2024年11月、天然温泉が睡眠に与える効果を検証！スーパーホテルの取り組み

ホテルの天然温泉がもたらす睡眠への影響

株式会社ブレインスリープは、株式会社スーパーホテルおよび秋田大学大学院医学系研究科と共同で、ホテルに設置された天然温泉が睡眠に与える効果についての検証を行いました。この研究は、2024年11月から12月にかけて実施され、結果として天然温泉に入ることで身体の中の温度が効率的に低下し、寝つきが良くなることが示されました。

現代社会において、睡眠の質は健康に大きな影響を及ぼす要素の一つです。特に、旅行や出張などで宿泊する際、普段とは異なる環境に身を置くことで、睡眠が乱れやすくなります。スーパーホテルは、宿泊客に「ぐっすり」眠ってもらうための取り組みを行っており、その一環として天然温泉の睡眠効果を科学的に検証することになりました。

検証の背景と目的

宿泊客がホテルに滞在する際、最も長い時間を過ごすのは睡眠の時間です。しかし、ホテルの環境は自宅とは異なり、音や光、温度、寝具の違いから、眠りが浅くなる傾向があります。スーパーホテルでは、宿泊客が快適に眠れる環境を提供するため、様々な研究を行ってきました。

この研究では、天然温泉が睡眠に与える影響を検証することで、宿泊客の睡眠の質を向上させる手助けをすることを目的としています。具体的には、天然温泉に入浴することで、どのように身体の温度調節が行われ、睡眠にどのような影響を及ぼすのかを探求しました。

検証の概要と方法

本検証は、以下の条件で実施されました。

• 検証期間：2024年11～12月
• 被験者数：20～60代の18名（女性11名）
• 実施場所：湯元「花乃井」スーパーホテル大阪天然温泉
• 検証方法：天然温泉条件、部屋風呂条件、朝シャワー条件の3つの条件を設定し、各条件に3日間ずつ参加するクロスオーバー試験を実施

測定項目には、脳波、活動量、深部体温、アンケート評価（OSA睡眠調査票）が含まれています。これにより、客観的データと主観的データの両方から睡眠の質を評価しました。

検証結果の詳細

検証の結果、天然温泉に入浴した宿泊日の方が、寝つきが良く、睡眠に対する評価も高いことが確認されました。以下に具体的な結果を示します。

脳波による客観データ

脳波データの解析では、天然温泉条件の方が有意に睡眠潜時が短いことが確認されました。これは、天然温泉に入浴した宿泊日の方が早く寝つけたことを示しています。

アンケートによる主観データ

起床時の自身の睡眠を評価するためにOSA睡眠調査票を用いたアンケートを実施しました。以下の4つの睡眠因子において、天然温泉条件が有意に高い点数を記録しました。

1. 起床時眠気：集中力や開放感がどれだけあるか
2. 入眠と睡眠維持：寝つきの良さや途中で起きることの有無
3. 疲労回復：リフレッシュ感の有無
4. 睡眠時間：充分な睡眠時間であったと感じるか

これらの結果から、天然温泉に入浴した宿泊日は、寝つきが良く、安定した睡眠を得られていることがわかりました。

深部体温による客観データ

深部体温は、体内時計に従って日中に上昇し、夜に下がります。良質な睡眠のためには、深部体温を適切に下げることが重要です。結果として、天然温泉条件の方が有意に深部体温の最高温度と最低温度の差分が大きく、効率的に深部体温が低下していることが確認されました。

専門家のコメント

秋田大学の上村佐知子准教授は、温泉浴が睡眠に及ぼす効果について次のように述べています。「温泉には血行改善や鎮痛作用に加えて睡眠の促進作用があることが分かっています。温泉はその多くが強い加熱効果を持ち、家庭浴よりも深部体温が上がるため、急上昇した深部体温を急激に下げようとする時に強い眠気を催します。今回の研究でも、この現象が実証されました。」

また、ブレインスリープの最高研究顧問である西野精治教授も、「天然温泉浴ではシャワーや部屋風呂に比べて寝付きが早く、質の高い深い睡眠が得られることが確認されました。スーパーホテルには天然温泉があり、宿泊客は好きな時間に気軽に温泉浴を楽しむことができるため、疲れを癒すには最適な選択肢です。」とコメントしています。

まとめ

本記事では、株式会社ブレインスリープ、株式会社スーパーホテル、秋田大学の共同研究による天然温泉の睡眠効果について詳しく紹介しました。以下に、研究の要点を表にまとめます。

この研究は、天然温泉が睡眠に与えるポジティブな影響を示す重要なエビデンスとなり、宿泊施設での睡眠の質向上に寄与することが期待されます。