滝口悠生の新作『たのしい保育園』が4月28日発売、父親視点で描く育児小説
ベストカレンダー編集部
2025年4月30日 09:51
『たのしい保育園』発売
開催日:4月28日
新時代の「父」小説、滝口悠生の『たのしい保育園』が登場
株式会社河出書房新社は、滝口悠生による最新小説『たのしい保育園』を2025年4月28日に刊行することを発表しました。この作品は、育児をテーマにした連作短編集であり、特に父親の視点から描かれた内容が特徴です。育児に関する深い愛情と冷静な観察が融合したこの作品は、著者の独自の視点で子育てのリアルを描き出しています。
本書は、季刊文芸誌「文藝」に2023年から2024年にかけて連載されており、その反響は非常に大きかったとされています。特に、子育て中の読者からは「子育てあるある」として共感を呼び、また自身の幼少期の思い出を甦らせる作品としても評価されています。
作品の内容と構成
『たのしい保育園』は、「緑色」「恐竜」「ロッテの高沢」「音楽」「連絡」「名前」の6篇からなる連作短編集です。各篇は、日常の何気ない瞬間を丁寧に描写しており、子どもとのかけがえのない時間を振り返る内容となっています。
特に印象的なのは、以下のような一節です。
「今日のこともきっと何年か後には忘れてしまう。昨日や明日と区別がつかなくなって、そんな日がまるでなかったかのように思えてくる。だから連絡帳を書きたい、とももちゃんのお父さんは思うけれど、連絡帳のコメントを送るのは三歳の誕生日までだ。」
この文章からも、滝口悠生の作品が持つ深い感情と観察力が伝わります。日常の中での小さな出来事が、どれほど大切なものであるかを再認識させてくれる内容です。
著者の経歴と受賞歴
滝口悠生は、2011年にデビュー以来、数々の文学賞を受賞してきた著名な作家です。受賞歴には、野間文芸新人賞、芥川龍之介賞、織田作之助賞、芸術選奨文部科学大臣賞、川端康成文学賞などが含まれます。これらの受賞歴は、彼の作品が高く評価されている証拠と言えるでしょう。
最新作『たのしい保育園』は、彼の成熟した作家としての技術が光る作品であり、特に新世代の「父」小説として注目されています。滝口の言葉は、育児のリアリティを緻密に描写し、読者に深く響くものとなっています。
推薦コメントと書店からの反響
著名なイラストレーターであるヨシタケシンスケ氏や歌人の東直子氏からも推薦コメントが寄せられています。ヨシタケ氏は、「育児を愛情深く、かつ冷静に、緻密に、記録する。やりたくても誰もできなかった偉業が、ここにある。」と述べ、この作品の価値を高く評価しています。
また、書店のスタッフからも多くの絶賛の声が寄せられています。以下はその一部です:
- 「かけがえのない一瞬一瞬のきらめきが、これでもかと詰め込まれた一冊。その時の風景や心情が、淡々と色鮮やかに描かれていて、その愛しさに胸がぎゅうっとなりました。」 – TSUTAYAサンリブ宗像店 渡部知華さん
- 「子供を通して見る世界は奇跡の連続で、お父さんとももちゃんの発見の毎日に、やさしさと幸福で満たされました。」 – 文真堂書店ビバモール本庄店 新井さゆりさん
- 「膨大なディティールと際限なく広がる枝葉のような描写で、文章から子育ての本質を読者に体感させてくれる、今までになかった新しい育児小説。」 – 徴古堂書店 是永由布子さん
- 「実際育児をする人間にとってとても大変で、しんどいときもあるんだけれども、作品を通じて「育児」について改めて客観視した時に、とても愛おしい時間を日々過ごさせて貰っているのだな。」 – ページ薬局 尼子慎太さん
書誌情報と購入方法
『たのしい保育園』の詳細は以下の通りです:
| 書名 | たのしい保育園 |
|---|---|
| 著者 | 滝口悠生 |
| 仕様 | 46判/上製/224ページ |
| 装画 | 100%ORANGE |
| 装丁 | 大島依堤亜 |
| 発売日 | 2025年4月28日 |
| 定価 | 2,200円(本体2,000円) |
| ISBN | 978-4-309-03961-9 |
また、電子書籍も同日に発売される予定です。詳細は各電子書籍ストアにて確認することができます。
『たのしい保育園』は、育児をテーマにした新しい視点の小説として、多くの読者に深い感動を与えることでしょう。滝口悠生の言葉の力とその描写力に触れることで、育児の本質を再認識することができるかもしれません。
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