日本通運の新保冷輸送器材「プロテクトBOXサーマル」、2025年万博で活用へ
ベストカレンダー編集部
2025年4月9日 09:46
プロテクトBOX万博活用
開催日:4月8日

日本通運が開発した高性能保冷輸送器材「プロテクトBOXサーマル」
2025年4月8日、NIPPON EXPRESSホールディングス株式会社のグループ会社である日本通運株式会社は、タイガー魔法瓶株式会社および岐阜プラスチック工業株式会社と協業し、高性能保冷輸送器材「プロテクトBOXサーマル」を開発したと発表しました。この新しい器材は、2025年に開催される日本国際博覧会(大阪・関西万博)での輸送に活用される予定です。
「プロテクトBOXサーマル」は、近年の脱炭素社会の実現に向けた取り組みの一環として開発されました。物流事業者に対するCO2排出量削減の期待が高まる中、日本通運は持続可能な物流サービスの提供を目指し、環境に配慮した輸送ソリューションを提供することを目的としています。

開発の背景と目的
近年、環境問題への関心が高まる中、物流業界でも脱炭素化が求められています。日本通運は2019年に国内輸送の梱包ツール「プロテクトBOX」を導入し、以来様々なニーズに応じた商品を開発してきました。今回の「プロテクトBOXサーマル」は、その流れを受けて新たに開発された製品で、より環境に配慮した輸送を実現するためのものです。
「プロテクトBOXサーマル」の開発にあたっては、タイガー魔法瓶と岐阜プラスチック工業の先端技術が活用されました。これにより、従来の冷凍・冷蔵・定温輸送で必要とされていた蓄冷材や蓄熱材の使用を不要にし、電力使用量の大幅な削減を実現しました。
商品の概要と特徴
「プロテクトBOXサーマル」は、以下のような特徴を持っています。
- 高性能断熱材の採用: タイガー魔法瓶が開発したステンレス密封真空断熱パネル(TIVIP)は、熱伝導を極めて低く抑えることができる高性能な断熱材です。
- 軽量・高強度素材: 岐阜プラスチック工業の樹脂製ハニカムパネル(TECCELL)を使用し、軽量でありながら高い強度を持つ構造を実現しています。
- 温度維持機能: 貨物自体の温度で庫内温度を維持することが可能で、従来の冷却手段に依存しない輸送が実現されました。
- 積み合わせ輸送の可能性: 輸送単位を「プロテクトBOX」に統一することで、ドライ貨物と保冷貨物の混載が可能になり、保冷車両が不要となることでさらなる電力使用量とCO2排出量の削減が期待されます。
大阪・関西万博での活用と今後の展望
「プロテクトBOXサーマル」は、2025年に開催される大阪・関西万博において、各パビリオンや飲食店等への保冷貨物輸送に活用される予定です。商品としての販売は2026年度を予定しており、万博期間中も器材の性能検証が継続して実施される予定です。
日本通運は、カーボンニュートラルや脱炭素社会の実現に向けて、CO2排出量削減に貢献する物流サービスを開発・提供し続ける意向を示しています。これにより、顧客のサステナビリティ経営をサポートしていくことが期待されます。
NXグループの企業理念とサービス
NXグループは、1937年の創立以来、モノを運ぶことを通じて人・企業・地域を結び、社会の発展に寄与してきました。現在、世界57の国と地域に約78,000人の従業員を擁し、陸・海・空の輸送モードと倉庫・ITを駆使して高品質なロジスティクスサービスを提供しています。
企業メッセージ「We Find the Way」は、どんな状況でも最善の方法を見つけ出し、必ずやり遂げるという強い意志を表しています。NXグループは、単にモノを運ぶだけでなく、顧客の未来を共に創造するパートナーとして、持続可能で環境に配慮したサプライチェーンソリューションを提供しています。
項目 | 内容 |
---|---|
商品名 | プロテクトBOXサーマル |
開発会社 | 日本通運株式会社、タイガー魔法瓶株式会社、岐阜プラスチック工業株式会社 |
用途 | 保冷貨物輸送 |
特徴 | 高性能断熱材の採用、軽量・高強度素材、温度維持機能、積み合わせ輸送の可能性 |
活用予定 | 2025年大阪・関西万博 |
販売予定 | 2026年度 |
以上のように、「プロテクトBOXサーマル」は環境に配慮した新しい保冷輸送のスタンダードを目指して開発された製品です。今後の物流業界における持続可能な取り組みが進む中で、この製品がどのように活用されていくのか注目されます。