TOPSICが全国の教育機関に無償提供開始、プログラミング教育を支援

プログラミングスキル判定サービス「TOPSIC」の無償提供について

AtCoder株式会社（本社：東京都新宿区、代表取締役社長：高橋直大）は、教育機関におけるプログラミング教育の支援を目的として、同社が運営するプログラミングスキル判定サービス「TOPSIC」を全国の教育機関に無償で提供することを発表しました。この取り組みは、プログラミング教育の重要性が高まる中で、教育現場が抱える課題に応えるものです。

「TOPSIC」は、プログラミングおよびSQLのコーディングテスト問題と受験プラットフォームを提供するクラウドサービスであり、特にオンライン受験やリアルタイム採点が可能な点が特徴です。このサービスを利用することで、教育機関は生徒のプログラミングスキルを簡単に判定できるようになります。

背景と目的

近年、学校教育の現場では大きな変革が進んでおり、特にプログラミング教育に関しては文部科学省のGIGAスクール構想が大きな影響を与えています。この構想により、生徒1人1台の端末環境が整備され、2020年度からは小学校におけるプログラミング教育の必修化が進められています。さらに、2025年度の大学入学共通テストには「情報」科目が新設される予定です。

しかし、こうした変革に対応するためには、教員の指導力向上や教材整備、適切な学習管理が不可欠です。実際には、一部の教育現場ではリソース不足やノウハウ不足により、十分な対応ができていないという課題が存在しています。このような背景を受けて、AtCoderは「TOPSIC」を無償で提供することを決定しました。

「TOPSIC」の概要

「TOPSIC」は、プログラミングスキルを判定するためのコーディングテスト問題を提供するクラウドサービスです。具体的な機能としては、以下のようなものがあります。

• オンライン受験が可能
• リアルタイムでの採点
• 受験者やテスト内容を自由に設定可能

「TOPSIC」は、プログラミング「力」やアルゴリズム「力」を問うTOPSIC-PGと、SQLスキルチェックに加えて業務知識の習得にも役立つTOPSIC-SQLから構成されています。これにより、教育機関は多様なニーズに応じたプログラミング教育を行うことができます。

さらに、TOPSICの公式ウェブサイト（https://atcoder.jp/topsic）では、サービスの詳細や利用方法が説明されています。

TOPSICを利用している教育現場の声

実際に「TOPSIC」を利用している教育機関からは、以下のような声が寄せられています。

立教池袋中学校高等学校 数理研究部顧問 内田 芳宏さま

「2018年にAtCoderの高橋社長からアルゴリズムの重要性に関する勉強会を開いていただき、プログラミング以前にアルゴリズムを考え、表現することの重要性を教えていただきました。それ以来、TOPSICを部活動に導入しています。」

「競技プログラミングの問題を使った学習ができることも魅力的ですが、自分のペースで技量を確認しながらスキルアップできる点や、幅広い難易度の問題が用意されていることがTOPSICの大きな魅力です。」

内田さまは、部活動の一環としてTOPSICを活用しており、部員の希望に応じたプログラミング言語の学習をサポートしています。特に、アルゴリズムを身につけることで異なるプログラミング言語の理解が深まることを実感しているとのことです。

TOPSIC無償提供の詳細

「TOPSIC」の無償提供に関する具体的な情報は以下の通りです。

• 対象校：日本国内における教育機関
• 利用範囲：授業だけでなく、部活動等の課外活動も無償利用の対象
• 申込方法：TOPSICの公式ウェブサイトにて、「新規契約申込」ボタンから必要事項を記入
• 無償提供期間：特に期間は設けておらず、予告なく終了する場合がある

無償提供が終了する際は、利用者に個別に連絡が行われるため、安心して利用できます。

AtCoder株式会社について

AtCoder株式会社は、競技プログラミングコンテストサイト『AtCoder』を運営しており、701,161人（うち日本人301,072人）が参加登録しています。毎週開催される定期コンテストには約12,000人が挑戦しており、プログラミング教育や人材育成に力を入れています。

また、AtCoderは高度IT人材採用・育成事業として、コンテスト参加者の成績を8段階にランク付けした「AtCoderランク」を利用した転職・求職支援サービス『AtCoderJobs』や、プログラミングスキルを可視化できる検定『アルゴリズム実技検定・PAST』などのサービスも展開しています。

まとめ

AtCoder株式会社が提供するプログラミングスキル判定サービス「TOPSIC」は、全国の教育機関に無償で提供されることで、プログラミング教育の現場をサポートします。教育機関は、豊富なプログラミング教材や学習管理機能を利用することで、より効果的な教育を実現できるでしょう。

このように、TOPSICは教育機関にとって非常に有益なツールであり、今後のプログラミング教育の発展に寄与することが期待されます。