アイ・ロボティクスが4月30日に新技術発表!ドローンの精密運用とデジタルツイン化が可能に

精密誘導IoT技術発表

開催日:4月30日

精密誘導IoT技術発表
新しいドローン技術ってどんなもの?
株式会社アイ・ロボティクスが開発した技術は、ドローンをセンチメートル単位で制御し、リアルタイムでデジタルツインを生成するものです。
この技術で何ができるようになるの?
GPSに頼らず、屋内外で精密なドローンの運用が可能になり、施設管理や設備点検が効率化されます。

精密誘導IoT技術によるドローンとロボットの新たな運用

株式会社アイ・ロボティクスは、2025年4月30日に、屋内外を問わずドローンやロボットをセンチメートル単位で制御する新技術を発表しました。この技術により、ドローンや周辺機器からリアルタイムに取得したデータを即座に3D点群およびデジタルツインとして生成することが可能となります。これにより、施設管理の運用が新たな時代へと進化します。

精密誘導IoT技術でドローンやロボットの施設内自動運用をcm単位で制御。さらにリアルタイムでのデジタルツイン生成技術により、次世代施設管理の実現へ① 画像 2

開発背景と社会的なニーズ

近年、施設管理を取り巻く環境は急速に変化しており、機械化、遠隔化、自動化、AIの活用によるデジタルトランスフォーメーション(DX)への対応が求められています。BIM(Building Information Modeling)やCIM(Construction Information Modeling)などの技術が普及する中、効率的かつ高度な生産、運営、管理が求められる時代となっています。

アイ・ロボティクスは、2014年から共創パートナーとともにソリューションの開発に着手し、社会実装を見据えたブラッシュアップと実証を重ねてきました。この新技術の開発は、こうした社会変革にいち早く対応するための重要なステップです。

精密誘導IoT技術でドローンやロボットの施設内自動運用をcm単位で制御。さらにリアルタイムでのデジタルツイン生成技術により、次世代施設管理の実現へ① 画像 3

ソリューションを実現する技術群

本技術は、ドローンに加え、施設内に設置されたカメラやセンサー、既存設備を活用して、施設とドローンが相互に高精度で位置を把握し合い、誘導を行う仕組みに基づいています。これにより、GPSの信号が届かない屋内環境や、屋外から屋内へ移行するトンネルなどの複雑な空間でも、シームレスかつ精密にドローンを自動飛行させる技術へと発展させる予定です。

また、複数のドローンを同時に一括制御することが容易となり、これまで難しかった大規模施設内での複数機運用も実現します。さらに、機体制御を一部外部化することでドローン本体の小型・軽量化が可能となり、商業施設や倉庫といった屋内空間でも安全かつ実用的に運用できるようになります。

高精度の位置測位とリアルタイム通信

本ソリューションの大きな特長は、高精度の位置測位と高速リアルタイム通信を両立しながら、飛行中に周辺環境の3次元点群データを取得し、その場で高解像度のデジタルツインを生成できる点です。これにより、施設内の空間変化を即座に把握し、飛行経路への即時反映や、設備点検、施設管理、記録業務の高度化・効率化を実現します。

精密な誘導制御による次世代のドローン運用

従来の自律飛行型ドローンでは、自機に搭載したGPSや障害物センサーを用いて自らの位置を推定し飛行制御を行うのが一般的でした。しかし、この方法では多様な機器を機体に搭載する必要があり、ドローンの大型化につながる上、センサー誤差による位置ずれや誤作動のリスクも避けられません。

本技術では、ドローン側ではなく施設側に配置したシステムが機体の位置を高頻度・高精度で検出し、高速通信を介してリアルタイムに機体を誘導・制御します。外部の制御コンピューターが常にドローンの現在位置を監視し、設定された飛行ルートとの差異を即時に補正することで、常に所定の位置・姿勢を保った精密な飛行や、複数機体の同時制御といった高度な運用が可能となります。

GPS不要のcm単位制御

一般的な屋外用ドローンは、衛星からのGPS信号やそれを補正するRTK電波に頼って自動飛行します。しかし、GPSは屋内では受信が難しく、トンネルや工場、倉庫など広い屋内空間では数メートル単位の誤差が生じる場合が多く、これまでドローンによる屋内や複雑な構造物周辺での精密な自律飛行は困難でした。

アイ・ロボティクスの技術では、GPSに依存せず、施設内に設置した測位システムによってドローンの位置を常時cm単位で把握・制御します。これにより、生産ラインが稼働する工場内部や、大型倉庫の棚の間、建設現場の狭小空間、長大なトンネル内部など、従来はドローンの自動飛行が難しかった環境でもcm単位の誤差で正確な飛行が可能になります。障害物が多い空間でも安全かつ安定した飛行を実現し、人が立ち入れない危険区域での自律点検飛行などにも威力を発揮します。

今後の展開と技術のさらなる進化

今後の開発目標としては、制御システムに一定の工夫を加え、屋外環境でも安定して稼働できるようにすることで、屋内と屋外の移動を連続して行えるようにしていきます。具体的には、必要に応じて制御モードを自動的にGPS利用へ切り替える機能を実装し、例えば倉庫の内部から屋外を経由して隣接する別棟内部へ移動するような、連続的かつ複雑なミッションにおいても、位置情報の断絶やオペレーターの介入なしにドローンが自律飛行を継続できるサービスの提供を目指しています。

アイ・ロボティクスでは、これらの先端技術を活用し、鉄道、商業施設、工場、倉庫、建設現場、インフラ設備、テーマパークなど、幅広い産業分野に向けたソリューション・サービスの展開を開始していきます。そのために、更なる技術高度化と社会実装にご協力いただける共創パートナー企業を広く募集しています。

まとめ

技術名 特長 対象分野
精密誘導IoT技術 センチメートル単位でのドローン制御、リアルタイムデジタルツイン生成 施設管理、工場、商業施設、インフラ設備

本技術により、ドローンやロボットの運用が新たな次元に進化し、施設管理の効率化や高度化が期待されます。今後の展開に注目が集まります。

参考リンク: