堀場製作所が韓国EtaMaxを買収、次世代半導体検査事業を強化

EtaMax社買収完了

開催日:4月3日

EtaMax社買収完了
堀場製作所がEtaMaxを買収した理由は?
堀場製作所は次世代パワー半導体市場での事業拡大を目指し、EtaMaxの技術を活用してウェハ検査装置のラインアップを強化するためです。
EtaMax社の技術の特徴は何?
EtaMax社はフォトルミネッセンス技術を用いたウェハ検査装置を展開し、化合物半導体ウェハの均一性評価や欠陥判別に優れています。

韓国のEtaMax Co., Ltd.を買収

株式会社堀場製作所は、2025年4月3日に韓国の半導体市場向けウェハ検査装置を開発・製造・販売するEtaMax Co., Ltd.(以下、EtaMax社)の株式譲渡を完了しました。この買収により、堀場製作所は次世代パワー半導体向けの事業拡大を図ります。

堀場製作所の韓国法人である堀場エステック・コリア社は、化合物半導体ウェハ欠陥検査の豊富な知見とソフトウェア技術を持つEtaMax社との統合を通じて、ウェハ検査装置のラインアップの拡充とソリューション提案力の強化を目指します。これにより、化合物半導体ウェハの歩留まり改善や品質管理の高度化に貢献することを目指しています。

韓国のEtaMax Co., Ltd.を買収 画像 2

買収の背景

近年、電動車両やAIの普及に伴い、データセンターの需要が急増しています。このような背景の中、次世代パワー半導体として注目される化合物半導体の採用が進んでいます。化合物半導体は高性能で耐久性がある一方、製造プロセスにおいてウェハの欠陥による歩留まり低下が課題となっており、正確かつ効率的な検査が求められています。

堀場製作所は、中長期経営計画「MLMAP 2028」において、先端材料・半導体分野を注力分野の一つとして位置付けています。2028年にはこの分野全体で売上高2,350億円を目指しており、持続可能な社会の実現に向けた革新的なソリューションを提供することを目指しています。このためには、化合物半導体ウェハ検査装置の研究開発を強化する必要がありました。

ビジネスの特徴と狙い

EtaMax社は、フォトルミネッセンスという分析技術を用いたウェハ検査装置を展開しています。この技術は、化合物半導体ウェハの均一性評価や微細な欠陥の種類を判別する能力に優れ、多様なアプリケーションに対応しています。

今回の買収により、堀場グループはグローバルなネットワークを活用し、事業拡大に取り組む予定です。さらに、EtaMax社が持つソフトウェア技術と堀場グループのラマン分光やエリプソメトリ―といったコア技術とのシナジーを生かし、新製品開発とソリューション提案力の強化を加速します。この結果として、化合物半導体ウェハの量産工程における歩留まり向上や品質管理の高度化に貢献することが期待されています。

EtaMax社および堀場エステック・コリア社の会社概要

以下に、EtaMax社および堀場エステック・コリア社の概要を示します。

会社名 創立 所在地 代表者 従業員数 主な事業内容
EtaMax Co., Ltd. 2008年 280-17, Saneop-ro 155beon-gil, Gwonseon-gu, Suwon-si, Gyeonggi-do, 16648, Korea CEO Jung Hyundon(정현돈) 40名(2024年12月末時点) ウェハ検査装置の開発・製造・販売
堀場エステック・コリア社 1994年 98, Digital valley-ro Suji-gu, Yongin-si Gyeonggi-do 16878 Korea 代表取締役社長 田村 照広 112名(2024年12月末時点) ガス・液体の流量制御機器の生産・販売・サービス

このように、堀場製作所は化合物半導体関連の事業を強化するため、EtaMax社を買収しました。今後、両社の技術とノウハウを融合させることで、半導体製造プロセスの改善に貢献し、より高品質な製品を市場に提供することが期待されます。