中堅社員のキャリア志向調査結果、6年目と8年目がターニングポイント

中堅社員キャリア調査

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中堅社員キャリア調査
中堅社員のキャリア志向ってどんな感じなの?
中堅社員の半数以上がキャリア志向がないか未定で、キャリアを考えるターニングポイントは6年目と8年目です。
成長実感とキャリア志向にはどんな関係があるの?
成長実感が多い中堅社員はキャリア志向が明確で、成長実感が少ない人はキャリア志向がないか未定の傾向があります。

中堅社員のキャリア志向に関する意識調査

ALL DIFFERENT株式会社は、2024年12月に社会人5年目以上の役職がついていない中堅社員800人に対し、キャリア志向に関する意識調査を実施しました。この調査は、企業が社員のキャリア開発を支援するための重要なデータを提供することを目的としています。調査結果は、特に中堅社員のキャリアに対する考え方や志向について明らかにしています。

【調査レポート】成長実感ある中堅社員は明確なキャリア志向あり、成長実感ない人はキャリア志向なし・未定の傾向社会人5年目以上の中堅社員800人の意識調査(キャリア志向編) 画像 2

調査結果の概要

  • ミドルキャリアのキャリア志向の半数以上が「志向なし・未定」と回答。
  • 成長実感の機会が多いミドルキャリアは「マネジメント・スペシャリスト志向」が高い。
  • 離職意向のある人は「キャリア志向がない・未定」と約6割超が回答。
  • 理想の職場の雰囲気・文化はキャリア志向別に異なる傾向がある。
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調査の背景と目的

近年、平均寿命が延び、就労期間が長期化しています。これに伴い、企業は社員が長期にわたって充実した働き方を実現できるよう、働き方の多様化に対応した制度設計やキャリア自律支援を重視しています。中堅社員はライフステージの変化に直面し、キャリアを見直すことが多くなるため、彼らのキャリア志向を理解することは、企業にとっても重要な課題です。

本調査では、ミドルキャリアのキャリア志向に関する具体的なデータを収集し、分析することで、企業が中堅社員のキャリア開発をどのように支援できるかを探ることを目的としています。

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調査結果の詳細

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1. キャリア志向の実態

調査対象となったミドルキャリアの中で、最も多くの回答が得られたのは「特にキャリアについての志向はない」というもので、35.5%を占めました。また、「まだはっきりしておらず、今後決めていきたい」という回答が20.5%でした。これに対して、キャリア志向が明確な回答としては、「スペシャリストとして、専門領域を極めたい」が13.1%、次いで「マネジメントを行い、チームを統率したい」が8.0%、最後に「独立したい」が4.8%となりました。全体として、キャリアが未定、または志向がない人の割合は半数以上に達しました。

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2. 年次別のキャリア志向

年次別に分析した結果、社会人6年目と8年目がキャリア志向のターニングポイントであることが明らかになりました。具体的には、社会人5年目のマネジメント志向は3.7%、スペシャリスト志向は8.4%でしたが、6年目になるとそれぞれ6.7%、14.3%と顕著に増加しました。一方で、社会人8年目以降はあまり増加しない傾向が見られました。

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3. 成長実感とキャリア志向の関係

成長実感の多い人は、キャリア志向が明確である傾向が見られました。成長実感を「とてもよくある」「たまにある」と回答した人は、キャリア志向を持っている割合が約6割に達しました。一方、成長実感が少ない人は、キャリア志向がない、または未定の人が約7割を占める結果となりました。これは、成長を感じる機会がキャリア志向に大きな影響を与えることを示唆しています。

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4. 勤続意向とキャリア志向の関連性

勤続意向とキャリア志向の関係についても調査を行いました。勤続意向者の中で「マネジメントを行い、チームを統率したい」と回答した割合は12.6%、また「スペシャリストとして、専門領域を極めたい」は15.7%でした。これに対し、離職意向者は「マネジメントを行い、チームを統率したい」が2.3%、スペシャリスト志向が9.9%と、勤続意向者よりも低い割合となりました。このことから、離職意向者はキャリアが明確に定まっていないことが多いと考えられます。

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5. 理想の職場文化とキャリア志向

理想とする職場の雰囲気や文化は、キャリア志向によって異なることがわかりました。具体的には、マネジメント志向の人は「チームワーク重視の文化」を好む傾向があり、スペシャリスト志向の人は「パフォーマンス重視の文化」を重視する傾向がありました。役職にはつかず、メンバーとして働きたい人は「チームワーク重視の文化」を求める一方で、「切磋琢磨して成長する文化」は好まない傾向が見られました。

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まとめ

本調査によって、ミドルキャリアのキャリア志向は、半数以上が「キャリアの志向がない」または「未定」であることが明らかになりました。また、年次別に見ると、社会人6年目と8年目がキャリアを考える重要な時期であることが示唆されました。

さらに、成長実感や勤続意向がキャリア志向に与える影響も確認され、企業が中堅社員のキャリア開発を支援するためには、個々の成長を促進する環境を整えることが重要であることが示されました。

調査結果の要点 詳細
キャリア志向の実態 半数以上が「志向なし・未定」
年次別のキャリア志向 6年目と8年目がターニングポイント
成長実感とキャリア志向 成長実感の多い人はキャリア志向が明確
勤続意向とキャリア志向の関連性 勤続意向者はキャリア志向が高い
理想の職場文化 キャリア志向別に異なる

以上の結果を踏まえ、企業は中堅社員のキャリア開発を支援するために、個々の成長を促進する環境を整えることが求められます。

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