漫画IP活用の実態調査結果発表、企業の広告効果向上の実態とは

漫画IP活用の実態調査

近年、企業がマーケティング戦略に取り入れる新たな手法として、IP（知的財産）の活用が注目を集めています。特に、商品コラボレーションやプロモーション活動における漫画キャラクターの起用は、消費者の関心を引きつけ、ブランド認知度や売上向上に貢献する手段として急速に浸透しています。

株式会社PRIZMAは、企業のマーケティング担当者、プロモーション担当者、IT担当者、デジタルコンテンツ担当者を対象に「漫画IPを活用した企業戦略に関する調査」を実施しました。本調査では、企業がどこまで漫画IPを活用しているのか、その実態や効果について深掘りするとともに、今後のトレンドを予測し、漫画IPを活用するための参考情報をお届けします。

漫画IPの活用状況とその手法

調査結果によると、近年、多くの企業が漫画IPをマーケティングやブランディングに活用しています。「漫画IPを活用していますか？」という問いに対し、約7割の企業が『はい（65.8％）』と回答しました。この結果から、IPの活用がマーケティング戦略において一般的な手法となっていることが示唆されます。

具体的な活用方法についても調査が行われました。企業は、以下の手段で漫画IPを活用していることがわかりました。

• 商品コラボレーション（55.0％）
• 広告起用（51.2％）
• イベント・プロモーション（48.5％）
• デジタルコンテンツ（28.1％）

特に商品コラボレーションや広告起用が中心となっており、漫画IPのブランド力を活かした販促活動が主流であることがうかがえます。

ブランド認知度向上の手法

さらに、ブランド認知度向上の観点では、商品コラボレーションと広告起用のどちらがより効果的かについても調査が行われました。「商品コラボレーションと広告起用では、どちらがブランド認知度向上に効果的だと感じていますか？」との問いに対し、圧倒的に多くの企業が『商品コラボレーション（85.2％）』と回答しました。

この結果は、企業が漫画IPを活用する際に、単なる広告施策よりも実際の商品と組み合わせることの方が消費者の認知に強く影響を与えると考えていることを示しています。その理由としては、消費者の接触頻度が高く、話題性が生まれやすいこと、広告よりも「体験」としての価値が高く、購買行動につながりやすいことが挙げられます。

広告効果の向上

調査結果から、多くの企業が漫画IPを活用し、特に「商品コラボレーション」がブランド認知度向上に有効であると考えていることがわかりました。では、実際に漫画IPの活用によって広告効果はどの程度向上するのでしょうか。

「漫画IPを活用することで、通常の商品と比較して広告効果はどの程度向上しますか？」との問いに対し、約8割の企業が『大幅に向上した（22.5％）』『ある程度向上した（58.6％）』と回答しました。これにより、約8割の企業が広告効果の向上を実感していることが明らかになりました。

ただし、すべてのケースで効果が出るわけではなく、IPの選定やブランドとの親和性、ターゲット層のマッチングが重要な要素となります。今後、企業が漫画IPを活用する際には、単にキャラクターを使用するだけでなく、ブランド戦略全体の中でどのように組み込むかが、成功のカギを握ると言えるでしょう。

SNS上での効果

さらに、漫画IPを活用したプロモーションはSNS上でも注目を集めやすく、ユーザーの反応を高める要因となります。こうした活用方法をさらに深堀りし、実際にSNS上でどのような効果が期待できるのかや、リピーター獲得への寄与については、資料に調査データをご紹介しています。

今後の漫画IP活用意向

調査では、現在まだ漫画IPを活用していない企業が今後どのように考えているかも探りました。「自社で今後、漫画IPの活用を検討したいと思いますか？」との問いに対し、『はい』と回答した企業は4割弱にとどまり、『いいえ（60.2％）』が過半数を占めました。

多くの企業が現在進行形で漫画IPを活用しているにもかかわらず、今後の活用に関しては慎重な姿勢を示していることがわかります。その理由として、漫画IPに対する知識やノウハウの不足、コスト面や人的リソースの負担、業界や顧客ターゲット層に合わないといった意見が挙げられました。

前向きな意見と課題

一方で「はい」と答えた担当者の声には、企業イメージを伝えやすく、ブランディングにつながる、コンセプトの表現が容易でユーザーに理解してもらいやすいなどの前向きな意見が寄せられました。

本調査から、多くの企業が漫画IPの効果を認識しつつも、コストや人的リソース、ノウハウ不足といった課題によって導入をためらっていることがわかりました。

漫画IP活用の希望分野

今後活用を検討している企業が、どのような分野で漫画IPを取り入れたいと考えているかについても調査が行われました。「どの分野で漫画IPを活用したいと考えていますか？」との問いに対し、『広告起用（57.1％）』が最も多く、次いで『イベント・プロモーション（41.4％）』『商品コラボレーション（34.3％）』と続きました。

企業は漫画IPを活用する際、広告起用やイベント・プロモーションなど、比較的短期間で実施でき、効果を測定しやすい施策に関心を持っていることがわかります。

重要視するポイント

漫画IPを活用する場合、最も重要視するポイントについても調査が行われました。「漫画IPを活用する場合、最も重要視するポイントは何ですか？」との問いに対し、『ブランドイメージと合致していること（37.5％）』が最も多くの支持を集めました。

これに続き、『コストパフォーマンス（25.7％）』『ターゲット層にマッチしていること（25.5％）』が選ばれました。この結果から、企業が漫画IPを活用する際に最も重要視するのは「ブランドイメージとの適合性」であることがわかります。

まとめ

本調査では、企業における漫画IPの活用状況とその効果を探りました。結果として、約7割の企業が漫画IPを積極的に活用しており、特に「商品コラボレーション」がブランド認知度向上に大きな効果を発揮していることがわかりました。

さらに、約8割の企業が漫画IPを活用した広告効果の向上を実感しており、マーケティング戦略における重要な手段として定着しつつあります。一方で、漫画IP活用には慎重な姿勢を示す企業も多く、コストやリソースの問題が導入の障壁となっています。

企業が漫画IPを導入する際には、ブランドイメージとの親和性やターゲット層のマッチングが最も重要視されており、戦略的に活用することが成功の鍵となります。

調査結果から、企業が漫画IPを活用する際には、様々な要素を考慮し、戦略的にアプローチすることが求められることが明らかになりました。