横浜美術大学がメタバースキャリアセンター開設、AIアバターで24時間相談可能

メタバースキャリアセンターの開設

横浜美術大学は、2025年3月31日に新たに「メタバースキャリアセンター」を開設しました。このセンターは、AIアバターを活用し、学生が24時間いつでも就職やキャリアに関する相談ができる仮想空間型のキャリア支援施設です。キャリアボットと横浜美術大学が共同で開発し、株式会社ハコスコのメタストアを基盤に構築されています。

このメタバースキャリアセンターは、従来の対面式キャリアセンターの枠を超え、柔軟で利便性の高い支援環境を提供することを目的としています。約1年の準備期間を経て完成したこの施設は、学生が時間や場所を問わず、自分のペースでキャリアを考えることができる場となります。

メタバースキャリアセンターの特徴

メタバースキャリアセンターには、以下のような特徴があります。

特徴① 24時間対応のAIアバター

生成AIを活用したアバターが、24時間いつでも就職・キャリアに関する相談に応じます。このアバターは、美術大学特有のFAQを学習しているため、ポートフォリオ作成やデザイナー・クリエイター向けの就活ポイントなど、美大生ならではのニーズに合わせたアドバイスを提供できます。

学生は、AIアバターとの対話を通じて、必要な情報を迅速に得ることができるため、忙しい制作活動の合間にも気軽に相談が可能です。

特徴② 教職員との連携による充実サポート

AIアバターだけでなく、横浜美術大学のキャリア支援スタッフや教職員もメタバース空間に参加します。定期的に行われるセミナーや講座では、作品の講評や就職活動対策などを多角的にサポートし、学生一人ひとりのニーズに合わせたアドバイスを行います。

このように、AIのサポートに加え、教職員からの直接的な指導を受けられる環境が整っているため、学生はより実践的なキャリア支援を受けることができます。

特徴③ メタストアを活用した直感的な操作性

株式会社ハコスコの「メタストア」を基盤にしており、VRゴーグルや専用アプリは不要です。PCやスマートフォンのブラウザからワンクリックでアクセスできるため、授業の合間や自宅など、どこでも気軽に利用可能です。

この直感的な操作性により、学生はストレスなく必要な情報にアクセスし、相談を行うことができるため、より多くの学生がこのサービスを活用しやすくなっています。

メタバースキャリアセンターへの期待

横浜美術大学の教員は、学生が主体的にキャリアを考えられる環境づくりを重視しており、キャリアボットのサービス導入は、美大生にとって使いやすく、実践的なキャリア支援が期待できるとしています。

また、職員からは、美大生は制作活動に追われ、就職活動の時間を確保しにくい現状があるため、いつでも気軽に相談できる環境を整えることが重要であると述べています。このサービスを通じて、学生が自分のペースでキャリアを考えられるよう支援していく意向が示されています。

企業情報

横浜美術大学は、神奈川県横浜市青葉区に位置する私立の美術大学で、1916年に創立された学校法人トキワ松学園が母体となっています。2010年に4年制大学として開学し、美術学部美術・デザイン学科の単科大学として、絵画、彫刻、クラフト、プロダクトデザインなど9つのコースを設置しています。

一方、株式会社キャリアボットは、大学向けDX推進コンサルティングを行っており、代表取締役社長の岡崎浩二氏は、東京都立産業技術大学院大学の特任准教授でもあります。キャリアボットは、青山学院大学や関西学院大学など、数多くの大学と連携し、キャリア支援サービスを提供しています。

メタストアの概要

メタストアは、株式会社ハコスコが提供する無料で始めるECメタバースです。EC、コミュニティ、展示などの空間をメタバース上に再現し、リアル空間のようなコミュニケーションや接客を通じて、顧客やメンバーのエンゲージメントを高めることを目的としています。

ショッピングや催事販売、職場や学校、ギャラリー、ショールームなど、幅広い用途で手軽に利用できるため、今後の展開が期待されます。

以上が、横浜美術大学とキャリアボットによるメタバースキャリアセンターの概要です。この取り組みは、学生が自分のキャリアを考える上での新たな支援の形を提供し、今後の展開が注目されます。