EFポリマー、4月16日にシリーズBラウンドで10億円の資金調達を達成
ベストカレンダー編集部
2025年4月16日 15:12
シリーズB資金調達
開催日:4月16日
EFポリマー、シリーズBラウンド・ファーストクローズで10億円の資金調達を実施
持続可能なソリューションのグローバル展開と研究開発を加速することを目指すEFポリマー株式会社(本社:沖縄 / 創業者兼CEO:ナラヤン・ガルジャール、以下「EFポリマー」)は、2025年4月16日にシリーズBラウンドのファーストクローズとして、第三者割当増資により総額10億円の資金調達を実施したことを発表しました。この資金調達は、EFポリマーの事業進捗と今後の焦点に大きな影響を与えるものと考えられます。
事業進捗と今後の焦点
EFポリマーは、2020年にインドで農業用資材「EFポリマー」の販売を開始し、その後日本、米国、フランスなどに市場を広げてきました。2025年時点での累計販売実績は約400トンに達しており、近年の気候変動による干ばつや肥料価格の高騰により、世界的に需要が拡大しています。現在、20カ国以上で実証実験や商談が進行中であり、今後は主要市場での体制強化に加えて、園芸・造園・緑化といった新たな分野への展開も進める予定です。
農業資材のグローバル展開
EFポリマーの農業資材は、特に水不足が深刻な地域での使用が期待されています。これにより、農家の収穫量を向上させるだけでなく、持続可能な農業の実現にも寄与しています。以下は、EFポリマーの農業資材の特徴です:
- 100%オーガニック素材を使用
- 超吸水性に優れ、乾燥した土壌でも水分を保持
- 環境負荷が少なく、持続可能な農業を支援
非農業分野への応用
EFポリマーは、化粧品や日用品向けの増粘剤としての利用に加え、岩谷産業と共同開発した生分解性保冷剤「Cy-Cool」や綜研化学と共同開発した吸水シートなど、農業以外の分野でも事業を拡大しています。これにより、従来は石油由来の素材が使用されていた分野において、オーガニックポリマーを提案し、各業界のグリーントランスフォーメーション(GX)を推進しています。
研究開発(R&D)の重点領域
EFポリマーは、今後の研究開発において以下のテーマに注力していく方針です:
- 原料の多様化:オレンジ・バナナの皮以外の原料によるポリマー開発
- 資源循環型モデルの構築:持続可能な製造プロセスの確立
- 農業分野での新製品開発:EFポリマーと他製品を組み合わせた製品の開発
- 生産体制の強化:グローバルでの多拠点生産に向けた実証と構築
- 新製品開発:農業用途以外への応用展開
これらの研究開発を通じて、EFポリマーは持続可能な社会の実現に向けた技術革新を進めていくことを目指しています。
シリーズBラウンド資金調達の内容
今回の資金調達は、研究開発の加速、組織体制の強化、国内外での事業拡大、及び海外製造拠点の設立を目的としています。ファーストクローズに参画した投資家には、既存株主のユニバーサル・マテリアルズ・インキュベーター(UMI)、MTG Venturesに加え、新規株主として琉球銀行、Future Food Fund、津梁ファンドが参加しました。このシリーズBラウンドは今夏にセカンドクローズを予定しており、引き続き国内外の投資家の参画を募る方針です。
代表コメント
EFポリマーの創業者兼CEOのナラヤン・ガルジャールは、「EFポリマーの使命は、水に関する課題を解決し、農家の暮らしをより良くすることです。また、当社の技術を幅広い業界に展開することで、持続可能な社会の実現にも貢献できると確信しています。今回のシリーズB資金調達は、グローバルな事業展開や研究開発をさらに加速させ、循環型かつ持続可能なモデルの実現に向けた大きな一歩となります。」と述べています。
NEDOスタートアップ支援事業への採択
EFポリマーは、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が主催する2025年のディープテック・スタートアップ支援基金/ディープテック・スタートアップ支援事業(DTSU)の採択を受けました。この支援により、最大8億円の補助金を受け、2025年度から2028年度の3年間にわたって長期の研究開発と事業の加速化を図る計画です。
EF Polymerについて
EF Polymer株式会社は、インド生まれで沖縄育ちのディープテック・スタートアップです。オレンジやバナナの皮など、従来捨てられていた残渣をアップサイクルし、100%オーガニックの超吸水性ポリマーの「EFポリマー」を農業資材として製造・販売しています。また、完全有機のポリマーを日用品や化粧品、医療品の原材料としての応用を推進することで、企業のグリーントランスフォーメーション(GX)を支援しています。当社技術の普及を通して、水不足を中心とした環境問題の解決を目指しています。
まとめ
EFポリマーは、シリーズBラウンドのファーストクローズで10億円の資金調達を実施し、持続可能なソリューションのグローバル展開と研究開発を加速することを目指しています。以下は、この記事で触れた主な内容を整理した表です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 資金調達額 | 10億円 |
| 事業展開地域 | インド、日本、米国、フランスなど |
| 販売実績 | 累計約400トン |
| 研究開発の重点領域 | 原料の多様化、資源循環型モデルの構築、新製品開発など |
| NEDOからの支援 | 最大8億円の補助金 |
EFポリマーは、持続可能な社会の実現に向けて、今後も積極的に事業を展開していく予定です。