岡山県の介護予防事業が4月28日から開始、高齢者支援を強化

岡山県介護予防に係る市町村支援アドバイザー派遣事業の概要

令和6年度に実施される岡山県介護予防に係る市町村支援アドバイザー派遣事業は、地域の高齢者が自分らしく生活できる環境を整えるための重要な取り組みです。この事業は、株式会社TRAPEが受託し、津山市と里庄町に対して伴走支援を行うことで、地域の介護予防事業の充実を図ることを目的としています。

TRAPEは「素敵な役割のあふれる日常を創る」というビジョンのもと、全国の市町村のwell-beingな地域づくりを支援してきました。具体的には、地域づくり支援ハンドブックの作成や、様々な自治体との協働を通じて、人々や地域に新たな価値を提供しています。

事業の目的と内容

本事業は、市町村と連携し、高齢者が自分らしく暮らし続けるための「地域づくり」を推進する伴走支援事業です。市町村が抱える課題に対して、専門家が具体的な助言や支援を行い、地域の実情に応じた介護予防事業の計画や実施、評価を行います。

具体的な支援内容は以下の通りです：

• 市町村の募集・選抜
• 参加希望の公募と説明会の開催
• 2市町村の選定
• 8か月間の伴走支援プログラムの実施
• 現状把握・課題設定
• スケジュール策定
• 研修会の実施
• 成果報告書の納品

これらの取り組みを通じて、高齢者の介護予防や生活支援、その基盤整備を展開していきます。

TRAPEの支援プログラムの特徴

TRAPEの支援プログラムでは、「ビジョンを共有し、対話を重ね、経験から学び続けること」が最も重視されます。まず、高齢者が自分らしく暮らし続ける“理想の姿”を関係者全員で描き、その目的を指針に据えます。

次に、行政や専門職、住民など多様なプレイヤーが腹を割って語り合う“対話の循環”をつくり、小さなアクションを試し、振り返り、学びを次の挑戦へ活かす“経験学習サイクル”を回し続けることで、成功体験を積み重ねます。

これにより、現状把握、背景理解、ゴール設定、ギャップを埋める中期・短期目標、そして今すぐ踏み出せるスモールステップを可視化し、誰もが進捗を語れる状態を整えます。これにより、市町村自らが中長期的に走り続けられる自走体制の土台を築くことが重要です。

津山市と里庄町の具体的な取り組み

この伴走支援プログラムを通じて、津山市と里庄町ではそれぞれ異なるテーマに基づいた取り組みが行われました。

津山市の取り組み

津山市では、スポーツジムと連携した「通所型サービスC」のモデル事業を立ち上げました。この取り組みは、フレイル（虚弱）状態にある高齢者が自分らしく住み慣れた地域で暮らし続けるための新たな選択肢を提供することを目的としています。

当初は市内全域を対象とする計画でしたが、実現性や効果を考慮し、スポーツジムのある地域に絞って実施する方針へと変更されました。具体的な対象者像を描きながら、提供場所、人数、サービス内容を段階的に具体化していく中で、津山市高齢介護課の職員が積極的に参加者との関係を築くことが重視されました。

里庄町の取り組み

里庄町では、37の行政区のうち26区において週1回の体操を実施する「通いの場」を整備してきましたが、新たな設置が進まず停滞していました。この状況を受け、住民の本音に耳を傾け、何を必要としているのかを知ることから始めることにしました。

具体的には、住民のもとに直接足を運び、リアルな声を聞くことで、通いの場に参加している高齢者の満足感や活動の目的を把握しました。調査を通じて、性別ごとの集まる傾向や集まる理由の違いを明らかにし、高齢者一人ひとりに合った場所を紹介したり、新たな通いの場を創出するための基盤を整えました。

参加者の声と今後の展望

津山市や里庄町の関係者からは、伴走支援を通じて得られた学びや気づきが多く寄せられています。津山市の職員は、事前の準備がいかに大切かを実感し、丁寧な段取りが重要であることを学びました。また、里庄町の職員は、集まる場所の特徴を把握することが新たなニーズを見つける手助けになると感じています。

岡山県の担当者からも、対話を通じた伴走支援の魅力が語られ、これからの地域支援事業において本事業が重要な役割を果たすことが期待されています。

このように、岡山県の介護予防に係る市町村支援アドバイザー派遣事業は、高齢者が自分らしく生活できる地域づくりを目指し、具体的な支援を行っています。TRAPEの取り組みを通じて、地域のニーズに応じた介護予防策が実現されることが期待されています。