創出
モザンビークにおける持続可能な発展
本プロジェクトは、モザンビーク北部のナカラ港からマラウイ、ザンビアへと繋がるナカラ回廊沿いにジャトロファを栽培することで、モザンビーク政府が推進する「ナカラグリーン産業回廊構想」に貢献します。この回廊は、資源の輸出入でも利用される主要ルートであり、地域産業の発展は国際的な資源供給の安定化にも寄与します。
ジャトロファは、乾燥した過酷な環境でも育成可能な耐乾性の高い植物で、食用に向かない非可食作物です。豊富な油分を含むことから、持続可能なバイオ燃料原料として注目されています。弊社は20年以上にわたり品種改良と栽培技術の研究を重ね、在来種の50倍の収量を誇るジャトロファの品種を開発しました。
地域の緑化と環境保全の取り組み
モザンビーク国内では、フェンスとしての植樹や荒地の再植林を進めることで、地域の緑化を促進しながらバイオ燃料の生産を行います。また、剪定枝や搾油残渣をバイオ炭として活用することで、土壌改良を促し、農業生産の向上を図ります。これらの活動を通じて、半乾燥地の緑化と持続可能な農業基盤を整備し、地域の環境保全に貢献していきます。
段階的な事業拡大に伴い、現地雇用や働きがいのある仕事を増やし、多くの農家と栽培契約を結ぶことで、安定した収入源を確保し、人々の生活基盤を支えることができます。
持続可能な社会の構築を目指す共同プロジェクト
弊社は、様々な分野の国内大手企業と協力し、海事海運産業の脱炭素化を目的としたモザンビーク産ジャトロファ油の供給について合意しました。このプロジェクトは、経済産業省の「グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金」にも採択され、持続可能なエネルギー供給の確立に向けた公的支援を受けています。
ジャトロファは、過酷な環境下でも育成可能な非可食作物であり、食料生産と競合することなく栽培が可能です。未利用地を活用することで、食料作物生産と共存しながら、安定したバイオ燃料供給が実現します。弊社は本プロジェクトを通じて、脱炭素化と持続可能な社会の実現に向けて取り組んでまいります。
項目 | 内容 |
---|---|
企業名 | 日本植物燃料株式会社 |
プロジェクト内容 | モザンビークでのバイオ燃料生産 |
生産量 | 年間40万トン |
CO₂削減目標 | 年間800万トン |
ジャトロファの特性 | 耐乾性の高い非可食作物 |
以上の情報を通じて、バイオ燃料の生産と供給がもたらす環境への影響や地域社会への貢献について理解が深まることを期待します。持続可能な未来を築くための取り組みが進んでいることを示す重要なプロジェクトです。