こむぎのが博多うどんのうちだ屋を買収！全国展開で新たな風を吹き込む

株式会社こむぎのが四大博多うどん『うちだ屋』を買収

2025年4月18日、株式会社こむぎの（本社：東京都千代田区、代表：笹山 直人）は、福岡県の老舗飲食チェーンである株式会社うちだ屋（本社：福岡市東区、代表：内田 勝行）の発行済全株式を取得したと発表しました。この提携により、博多うどんの全国展開が本格的に始動します。

「うちだ屋」は、九州・福岡エリアに根ざした飲食チェーンとして、地域の皆様に長年親しまれてきたお店です。こだわりの麺やスープを使ったうどん、家庭的で温かみのある和定食や丼ものなど、幅広いメニューが多くのファンに愛されています。

提携の背景と目的

今回の資本提携は、M&A仲介会社インクグロウ株式会社の仲立ちによって実現しました。株式会社こむぎのは、「うちだ屋」の事業理念に共感し、両社の成長を共に目指すことで、今回の提携が実現したと述べています。

株式会社こむぎのは、堀江貴文が主宰するオンラインサロンHIUから生まれた「小麦の奴隷」や「沖縄そば くいな」など、地域から生まれる食の魅力を大切にしながら多様なブランドを展開しています。このような背景から、うどん業界に新たな風を吹き込むことを目指しています。

うちだ屋の歴史と特徴

「うちだ屋」は、1977年に創業され、福岡市東区多々良にて第1号店を開店しました。平成初頭からは、「めん勝」や「万福うどん」といった新たなブランドも展開し、多角的な事業展開を図ってきました。1998年には店舗数を120店舗まで拡大し、九州全域でのプレゼンスを高めました。

「うちだ屋」のこだわりは、厳選した小麦粉やそば粉を使用したふんわりもちもちのうどん、つるつるしこしこのそばです。さらに、昆布・かつお・いりこなどの天然だしを活かした秘伝のスープを毎日店舗で作り、後味の良い味わいを追求しています。

うどん業態の再評価と市場の変化

近年、うどん業界は非常に盛り上がりを見せており、ひとりの食事はもとより、家族で楽しむ食事においても、ファミリーレストランからの回帰が見られます。これは、外食市場の構造的な変化によるものです。

ファミリーレストラン業態が人件費の高騰やメニューの非専門性によって消費者の関心を引きにくくなっている一方で、専門性がありながらも価格を抑えやすいうどん業態が支持を集めています。特に「ファミレス的うどん業態」は、相対的に高いコストパフォーマンスを提供し、消費者からの支持を得ています。

博多うどんの特徴と文化

博多うどんは、福岡を中心にした「やわうどん文化」が根付いています。戦後、屋台文化や炭鉱労働者向けに「やわらかくて消化の良いうどん」が好まれるようになり、地域に密着したご当地メニューが定着しています。これに対して、讃岐うどんは香川を中心とした「麺が主役」の食文化が特徴です。

博多うどんは、食堂や定食屋に近い雰囲気を持ち、家族連れや高齢者にも支持されています。このような違いが生まれている背景には、地域の食文化が強く影響しています。

博多うどん業界の競争と展望

博多うどん業界には、出店数を伸ばしている「資さんうどん」が全国的に注目されていますが、同時に「うちだ屋」や「牧のうどん」、「ウエスト」といった他のブランドも独自の特色を持ちながら競争しています。

特に「資さんうどん」は、創業者から地域密着型ファンドへの譲渡を経て、現在は240億円の資金を投じた外食大手に傘下に入っており、全国展開を加速しています。

博多うどんの勢力図

このように、博多うどん業界には多くの競合が存在し、各社が全国展開を進めています。株式会社こむぎのと「うちだ屋」は、共に博多うどんの魅力を広めるために、全国各地での新規出店やPR活動を強化し、5年後には80店舗超への店舗数拡大を目指しています。

この提携を通じて、地域社会の食文化を通じて顧客満足度を最大化し、従業員や取引先の幸福を達成することを目指しています。