DHCが解明したプラセンタエキスの若返り効果、4月16日に発表
ベストカレンダー編集部
2025年4月16日 10:33
プラセンタ研究発表
開催日:4月16日
プラセンタエキスの若返り効果を解明したDHCの研究
株式会社ディーエイチシー(DHC)は、2025年4月16日に、同社が約8年間にわたり行った「プラセンタエキス」の研究成果を発表しました。この研究では、プラセンタエキスが皮膚の若返りに役立つ有効成分を特定したことが明らかになり、2025年3月8日の日本農芸化学会でその効果が発表されました。
プラセンタエキスは、主にブタなどの哺乳類の胎盤から抽出される成分であり、肌にハリや弾力を与える効果があるとされています。また、肌の保湿力を高め、美白効果やしみの予防、抗酸化作用、さらには疲労回復や更年期障害の改善にも期待されています。この研究の成果は、世界最大級の学術誌『Scientific Reports』に掲載され、プラセンタエキスの新しい生物学的活性を報告した最初の研究として注目されています。
研究の背景と目的
プラセンタエキスは古くから“若返りの秘薬”として知られ、化粧品や健康食品に広く使用されてきました。しかし、その科学的な効果についてはこれまで明確に解明されていませんでした。DHCは、プラセンタエキスの効果のメカニズムを明らかにするための研究を開始し、2014年6月から2022年11月までの期間にわたって調査を行いました。
この研究の目的は、プラセンタエキスがどのようにして皮膚の若返りに寄与するのか、その具体的なメカニズムを解明することにあります。これにより、DHCはより安全で高品質な商品とサービスを提供するための基盤を築くことを目指しています。
研究結果の概要
DHCの研究から得られた重要な発見は以下の通りです。
- NAD増強効果の発見
プラセンタエキスが表皮細胞の細胞内NADレベルを高めることが確認されました。NAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)は、細胞のエネルギー生産や様々な生命活動に不可欠な補酵素であり、加齢とともにその量は減少します。NADを適切に保つことは、健康的に歳を重ねるために重要です。 - 低分子成分の重要性
プラセンタエキスの有効成分が3 kDa未満の低分子を含む画分に含まれていることが分かりました。この低分子成分が皮膚への吸収を促進し、効果を発揮する可能性があります。 - 皮膚への高親和性の可能性
プラセンタエキスに含まれるNMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)やNR(ニコチンアミドリボシド)は、皮膚に対する親和性が高く、細胞内のNADレベルを高める有効成分であることが示唆されました。
研究方法と詳細
本研究では、細胞培養試験を通じてプラセンタエキスの効果を検証しました。具体的には、プラセンタエキスを用いてヒト表皮細胞の細胞内NADレベルを測定しました。その結果、プラセンタエキスによる処理からわずか4時間後に、細胞内NADレベルの大幅な上昇が観察されました。
また、限外ろ過を用いた予備検討により、プラセンタエキスの有効成分が低分子画分に含まれることが確認されました。さらに、逆相HPLCを用いて12の画分に分離し、LC-MS/MSを用いて解析した結果、NMNやNRが含まれていることが分かりました。
研究成果の意義と今後の展望
DHCの研究成果は、プラセンタエキスが細胞内NADを高めることで皮膚の若返りに役立つ成分であることを示唆しています。これにより、今後は皮膚のNADに着目した新たなアプローチの提案が可能となります。また、プラセンタエキスの製剤においても、品質管理の向上やより最適な提供方法が期待できます。
このように、DHCはプラセンタエキスの研究を通じて、美容と健康の分野に革新をもたらすことを目指しています。今後もさらなる研究と開発を進め、消費者にとって価値のある製品を提供していく方針です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 研究期間 | 2014年6月~2022年11月 |
| 発表名 | 豚胎盤抽出物は、ヒト表皮細胞の細胞内NADレベルを高める |
| 主な発見 | NAD増強効果、低分子成分の重要性、皮膚への高親和性 |
| 掲載誌 | Scientific Reports |
以上の研究成果を通じて、DHCはプラセンタエキスの持つ可能性を広げ、美容と健康の分野における新しい製品の開発に貢献していくことを目指しています。