国内カード会社が4月からフィッシングサイト閉鎖を開始、被害抑制を目指す

フィッシングサイト閉鎖開始

開催日:4月1日

フィッシングサイト閉鎖開始
どんな取り組みが始まるの?
国内カード会社8社とACSiON、日本クレジットカード協会がフィッシングサイトを閉鎖する取り組みを2025年4月から開始します。
フィッシング被害ってどれくらい深刻なの?
2024年にはクレジットカード不正利用被害額が555億円に達し、その大半がフィッシングによるものでした。

国内カード会社8社とACSiON、日本クレジットカード協会がフィッシングサイト閉鎖の取り組みを開始

2025年3月31日、国内の主要なカード会社8社(詳細は「会社概要」参照)と株式会社ACSiON(以下「アクシオン」)、日本クレジットカード協会(以下「JCCA」)は、フィッシング被害の対策として、フィッシングサイトからのクレジットカード情報の詐取を防止するための共同取り組みを発表しました。この取り組みは、2025年4月から始まります。

国内カード会社8社・株式会社ACSiON・日本クレジットカード協会がフィッシングサイト閉鎖の取り組みを共同で開始 画像 2

フィッシング被害の現状

近年、クレジットカードに関連する不正利用の被害が急増しています。2024年には、クレジットカード不正利用被害額が555億円に達し、これは過去最高の記録となりました。このうち、約92.5%がクレジットカード番号の盗用による不正利用です。特に、実在のサービスや企業を装った偽のメールやSMS(ショートメッセージ)を通じて、利用者がフィッシングサイトに誘導されるケースが増加しています。

2024年のフィッシング報告件数は約170万件に上り、前年よりも約50万件増加しています。フィッシングの手口は多様化しており、カード会社や金融機関だけでなく、ECショッピングサイトや公共インフラ・サービスなどでも見られます。このような背景から、2024年6月18日には「国民を詐欺から守るための総合対策」が犯罪対策閣僚会議で決議され、フィッシングサイトの閉鎖促進が必要とされました。

フィッシングサイトの現状と影響

フィッシングサイトの増加は、消費者にとって重大な脅威です。具体的には、以下のような影響があります。

  • クレジットカード情報の盗難による金銭的損失
  • 個人情報の漏洩によるプライバシーの侵害
  • 企業の信頼性低下によるブランドイメージの損失

これらの影響を軽減するためには、フィッシングサイトを早期に発見し、閉鎖することが求められます。

具体的な取り組み内容

国内カード会社8社とアクシオン、JCCAは、フィッシングサイトの閉鎖に向けた具体的な取り組みを進めます。主な内容は以下の通りです。

フィッシングサイトの閉鎖

アクシオンの豊富な経験と実績を活用し、フィッシングサイトを集中的かつ能動的に検知します。具体的には、以下の方法でフィッシングサイトの閉鎖を進めます。

  1. ブラウザ提供企業への不正サイト申告
  2. インターネットサービスプロバイダーへの不正利用通報
  3. ドメインレジストラへの無効申請
  4. フィッシング対策協議会への通知

これにより、フィッシング被害の抑制を図ります。

他社フィッシングサイトへの呼びかけ

国内のカード会社8社とアクシオン、JCCAは、フィッシングサイトが多く報告される企業や業界団体に対して、自社での自発的な閉鎖対応を要請します。また、閉鎖対応に必要なノウハウを提供し、共同で環境整備を進めていきます。

会社概要

フィッシング対策に取り組むカード会社の概要は以下の通りです。

会社名 本社所在地 代表者
イオンフィナンシャルサービス株式会社 東京都千代田区 白川俊介
株式会社NTTドコモ 東京都千代田区 前田義晃
株式会社クレディセゾン 東京都豊島区 水野克己
株式会社ジェーシービー 東京都港区 二重孝好
三井住友カード株式会社 東京都江東区 大西幸彦
三菱UFJニコス株式会社 東京都千代田区 角田典彦
ユーシーカード株式会社 東京都港区 福岡和大
楽天カード株式会社 東京都港区 中村晃一
株式会社ACSiON 東京都千代田区 安田貴紀

日本クレジットカード協会とACSiONの役割

日本クレジットカード協会は、クレジットカード事業の健全な発展を図り、国民の消費生活の向上に貢献することを目的とした業界団体です。1984年に設立され、銀行系クレジットカード会社によって運営されています。

一方、ACSiONは、フィッシングサイトや不正アカウント開設への対策、本人確認(eKYC)に関するサービスを提供する企業で、2019年に設立されました。両者の協力により、フィッシング被害の抑制が期待されます。

まとめ

国内カード会社8社、アクシオン、JCCAによるフィッシングサイト閉鎖の取り組みは、近年のフィッシング被害の急増に対抗するための重要なステップです。具体的な取り組みとして、フィッシングサイトの閉鎖や他社への呼びかけが行われ、クレジットカード不正利用被害の抑制が期待されています。

以下に、本取り組みの要点をまとめます。

取り組み内容 詳細
フィッシングサイトの閉鎖 アクシオンのノウハウを活用し、フィッシングサイトを集中的かつ能動的に検知し、閉鎖依頼を行う。
他社フィッシングサイト対象企業への呼びかけ フィッシングサイトが多く報告される企業や団体に対して、自発的な閉鎖対応を要請し、ノウハウを提供。

このように、フィッシング対策は多くの企業の協力によって進められており、今後の展開が注目されます。