ispaceのRESILIENCEランダー、5月7日に月周回軌道到達予定!次のステップに注目

月周回軌道到達

開催日:5月7日

月周回軌道到達
ispaceのミッション2って何をしてるの?
ispaceのミッション2は、月周回軌道投入前の深宇宙軌道制御マヌーバを完了し、月周回軌道への到達を目指すプロジェクトです。
RESILIENCEランダーの次の予定は?
RESILIENCEランダーは5月7日に月周回軌道に到達する予定で、その後の月面着陸に向けた準備を進めます。

ispace、ミッション2マイルストーンSuccess 6を達成

株式会社ispace(東京都中央区、代表取締役:袴田武史、証券コード9348)は、2025年4月24日(木)午後7時00分(日本時間)に、Mission 2 “SMBC x HAKUTO-R VENTURE MOON”(以下、ミッション2)において、月周回軌道投入(Lunar Orbit Insertion : LOI)前に予定していたすべての深宇宙軌道制御マヌーバを完了したことを発表しました。これにより、ミッション2マイルストーンのSuccess 6を達成したことになります。

この重要なマヌーバは、東京の日本橋にあるミッション・コントロール・センターから実施されました。ispaceのエンジニアは、計画に沿って8回目の軌道制御マヌーバを行い、RESILIENCEランダーは月周回軌道へ投入する前にすべての軌道制御マヌーバを完了しました。現在、RESILIENCEランダーは計画通りの軌道で安定した状態を保っており、次のステップである5月7日のSuccess 7「月周回軌道への到達」に備えています。

ispace、ミッション2マイルストーンSuccess 6「月周回軌道投入前すべての深宇宙軌道制御マヌーバ」に成功! 画像 2

RESILIENCEランダーの進捗と今後の計画

RESILIENCEランダーは、2025年1月15日(水)15時11分(日本時間)にSpaceX社のFalcon9によって打ち上げられ、同日午後4時44分(午前7時44分24秒 協定世界時)にロケットから分離されました。地球周回フェーズを経て、2025年2月15日(土)午前7時43分(日本時間)には月表面から高度約8,400㎞の地点を通過し、民間企業による商業用の月着陸船としては史上初となる「月フライバイ」に成功しました。

その後、RESILIENCEランダーは低エネルギー遷移軌道上を約2か月間航行し、地球から最も離れた距離で約110万kmの地点まで到達しました。この深宇宙の旅を経て、いよいよ月へのアプローチ体制に入る準備が整いました。

ispace、ミッション2マイルストーンSuccess 6「月周回軌道投入前すべての深宇宙軌道制御マヌーバ」に成功! 画像 3

ミッション2のマイルストーン

ispaceは、ミッションの打ち上げから月面着陸までの過程で10段階のマイルストーンを設定しています。各マイルストーンには達成基準が設けられており、評価結果は後続の開発中のミッションにフィードバックされます。進捗状況は適時に公開される予定です。

以下は、ミッション2の主なマイルストーンです:

  • Success 1: 打上げ成功
  • Success 2: 地球周回フェーズ完了
  • Success 3: 月フライバイ成功
  • Success 4: 低エネルギー遷移軌道への移行
  • Success 5: 深宇宙軌道制御マヌーバ完了
  • Success 6: 月周回軌道投入前のすべての深宇宙軌道制御マヌーバ完了
  • Success 7: 月周回軌道への到達(予定)
  • Success 8: 月面着陸準備完了(予定)
  • Success 9: 月面着陸成功(予定)
  • Success 10: ミッション完了

ミッション2で運搬するペイロード

ミッション2のRESILIENCEランダーには、6つのペイロードが搭載されています。これらのペイロードは、さまざまな目的で開発されており、宇宙探査の新たな可能性を切り開くことが期待されています。

具体的には、以下のペイロードが含まれています:

  1. 高砂熱学工業株式会社の月面用水電解装置
  2. 株式会社ユーグレナの月面環境での食料生産実験を目指した自己完結型モジュール
  3. 台湾の国立中央大学宇宙科学工学科が開発する深宇宙放射線プローブ
  4. 株式会社バンダイナムコ研究所の「GOI宇宙世紀憲章プレート」
  5. ispaceの欧州法人ispace EUROPEが開発したマイクロローバー”TENACIOUS”
  6. スウェーデンのアーティストによるムーンハウスと呼ばれる赤い小さな家

さらに、RESILIENCEランダーには、人類の言語と文化遺産を保護したユネスコのメモリーディスクも搭載されています。

ispaceのビジョンと今後の展開

株式会社ispaceは、「Expand our planet. Expand our future. ~人類の生活圏を宇宙に広げ、持続性のある世界へ~」をビジョンに掲げ、月面資源開発に取り組んでいる宇宙スタートアップ企業です。日本、ルクセンブルク、アメリカの3拠点で活動し、約300名のスタッフが在籍しています。

2010年に設立されたispaceは、Google Lunar XPRIZEレースの最終選考に残った5チームのうちの1チームである「HAKUTO」を運営してきました。月への高頻度かつ低コストの輸送サービスを提供することを目的に、小型のランダー(月着陸船)と月探査用のローバー(月面探査車)を開発しています。また、民間企業が月でビジネスを行うためのゲートウェイとなることを目指し、月市場への参入をサポートするための月データビジネスコンセプトの立ち上げも行っています。

今後は、2026年に米国法人が主導するミッション3、そして2027年に日本で開発中のシリーズ3ランダー(仮称)を用いたミッション4(旧ミッション6)の実行を予定しています。これにより、世界中の政府、企業、教育機関からの高まる需要に応えるため、ispaceはミッション3およびそれ以降のミッションのペイロードサービス契約とデータサービスを提供していく方針です。

まとめ

ispaceは、ミッション2において重要なマイルストーンであるSuccess 6を達成し、月周回軌道投入に向けた準備が整いました。RESILIENCEランダーは、様々なペイロードを搭載し、宇宙探査の新たな可能性を切り開くことが期待されています。今後の展開にも注目が集まります。

マイルストーン 達成状況
Success 1 打上げ成功
Success 2 地球周回フェーズ完了
Success 3 月フライバイ成功
Success 4 低エネルギー遷移軌道への移行
Success 5 深宇宙軌道制御マヌーバ完了
Success 6 すべての深宇宙軌道制御マヌーバ完了
Success 7 月周回軌道への到達(予定)

このように、ispaceは確実に進展を遂げており、今後のミッションにおいてもさらなる成果を期待されます。

参考リンク: