Stripe、5月6日から新AI基盤とステーブルコイン機能を発表

Stripe新機能発表

開催期間:5月6日〜5月8日

Stripe新機能発表
Stripeの新しいAI基盤モデルって何がすごいの?
Stripeの新AI基盤モデルは、数百億件の取引データをもとにトレーニングされ、攻撃検出率を64%向上させる能力を持っています。
ステーブルコイン対応の新機能ってどんなことができるの?
Stripeの新機能で、101カ国でステーブルコインを用いた資金管理が可能になり、国際送金をより迅速かつ安価に行えます。

Stripeが発表した新プロダクトと機能

ストライプジャパン株式会社は、2025年5月6日から3日間にわたりサンフランシスコで開催されたユーザーカンファレンス「Stripe Sessions 2025」において、AIとステーブルコインを活用した新たなプロダクトや機能を発表しました。これにより、ユーザー企業の事業成長を加速させることを目指しています。

特に注目すべきは、世界初の決済特化型AI基盤モデルの発表です。このモデルは、数百億件の取引データをもとにトレーニングされており、従来のモデルでは捉えられなかった微細なシグナルを検知する能力を持っています。また、ステーブルコイン対応口座を含む資金管理機能が101カ国でアクセス可能となり、企業は国際的な送金をより容易に行えるようになります。

新たなAI基盤モデルの導入

Stripeは、AIを活用した不審請求管理や決済承認率の向上を目的とした専門的なAIモデルを長年にわたり開発してきました。今回発表された「決済特化型AI基盤モデル」は、ユーザー企業のさらなる成長を支援するために設計されており、特にカードテスティングの阻止において高い効果を示しています。

この新しい基盤モデルの導入により、Stripeはユーザー企業に対する高度な攻撃の検出率をほぼ一夜にして64%向上させました。これにより、ユーザー企業はより安全に決済処理を行うことが可能となります。

AIによる不正対策の強化

新しいAI基盤モデルの導入により、Stripeは不正対策の強化を図っています。これにより、ユーザー企業は不正請求のリスクを大幅に低減することが可能です。具体的には、AIを活用した「Smart Disputes」機能により、不正請求管理が自動化され、企業はさらに13%のチャージバックを取り戻すことができます。

ステーブルコインによる資金管理機能の拡充

Stripeは、ステーブルコインを活用した新たな資金管理機能「Stablecoin Financial Accounts」を発表しました。この機能により、101カ国のユーザー企業はステーブルコインでの資金保持や、暗号資産および法定通貨での資金を受け取り、世界中への送金が可能になります。

特に、通貨の不安定な国における新規事業に対して、インフレから資産を保護し、世界経済への参入を容易にすることが期待されています。Stripeは、まずはドル建てのステーブルコインであるUSDCとBridgeのUSDBに対応し、今後他のステーブルコインも追加する予定です。

国際送金の効率化

ステーブルコインの取引量は過去1年間で50%以上増加しており、多くの大手企業が国際送金を迅速かつ安価に行うためにStripeを採用しています。さらに、Visaとの提携により、ステーブルコインの資金を法定通貨の資金と同様に簡単に使えるようにする、世界初のグローバルカード発行プロダクトも発表されました。

国際貿易における外国為替税の削減

Stripeは、ユーザー企業が複数の通貨での残高保持および管理が可能になる機能を発表しました。これにより、国際間の資金移動時に発生する不必要な為替手数料を回避することができます。

具体的には、米国拠点の小売業者が英国の顧客からポンドでの支払いを受け取り、Stripeアカウント内にそのままポンドで資金を保持できるようになります。これにより、為替手数料が発生せず、より効率的な資金管理が実現します。

プログラマブルな金融サービスの構築

Stripeのプロダクトおよびビジネス担当プレジデントであるウィル・ゲイブリック氏は、Stripeがデータと同様にコードを使って資金を簡単に操作し、管理できるようにするプログラマブルな金融サービスを構築していると述べています。これにより、ユーザー企業はAIとステーブルコインを活用して成長を支援されることになります。

パートナーシップの強化と新機能の追加

Stripeは、Fortune 100企業の半数に採用されており、特にNVIDIAとのパートナーシップが注目されています。NVIDIAは、クラウドゲーミングサービス「GeForce NOW」のサブスクリプション管理にStripe Billingを採用し、わずか6週間で全加入者をStripeに移行しました。これは、Stripe Billing史上最速の移行となります。

また、ペプシコもStripeを採用し、顧客がオンラインで商品を注文・購入できる新しいウェブサイトとアプリを立ち上げました。これにより、店舗マネージャーは紙の小切手を手渡し支払いを行う必要がなくなります。

新機能の具体例

Stripeは、60以上の新機能を追加し、以下のような具体的な機能を発表しました:

  • UPIやPIXを含む25の新しい決済手段への対応
  • 後払いサービスを展開するKlarnaがワンクリック決済プロダクトで対応開始
  • Stripe Terminalがサードパーティ製ハードウェアで使用可能に
  • Smart Disputesによる不審請求管理の自動化
  • Stripe Taxの利用範囲が102カ国に拡大

これらの新機能は、Stripeの提供する決済サービスの柔軟性と拡張性をさらに高め、ユーザー企業の成長とグローバル展開を支援します。

まとめ

Stripeが発表した新たなプロダクトや機能は、AIとステーブルコインを活用し、ユーザー企業の事業成長を加速させることを目的としています。特に、決済特化型AI基盤モデルやステーブルコインによる資金管理機能の拡充は、企業の国際展開を支援する重要な要素となります。

以下は、Stripeが発表した主な内容をまとめた表です。

発表内容 詳細
決済特化型AI基盤モデル 数百億件の取引データをもとにトレーニングされたモデルで、攻撃検出率を64%向上。
ステーブルコイン金融口座 101カ国でステーブルコインによる資金管理が可能。
多通貨対応機能 複数の通貨での残高保持が可能になり、為替手数料を削減。
NVIDIAとのパートナーシップ わずか6週間で全加入者をStripeに移行。
60以上の新機能追加 決済手段の拡充や不正対策機能の強化など。

これらの新機能により、Stripeはユーザー企業の成長をさらに支援し、国際的な決済環境をより効率的にすることを目指しています。

参考リンク: