ソニーとバンダイナムコがGaudiyと戦略的提携、エンタメの未来を共創へ

ソニーグループ、バンダイナムコホールディングス、Gaudiyが戦略的パートナーシップを開始

2025年5月8日、ソニーグループ株式会社（以下、ソニー）、株式会社バンダイナムコホールディングス（以下、BNHD）、株式会社Gaudiy（以下、Gaudiy）は、エンターテインメントとテクノロジー領域における戦略的パートナーシップを開始することを発表しました。この協業において、GaudiyはソニーおよびBNHDから総額100億円の資金調達を実施します。

本協業の背景には、世界のエンタメコンテンツ産業の力強い成長があります。特に日本のコンテンツ産業は、海外売上が半導体や鉄鋼といった主要輸出産業に匹敵する規模に達しています。さらに、日本のキャラクターIP（知的財産コンテンツ）のメディアミックス収益ランキングでは、TOP25のうち10が日本のIPによるものであり、これは日本のエンタメコンテンツ産業が国際的に強い存在感を持つことを示しています。

協業の背景と目的

テクノロジーの進化により、エンタメコンテンツ産業はますます大きな影響力を持つようになり、今後は他産業への波及も期待されています。また、SNSやUGC（ユーザー生成コンテンツ）の台頭により、ファンとIPの関係性が変化し、ファン自らが参加・支援・共創する時代へと移行しています。

このような背景の中で、各社はそれぞれの技術や強みを活かし、日本発のIPのグローバル展開や、新たな体験とエコシステムの創出に取り組んできました。Gaudiyは「ファン国家」をビジョンに掲げ、共創型のコミュニティプラットフォーム「Gaudiy Fanlink」を大手エンターテインメント企業に提供しています。これにより、ブロックチェーンやLLMなどの先端テクノロジーを活用した新しい体験をIPファンに提供しています。

グローバル展開の強化

2025年には、会員登録者数1,950万人、海外利用率99%を誇る世界最大級のアニメ・マンガコミュニティサイト「MyAnimeList」をグループ傘下に迎え入れることで、グローバルファンとの接続が大きく強化されます。ソニーは「Creative Entertainment Vision」を掲げ、魅力あるIPの創出と育成に取り組んでおり、境界を超えてIPを拡張することでファンとのエンゲージメントを深めています。

BNHDは、2025年4月からの3カ年の中期計画において、「Fun for All into the Future」をパーパスとし、IP価値の最大化を目指す「IP軸戦略」を推進しています。このように、各社が持つ強みを掛け合わせることで、次世代のエンターテインメント体験を提供し、新たなエコシステムを創出することを目指しています。

本協業の重点テーマ

今回の戦略的パートナーシップでは、以下の5つの重点テーマに取り組むことが決定しています。

• グローバル: 日本発のIPをグローバル市場で拡張し、価値を最大化する取り組みを推進します。
• IP創出・次世代クリエイターの育成: 次世代クリエイターの発掘・育成に取り組み、継続的なIP創出を促進します。
• データ利活用: 各社が保有するデータアセットを連携させ、エンターテインメント領域におけるデータ活用を深化させます。
• ブロックチェーン: ファンやクリエイターが安心して参加できるエコシステムを構築します。
• 生成AI: 新たなエンターテインメント体験の創出を目指し、生成AI技術の研究開発を推進します。

これらのテーマは、今後のエンターテインメント業界における新たな可能性を広げるものとなるでしょう。

各社からのコメント

ソニーグループ株式会社の代表執行役CSOである御供俊元氏は、「この3社パートナーシップを通じて、アニメや漫画など日本発のIPをグローバルに発信していくことは意義深い取り組みであり、今後の成果に期待しています」と述べています。

また、株式会社バンダイナムコホールディングスの取締役副社長である桃井信彦氏は、「今回のパートナーシップは、バンダイナムコが目指す全方位のFansとのつながりを強化するための重要な一歩です」とコメントしています。さらに、株式会社Gaudiyの代表取締役CEOである石川裕也氏は、「このたび、ソニー様、バンダイナムコ様という日本を代表する企業とパートナーシップを展開できることを大変光栄に思っています」と語っています。

会社概要

以下に各社の概要を示します。

今回の戦略的パートナーシップは、エンターテインメント業界における新たな可能性を示すものであり、各社の強みを活かした取り組みが期待されます。今後の展開に注目が集まります。