TEAMZ Summit 2025で見えたWeb3とAIの未来、日本最大級のサミットが東京で開催

TEAMZ Summit 2025の開催概要

2025年4月17日、東京・虎ノ門ヒルズフォーラムにて開催された「TEAMZ Web3/AI Summit 2025」は、日本最大級のWeb3・AIに関するサミットとして、過去最大規模での成功を収めました。このイベントには、サイドイベントを含む約1万人が来場し、さまざまなセッションやネットワーキングの機会を通じて、参加者同士の交流が活発に行われました。

本記事では、TEAMZ Summit 2025の主要セッションの内容を振り返り、現在の日本におけるWeb3・AIエコシステムの状況と未来への期待についてお伝えします。

セッションのハイライト

TEAMZ Summit 2025では、数多くの専門家や企業の代表者が登壇し、Web3やAIに関する最新のトレンドや技術、ビジネスモデルについて議論しました。以下に、いくつかの重要なセッションの内容を紹介します。

Web3とAIが切り拓く東京のデジタル経済圏

東京都議会議員の入江のぶこ氏が登壇し、東京都が掲げる「伝統と革新の融合」の方針について説明しました。具体的な施策としては、以下のような取り組みが挙げられました。

• スタートアップ共創拠点「Tokyo Innovation Base（TIB）」の運営
• 官民連携ファンドによる資金供給
• 大型国際イベント「SusHi Tech Tokyo」での商談創出
• 「東京金融賞」やセキュリティトークン発行支援による資本市場の高度化
• AI活用のジャパンモデル確立と都民サービスの高度化

これらの施策を通じて、東京都はユニコーン企業の輩出やグローバル企業の誘致を目指し、安全で開かれたWeb3・AIエコシステムの形成を促進しています。

Mirrored Bodyが実現する自己主権型社会

このセッションでは、AIとWeb3を組み合わせた新しい社会の姿について議論が行われました。マクニカの宮城教和氏や、筑波大学の落合陽一氏などが登壇し、大阪・関西万博での「Mirrored Body」構想を紹介しました。

この構想では、個人が自身のデータを管理し、健康や生活に関する提案を受けることができる社会を目指しています。具体的には、分身が健康診断や食事記録、SNS投稿などのデータを可視化し、生活提案を行う仕組みが提案されています。

Web3ファンドの未来

田中章雄氏やYoann T.氏らが登壇し、Web3資本市場の現状と未来について議論しました。2021年のブーム以降、資本市場は変化しており、質への逃避が見られます。資金源もETF承認で戻った機関投資家やミーム系リテール投資家に二極化していることが指摘されました。

特に、日本は規制整備が進んでおり、円建てステーブルコイン法の導入や大企業の参入が期待されています。投資家はエクイティ権利と長期流動性計画を重視しており、分散IDやAI×クリプトが次のテーマとなると予測されています。

大手企業のWeb3戦略と課題

次のセッションでは、ソニー銀行やKDDI、楽天ウォレット、グリーなどの大手企業がWeb3への取り組みを発表しました。彼らは、Web3の社会実装に向けた課題と戦略について議論しました。

• ソニー銀行は、IP活用による感性価値の創出を重視し、アーティストとのNFTコラボを展開。
• KDDIは「αU」ブランドのもと、NFTマーケットやクリエイター支援を推進。
• 楽天ウォレットは、Web3ウォレットを提供し、ポイントによるトークン購入を開始。
• グリーは、シンガポール法人を通じてトークン投資やバリデーター事業に注力。
• テレビ朝日は、NFTツーリズムやグローバルIP展開を進める。

共通して挙げられた課題は、UXの障壁を下げることや法務・会計部門との調整、安定収益モデルの構築です。Web3の収益化に向けて、各社は数百万人から数億人規模のユーザー接点を視野に入れています。

Web3セキュリティ最前線

Web3のセキュリティに関するセッションでは、専門家たちが次世代の脅威と防御戦略について議論しました。Web2とWeb3のセキュリティの違いは、Web3ではスマートコントラクトが直接資産を狙う点にあります。

最近の懸念として、AIによる攻撃方法の進化が挙げられ、特に大規模言語モデルを用いたスマートコントラクトの脆弱性探索が注目されています。セキュリティ技術の進歩により、スマートコントラクトの安全性は向上していますが、依然としてリスクは残ります。

日本におけるWeb3の未来

TEAMZ Summit 2025では、日本におけるWeb3の未来とその競争力についても議論されました。特に、税制の整備や制度改革の重要性が強調され、Web3が国家の競争力に直結する社会インフラであるとの認識が共有されました。

国民民主党の玉木氏は、Web3を国家戦略に組み込み、柔軟な政策導入を進める意向を示しました。また、日本暗号資産取引業協会の小田氏は、制度改革の遅延が経済的損失を生んでいると警鐘を鳴らしました。

まとめ

TEAMZ Summit 2025は、日本におけるWeb3・AIの未来を見据えた重要なイベントであり、今後の展望に期待が寄せられます。次回のTEAMZ Summit 2026は、2026年4月15日と16日に開催される予定です。