おてつたび、KDDI・ANAと連携で地方創生へ。2億円資金調達を実施
ベストカレンダー編集部
2025年4月30日 14:48
おてつたび資金調達
開催日:4月30日
資金調達と事業拡大の背景
株式会社おてつたび(東京都渋谷区、代表取締役:永岡里菜)は、2025年4月30日にシリーズAラウンド(1stクローズ)として、総額2億円の資金調達を実施したと発表しました。この資金調達は、新韓-GBフューチャーフロー投資事業有限責任組合、KDDI地方創生事業育成1号投資事業有限責任組合(KDDI Regional Initiatives Fund 1号)、AH-GB未来創造投資事業有限責任組合、ゆうちょ Spiral Regional Innovation 1号投資事業有限責任組合など、複数の企業からの引受を受けたものです。
この資金調達を通じて、KDDI株式会社およびANAホールディングス株式会社との協業をさらに推進することが期待されています。特に、元マクアケ取締役CTOの生内洋平氏をプロダクト戦略顧問に迎えることで、事業成長に向けた体制を強化し、より効果的なサービス提供を目指します。
地方創生と地域経済の循環
日本は人口減少が進行し、特に地方ではその影響が顕著に現れています。このため、地域の産業を持続可能な形で存続させるためには、「人」「お金」「資源」の循環が不可欠です。おてつたびは、「人の移動」を通じて地域にお金や想いが流れ込み、助け合いのネットワークを生み出す社会を目指しています。
今回の資金調達を通じて、短期人材のマッチングだけでなく、地域が困ったときに人が自然と集まり助け合える新しい都市と地方の関係性を築くエコシステムを構築することが目標です。
連携企業との取り組み
KDDIは保有する多様なアセットを活用し、関係人口創出のパートナーとしての連携を進めています。具体的には、自治体とのネットワークを通じた登録先事業者の開拓支援などを行い、おてつたびの事業成長を支援します。
一方、ANAは国内最大の航空ネットワークと4000万人の顧客基盤を活用し、二地域居住の促進や関係人口拡大につながる事業連携を推進します。また、ANA各支店の営業サポートを通じて地域事業者の開拓を強化する方針です。
おてつたびのサービスとその価値
おてつたびは「お手伝い(短期アルバイト)」と「旅」を組み合わせた人材マッチングサービスです。人手不足に悩む地域事業者と、働きながら旅を楽しみたい旅行者をマッチングすることで、双方にメリットを提供しています。
- 旅行者のメリット: 交通費は自己負担ですが、旅先で働くことで報酬を得られるため、旅行の経済的負担が軽減されます。また、地域の人々との交流を通じて、文化や暮らしを深く楽しむことができます。
- 地域事業者のメリット: 全国各地からの働き手を集めることができ、働き手が観光を行いSNSで地域の魅力を発信することで、地域経済の活性化が期待されます。
これまでの歩みと今後の展望
おてつたびは2018年7月に創業し、2019年1月にサービスを開始しました。2025年4月時点で受け入れ先は全国1,900箇所以上、登録者数は70,000人を突破しています。参加者の約半数はZ世代ですが、近年ではシニア層からの需要も増加しています。
短期・単発の働き方「スポットワーク」への関心が高まり、デジタルプラットフォームの進化により、企業は必要なときにすぐ仕事と人材をマッチングできる環境が整っています。おてつたびは、こうした流れの中でスポットワークの“旅版”として新たな市場を開拓しています。
インバウンド需要と地域活性化
インバウンドの観光需要は年々高まりを見せており、その波は都市部から地方へも広がっています。日本政府も「観光立国」を掲げ、訪日外国人の増加を背景に観光産業の拡大を成長戦略の柱と位置付けています。
地方の宿泊業や観光施設ではインバウンド対応のための人手不足が顕在化しており、おてつたびは柔軟かつ即戦力となる人材を短期間で確保できる手段として、現場の支援と観光体験の質の向上に貢献しています。
資金調達の目的と今後の取り組み
今回の資金調達を通じて、「都市と地方の関係性を築き、人・資源・お金が循環する新しいエコシステム」を展開します。人材サービスだけに留まらず、日本全体として人口が減っても一人が何役にもなりながら人・資源・お金が循環するエコシステムの構築を目指します。
具体的には、地域事業者の拡大やプロダクトの改善・強化に向けた人員強化を進めていく方針です。
出資者の声と今後の期待
出資者からは、おてつたびの取り組みに対して非常に高い評価が寄せられています。グローバル・ブレイン株式会社の細村拓也氏は、おてつたびが「旅」と「短期アルバイト」を組み合わせることで地方の人手不足に対する新たな解決策を提示していることを評価しています。また、ANAホールディングスの津田佳明氏は、地域課題解決に貢献できるサービスの魅力を強調し、KDDI株式会社の江幡智広氏は地域とヒトが繋がる価値を提供していると述べています。
生内洋平氏のプロダクト戦略顧問就任により、サービスの進化と事業成長が加速することが期待されます。
おてつたびの今後の展開についてまとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 資金調達額 | 2億円 |
| 新たに迎えた顧問 | 生内洋平氏(元マクアケ取締役CTO) |
| 受け入れ先数 | 全国1,900箇所以上 |
| 登録者数 | 70,000人以上 |
| 出資者 | KDDI、ANA、グローバル・ブレインなど |
おてつたびは、地域に根ざした持続可能な仕組みづくりに挑戦し、地方創生スタートアップのロールモデルを目指しています。今後も地域とともに未来を育てていく方針であり、注目が集まる事業展開が期待されます。
参考リンク: