岡山大学の内山准教授、抗菌酵素による新動物用医薬開発でPSI GAPファンド採択
ベストカレンダー編集部
2025年4月30日 05:44
抗菌酵素研究採択
開催日:4月29日
岡山大学の内山淳平准教授がPSI GAPファンド・ステップ2に採択
2025年4月29日、国立大学法人岡山大学の学術研究院医歯薬学域に所属する内山淳平准教授が、「PSI GAPファンド・ステップ2」に採択されたことが発表されました。このファンドは、中国・四国地域の大学によって構成される大学発スタートアップ創出プラットフォーム「Peace & Science Innovation Ecosystem(PSI)」が実施しており、科学技術振興機構(JST)の支援のもと、有望な技術シーズの社会実装を加速させることを目的としています。
内山准教授の研究は、抗菌酵素を活用した新たな動物用抗菌剤の創出に関するものであり、薬剤耐性菌対策としての重要性が高まっています。今回の採択により、内山准教授は資金提供、起業に向けたアクセラレーションプログラム、支援人材による伴走支援、さらにはグローバル展開への支援を受けることができます。
PSI GAPファンドの概要と支援内容
PSI GAPファンドは、起業に向けた検証段階を支援する「ステップ1」と、起業準備やライセンス展開を見据えた本格的支援を行う「ステップ2」に分かれています。内山准教授は、今回のステップ2での採択となり、研究費総額は約6,000万円に上ります。研究期間は2025年4月から2028年3月までの3年間です。
このファンドの目的は、以下の通りです:
- 有望な技術シーズの社会実装を加速
- 起業に向けた支援を包括的に提供
- 地域の大学間での連携強化
抗菌酵素の研究内容とその意義
内山准教授が提案した研究課題は、薬剤耐性菌対策として期待される「抗菌酵素」を利用した新たな動物用抗菌剤の開発です。独自に構築した抗菌酵素データベースと分子設計技術を活かし、標的とする細菌に対して高い効果と安定性を備えた抗菌酵素を開発することを目指しています。
内山准教授は、「動物用抗生物質の使用に制限がかかる中、抗菌酵素は新たな選択肢として世界的にも注目されています。本研究では、独自技術を活用して高性能な抗菌酵素を創出し、国内外のニーズに応える新しい動物用医薬品の実現を目指します」と述べています。
抗菌酵素の研究は、以下のような意義を持っています:
- 薬剤耐性菌の問題解決に寄与
- 新しい医薬品の創出による市場の拡大
- 日本のアグリテック分野における国際競争力の強化
今後の展望と地域への影響
本プロジェクトを通じて、日本発の抗菌酵素医薬品の事業化が加速することが期待されています。薬剤耐性菌という世界的課題の解決に向けた取り組みは、岡山大学の研究成果が地域社会や国際社会においても重要な役割を果たすことを示しています。
岡山大学は、地域中核・特色ある研究大学として、今後も多様な研究開発に取り組み続けることが期待されます。特に、アグリ・バイオ分野での革新が進むことで、地域の経済活性化にも寄与するでしょう。
なお、2025年度のPSI GAPファンドの募集も近日中に開始される予定です。事業化を希望する研究シーズをお持ちの研究者や博士後期課程学生は、スタートアップ・ベンチャー創出本部までお問い合わせください。
まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 採択者 | 内山淳平准教授 |
| ファンド名 | PSI GAPファンド・ステップ2 |
| 研究テーマ | 抗菌酵素を活用した動物用抗菌剤の創出 |
| 研究期間 | 2025年4月~2028年3月 |
| 研究費総額 | 約6,000万円 |
| 期待される成果 | 薬剤耐性菌の問題解決、新しい医薬品の創出、国際競争力の強化 |
内山准教授の抗菌酵素に関する研究は、今後の医療や農業において重要な役割を果たすことが期待されています。このような取り組みを通じて、岡山大学は地域社会や国際社会に貢献することを目指しています。
参考リンク: