グッチ「The Art of Silk」プロジェクトでシルクスカーフの歴史と革新を探る

The Art of Silk発表

開催日:3月24日

The Art of Silk発表
グッチの「The Art of Silk」プロジェクトって何?
グッチの「The Art of Silk」プロジェクトは、シルク製品の歴史と芸術的革新を称える取り組みで、9人のアーティストが参加しています。
「Gucci: The Art of Silk」ってどんな本?
「Gucci: The Art of Silk」は、グッチのシルクスカーフの歴史と芸術性を探るアートブックで、コレクターにとってのマスターピースです。

シルクスカーフの歴史と文化的レガシー

グッチは2025年3月24日に、「The Art of Silk」プロジェクトを発表しました。このプロジェクトは、シルク製品におけるクラフツマンシップの豊かな歴史を称え、芸術的革新の新しい道を切り開くものです。シルクスカーフの歴史は、1950年代から今日に至るまで、ファッションやアートの世界で再解釈されてきました。

「90 x 90」プロジェクトでは、世界で活躍する9人のアーティストが、グッチのアーカイブに根ざした5つのモチーフ ― フローラ、アニマリエ(動物)、ノーティカル(航海)、エクエストリアン(乗馬)、GGパターン ― を再解釈します。また、このプロジェクトに関連して、アートブック『Gucci: The Art of Silk』も出版されます。

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グッチのシルク製品の歩み

グッチのシルク製品の歴史は1950年代に始まり、その芸術性とラグジュアリーな魅力は、今日まで受け継がれています。初期のデザインは、グッチを象徴するレザーグッズからインスピレーションを受けたモチーフが採用されており、グッチのクラフツマンシップに根ざした世界観が反映されています。

1958年、グッチはシルク製品の未来に向けて大きな一歩を踏み出し、イタリアのシルク名産地コモの名門シルクメーカーと提携し、初のシルクスカーフ「Tolda di Nave」を発表しました。この航海をテーマにしたスカーフは、グッチのシルクの世界における革新の幕開けを飾るものとなりました。

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1960年代の進化

1960年代に入ると、グッチは著名なアーティストでありイラストレーターのヴィットリオ・アッコルネロ・デ・テスタとのコラボレーションを通じて、スカーフのデザインを進化させます。彼の緻密なディテールと鮮やかなモチーフは、スカーフをグッチのアイコンへと昇華させました。

アッコルネロは1960年から1981年の間に約80点ものデザインを生み出し、シルク製品を「着るアート」へと変貌させました。グッチのアイデンティティの象徴としてスカーフの存在感が高まり、さまざまなテーマのモチーフがシルクを彩るようになりました。

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シルクスカーフの代表的なモチーフ

グッチのシルクスカーフには、さまざまなアイコニックなモチーフが存在します。ここでは、特に代表的なモチーフについて詳しく見ていきます。

  • フローラ
    フローラ プリントのスカーフは、1966年にモナコのグレース大公妃のためにデザインされました。27種類の花々や昆虫が繊細に描かれており、37色を駆使してプリントされています。
  • ノーティカル(航海)
    ノーティカル モチーフのデザインは、1950年代の「Tolda di Nave」に始まり、1970年代にはジュエリーやアクセサリーのモチーフとしても展開されました。
  • アニマリエ(動物)
    アニマリエ プリントは、1969年に発表され、ライオンや鳥などの生き物が描かれています。1970年代から1990年代にかけて、グッチのネクタイやスカーフ、ウェアを飾りました。
  • GGパターン
    GGパターンは、1969年に誕生し、2つのGを反転させて組み合わせたダイヤモンド型のパターンです。最初はラゲージにあしらわれ、その後スカーフやウェアコレクションにも展開されました。
  • エクエストリアン(乗馬)
    乗馬の世界からインスピレーションを受けたデザインが多く、特に「ホースビット」と「ウェブ ストライプ」はグッチのシンボルとなっています。
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「90 x 90」プロジェクトの詳細

「90 x 90」プロジェクトは、グッチのレガシーへの現代的なオマージュとして発表されました。このプロジェクトでは、9人の新進気鋭のアーティストがブランドを象徴する5つのモチーフを再解釈します。

参加アーティストにはロバート・バリー、エヴェレット・グレン、サラ・レギッサ、カリーニュウ、ジョニー・ニーシェ、ジオ・パストーリ、ワルテル・ペトローン、ユ・ツァイ、ソ・インジの9名が名を連ねています。彼らの作品は、時にシニカルでありながらウィットに富み、あるいはエモーショナルな美しさを湛えています。

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プロジェクトの成果物

このプロジェクトの成果物は、ポップアート、ファインアート、ファッションの境界を超え、小さなマスターピースとして存在感を放っています。各アーティストの視点が反映されたスカーフは、グッチのアイコンをさらに強化し、新たな生命を吹き込んでいます。

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アートブック『Gucci: The Art of Silk』

このプロジェクトを補完する形で出版されるアートブック『Gucci: The Art of Silk』は、グッチのシルクスカーフに秘められた豊かな歴史と芸術性を探求する初めての書籍です。文化的意義、クラフツマンシップ、そして時を超えた進化について深く掘り下げています。

本書は、グッチのアーカイブを独自に探求し、ブランド創設から歴代のクリエイティブ・ディレクターたちのもとでスカーフが果たしてきた役割を追っています。著名な編集者であるジョー・アン・ファーニスがキュレーションを担当し、シルクスカーフに息づくグッチのクラフツマンシップと数十年にわたる歴史が網羅されています。

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書籍の特徴

『Gucci: The Art of Silk』は、美しいシルクプリントのケースに箔押しのロゴが施され、コレクターにとって真のマスターピースとなるでしょう。28 x 35cmのサイズで、300ページにわたるボリュームがあります。表紙には、グッチの最も有名なモチーフのひとつである「フローラ プリント」があしらわれています。

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まとめ

グッチの「The Art of Silk」プロジェクトは、シルク製品の歴史と文化的レガシーを称えるものです。プロジェクトを通じて、芸術的な革新が促進され、シルクスカーフの魅力が再評価されています。また、関連するアートブック『Gucci: The Art of Silk』は、ブランドの豊かな歴史を紐解く重要な資料となるでしょう。

項目 内容
プロジェクト名 The Art of Silk
発表日 2025年3月24日
参加アーティスト ロバート・バリー、エヴェレット・グレン、サラ・レギッサなど9名
モチーフ フローラ、アニマリエ、ノーティカル、エクエストリアン、GGパターン
アートブックタイトル Gucci: The Art of Silk

このように、グッチのシルクスカーフにまつわる歴史や文化、アートの融合は、ファッション界においても重要な位置を占めています。シルクスカーフは、単なるアクセサリーに留まらず、芸術的な表現の一部としての役割を果たすことが期待されています。

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