ロシア軍の北海道侵攻を描くコミック『小隊』が3月21日に発売
ベストカレンダー編集部
2025年3月21日 09:43
コミック『小隊』発売
開催日:3月21日
「ロシア軍上陸!」の衝撃を描くコミック『小隊』が発売
2025年3月21日、株式会社文藝春秋は、元自衛官で芥川賞作家の砂川文次氏の原作によるコミック『小隊』を発売しました。本作は、北海道を舞台にロシア軍の侵攻を描いた作品で、柏葉比呂樹氏の鮮やかな作画によってコミカライズされています。電子版も同日より配信されており、作品の魅力を多くの読者に届けることを目指しています。
本作の内容は、ウクライナ戦争を彷彿とさせるタイムリーな設定と、迫真の戦場描写が特徴です。特に、ロシア軍が北海道に上陸し、自衛隊が迎え撃つ様子がリアルに描かれており、読者に強いインパクトを与えます。
コミック『小隊』の内容紹介
『小隊』の物語は、宣戦布告のないまま新千歳空港を含む重要施設がミサイル攻撃を受け、ロシア軍が道北と道東の二方面から北海道に侵攻してくるところから始まります。陸上自衛隊は、釧路に展開する第27戦闘団を中心に防衛態勢を固め、迎撃の準備を進めます。
物語の中で、住民の避難誘導を担当していた安達小隊長は、中隊指揮所から呼び出され、明日早朝にロシア軍が到達する可能性があるとの報告を受けます。迫る戦車(T-90)や歩兵戦闘車(BMP-2)、装甲車に対して、彼らはどのように立ち向かうのか。緊迫した状況が描かれ、読者を引き込む展開が続きます。
原作のリアルな戦場描写
砂川文次氏の原作では、日本人があまり知らないリアルな戦場シーンが注目を集めました。コミック版では、柏葉比呂樹氏の圧倒的な作画力により、戦車や銃器、軍装備などがより詳細に描写されています。これにより、読者は戦場の臨場感を感じることができるでしょう。
本作は、2024年8月から2025年1月にかけて文春オンラインで連載され、リアルな戦場描写が大きな反響を呼びました。特に、ロシアによるウクライナ侵攻が続く中で、本作に対する世間の関心は高まっており、多くの読者がその内容に注目しています。
著者と漫画家のコメント
原作の砂川文次氏は、「陸上自衛隊 一個小隊 約30名が、圧倒的なロシア地上軍を前にどう戦うのか。この作品は、『ホンモノの戦闘』を知らない日本人が、唯一、イメージだけを武器にして現実に肉薄した、覚悟の記念碑だ」と述べています。この言葉からも、本作が持つメッセージの重要性が伝わってきます。
また、漫画を手掛けた柏葉比呂樹氏は、「目と鼻の先、北海道と海を挟んでたった3.7km先にロシアが実効支配している北方領土があります。肉眼で見えるほど近いその島々から本気の敵意が注がれたら、私たちの住む街はどうなってしまうのか……」と、地元に住む者としての思いを込めて作画に取り組んだことを明かしています。
推薦者や担当編集者のコメント
東京大学先端科学技術研究センター准教授の小泉悠氏は、「読みながらウクライナの戦禍に思いを馳せた。これは私たちが生きる時代を描いた21世紀の漫画だ」と評価しています。作品が持つ深いテーマ性が、専門家からも支持されていることがわかります。
また、担当編集者は「コミカライズにあたり、最も難行したのが漫画家の人選でした。作中に登場する銃器や戦車を的確に表現できる漫画家を探すのに1年を費やしました。柏葉比呂樹先生の精緻なミリタリー・イラストレーションに出会ったときは、これだ!と快哉を叫びました」と語っています。砂川氏の監修のもと、作品の完成度が高められたことが伺えます。
書誌情報と作品の詳細
コミック『小隊』は、以下の書誌情報で発売されています。
| 書名 | 小隊 |
|---|---|
| 原作 | 砂川文次 |
| 漫画 | 柏葉比呂樹 |
| 装丁 | B6判・並製カバー装 |
| 定価 | 902円(税込) |
| 発売日 | 2025年3月21日 |
| ISBN | 978-4-16-090198-8 |
| 書誌URL | https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784160901988 |
本作は、北海道の書店で多くの事前注文を受けており、発売前から大きな話題を集めています。戦争の現実を描いた作品として、多くの読者に影響を与えることが期待されます。
『小隊』は、戦争の現実を知るための一つの手段として、また、現代社会における戦争の意味を考えるきっかけとして、多くの人に読まれることを目指しています。作品の内容やテーマについて、興味を持つ方々にとって、非常に魅力的な一冊となるでしょう。
参考リンク: