5月14日発売！『となりのとらんす少女ちゃん』が描くトランスジェンダーのリアル

トランスジェンダーのリアルを描いた短編漫画作品集『となりのとらんす少女ちゃん』

2025年5月14日、合同会社在野社が新たに発表する短編漫画作品集『となりのとらんす少女ちゃん』が、トランスジェンダー当事者の視点から描かれたリアルな物語をお届けします。本書は、SNS上で多くのトランスジェンダー（女性）をテーマにした作品を発表してきた新鋭の漫画家・とら少による初の単行本です。

本書は、セクシャルマイノリティ当事者の心情や生活を描くことで、読者に深い理解を促すことを目的としています。全国の書店およびネット書店で購入可能で、電子書籍としても10以上のストアで展開される予定です。

著者・とら少のプロフィールと作品の背景

著者のとら少は、大阪出身のトランスジェンダー女性であり、自身の経験を基に漫画制作を始めました。2014年からTwitter（現・X）やpixivなどのSNSプラットフォームで作品を発表し、注目を集めています。特に、2019年に発表した「未来の自分に女になるよう説得される話」は、多言語に翻訳されて国際的にも評価されています。

本書の収録作品は、SNSでの発表時に大きな反響を呼んだ3篇のリメイクと、書き下ろしの1篇が含まれています。著者の作品は、トランスジェンダーのリアリティを鋭い観察眼とストーリーテリングで表現し、読者に深い感情を呼び起こすものです。

収録作品の内容とテーマ

本書には、以下の4つの短編が収録されています。

1. 退廃的なとらんすちゃん
   相川と園木は同じ学科の同級生で、相川には他の同級生に言えない秘密があります。彼女の心の葛藤と、友人との関係を描いた物語です。
2. 弟はとらんすちゃん
   男子中学生のりょうとは、弟のあゆむが「オカマ」であることから、友人を家に呼べない苦悩を抱えています。彼の片思いと家族の秘密が交錯するストーリーです。
3. 未来から来たとらんすちゃん
   サッカー少年・ユウタの前に現れた若い女性は、未来の自分だと名乗ります。性別移行の重要性を説く彼女との対話を通じて、ユウタが直面する選択を描いています。
4. 似つかわしいとらんすちゃん
   クラス委員長のショウタは、自分の期待に応えられない副委員長のヨシくんに苛立ちを感じています。彼の心の奥底にある過去のわだかまりが明らかになる物語です。

これらの作品は、トランスジェンダーの多様な経験や感情を描写し、読者に新たな視点を提供します。特に、著者自身の体験に基づくリアルな描写が特徴です。

出版までの道のりとクラウドファンディングの成功

著者は、プライベートの多忙から漫画制作を一時断念しようとしましたが、ファンからの出版希望の声に応える形で活動を再開しました。出版に向けて実施されたクラウドファンディングでは、開始初日に目標額を達成するなど、多くの支持を集めました。

クラウドファンディングには、著名な哲学者や倫理学者などが応援コメントを寄せており、特に三木那由他氏や高井ゆと里氏の支持が大きな後押しとなりました。最終的には、271名から2,028,700円の支援を受けることに成功しました。

書誌情報と発売日

『となりのとらんす少女ちゃん』の書誌情報は以下の通りです。

本書は、トランスジェンダーのリアリティを新たな視点で描く作品として、漫画シーンに新風を吹き込むことが期待されています。

このように、『となりのとらんす少女ちゃん』は、トランスジェンダーのリアルな経験を描いた作品集であり、セクシャルマイノリティに対する理解を深めるための一助となることでしょう。読者は、著者の作品を通じて、トランスジェンダーに関する新たな視点を得ることができるかもしれません。