2024年度新卒退職データ公開、入社前後のギャップと人間関係が要因
ベストカレンダー編集部
2025年3月18日 14:42
2024年度新卒退職分析
開催日:3月1日
退職代行モームリ2024年度新卒1,814名分の最新退職データを公開
株式会社アルバトロス(本社:東京都港区、代表取締役:谷本慎二)は、2025年3月1日(土)に2024年度新卒者の退職代行の利用状況に関する調査を実施し、その結果を公開しました。この調査は、退職代行モームリを通じて行われ、退職を希望する新卒社員の状況や傾向を分析したものです。
調査によると、2024年度の新卒社員による退職代行の利用者数は1,814名に上り、多くの依頼が寄せられています。これらのデータを公開することで、2025年度の新卒社員の離職率低下に貢献できると考えています。
調査概要
この調査は、全国の新卒社員を対象に行われ、以下のような概要で実施されました。
- 性別:男女(回答無し含む)
- 地域:全国
- 人数:新卒社員1,814名(2024年3月内定辞退依頼の2名を含む)
- 調査方法:退職代行モームリのご利用者様を対象にアンケートを実施
- 調査期間:2024年4月1日~2025年2月28日
調査内容と結果
公開された調査内容は以下の通りです。
- 月別の利用者数推移
- 男女比
- 利用の多い職種
- 退職理由
- 実際の退職理由
これらの項目について、MOMURI+(モームリプラス)が分析・考察した結果を順に紹介します。
月別の利用者数推移
2024年度新卒社員の退職代行モームリを利用した人数を月ごとに集計した結果、以下のような推移が見られました。
| 月 | 新卒利用者数 | 全体人数 | 利用率 |
|---|---|---|---|
| 4月 | 256名 | 1,663名 | 15.4% |
| 5月 | 298名 | 2,107名 | 14.1% |
| 6月 | 251名 | 2,113名 | 11.9% |
| 7月 | 211名 | 2,084名 | 10.1% |
| 8月 | 175名 | 1,862名 | 9.4% |
| 9月 | 112名 | 1,625名 | 6.9% |
| 10月 | 113名 | 1,678名 | 6.7% |
| 11月 | 65名 | 1,544名 | 4.2% |
| 12月 | 97名 | 1,705名 | 5.7% |
| 1月 | 118名 | 2,603名 | 4.5% |
| 2月 | 118名 | 2,119名 | 5.6% |
合計で新卒利用者数は1,814名、全体人数は21,104名、利用率は8.6%となっています。特に、5月のゴールデンウィークを挟む時期に利用者が最も多く、298名が退職代行を利用しました。
男女比
退職代行モームリを利用した新卒社員の男女比については、以下のような結果が得られました。
- 女性の利用者がやや多い結果となりました。
- 全体の利用者数では男性が若干多いものの、性別による大きな差は見られませんでした。
利用の多い職種
新卒社員の職種別利用者数は以下の通りです。
| 職種 | 利用者数 | 割合 |
|---|---|---|
| サービス業 | 318名 | 17.5% |
| 営業 | 222名 | 12.2% |
| 医療関連 | 144名 | 7.9% |
サービス業が最も多く、次いで営業、医療関連の順となっています。これは、業界特有の人材不足や長時間勤務が影響していると考えられます。
退職理由
退職代行モームリを利用した新卒社員の退職理由については、以下のような傾向が見られました。
- 4~6月に退職代行を利用した新卒社員の約半数が「入社前の契約内容・労働条件と勤務実態の乖離」を挙げました。
- 入社から3か月経過した7月以降は「いじめやパワハラなどの人間関係」が主な理由となり、4~6月の時期に比べると約1割以上も増加しました。
- キャリアや給与面の不満を挙げる割合は低く、平均で5%未満でした。
実際の退職理由
具体的な退職理由の一部を以下に示します。
- 入社式直後 / 女性 / 美容関連:会社説明会で聞いたことと全然違い、身だしなみなど自分の好きなことを制限され、入社式にも出させてもらえなかった。
- 4月 / 男性 / 建築・建設業:入社前に聞いていた休みの扱いが実際と異なり、研修制度もなく現場に行かされた。
- 7月 / 男性 / サービス業:ミスを指摘された後、同僚からの暴言に傷つき、相談できる人もいなかったため退職を決意した。
- 8月 / 男性 / 営業:上司からの暴言や叱責が精神的苦痛となり、退職を決断した。
- 1月 / 女性 / サービス業:社訓を繰り返し叫ばれ、精神的に辛くなり退職を決意した。
これらの実際の退職理由からも、職場環境の問題が大きな要因であることが分かります。
まとめ
2024年度新卒者の退職代行利用に関する調査結果を以下にまとめます。
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 就業先 | 製造業よりも営業職が人気 |
| 利用者数 | 5月が最多、入社直後と大型連休後の利用者も多い |
| 退職理由 | 入社前の契約内容と勤務実態の乖離が約半数 |
| 人間関係 | 入社から3か月以降は人間関係が主な退職理由 |
入社直後や大型連休前後の退職代行利用者が多いことから、企業側は特にフォロー体制を強化することが重要です。また、入社後の人間関係に関する問題も増加しているため、メンタル面での支援が求められます。これらのデータをもとに、企業の労働環境の改善が期待されます。
今回の調査結果は、退職情報開示サービス『MOMURI+(モームリプラス)』においても、より詳細な情報が提供されています。興味のある方は公式HPをご覧ください。
参考リンク: