障害年金不支給判定急増問題、6月8日に調査結果公表へ

障害年金の不支給判定に関する緊急声明

2025年5月14日、NPO法人東京都自閉症協会（理事長：杉山雅治）は、障害年金の不支給判定が2024年度において2倍以上に急増しているとの報道を受け、緊急声明を発表しました。この声明は、障害年金に関する問題を広く社会に訴えるものであり、特に自閉スペクトラム症や発達障害を持つ人々にとっての重要なセーフティネットとしての役割を再確認するものです。

障害年金の不支給判定が急増

最近の報道によると、障害年金の不支給判定が2024年度において急激に増加しており、その数は2倍以上に達しているとされています。この背景には、日本年金機構が恣意的に支給を抑制しているのではないかという疑念が浮上しています。福岡資麿厚生労働大臣は、8日の厚生労働委員会において、実態把握のための抽出調査の結果を1カ月後を目途に公表する意向を示しました。

このような状況の中、センター長の交代によって判定が厳格化されているとの報道が事実であれば、これは社会福祉の根幹を揺るがす重大な問題です。従って、単なる数の調査だけでなく、職員へのヒアリング調査や第三者委員会の設置を通じて、不支給が急増した理由や恣意的な抑制が事実であるかどうかについての調査・公表を強く要望します。

公平な審査・認定システムの必要性

障害年金の不支給判定の急増は、単に数の問題ではなく、その根本には審査・認定システムの不備があります。特に、自閉スペクトラム症や知的障害・精神障害を持つ人々に対する判定については、現行のシステムでは公平な支給判定が難しい状況です。地域格差なども指摘されており、これらの問題を解決しない限り、根本的な解決には至りません。

具体的には、障害区分認定や介護認定を参考にし、障害状態や社会参加の状況を客観的に判断する審査方法を設ける必要があります。これにより、より透明性の高い公平な審査が可能となり、障害年金を必要とする人々が適切に支給を受けられる環境を整えることが求められます。

障害年金の重要性と影響

障害年金は、自閉スペクトラム症を含む知的障害を伴う人々にとって、生活の基盤となる重要な制度です。知的障害を伴わない自閉スペクトラム症や発達障害を持つ人々にとっても、障害年金は重要なセーフティネットであり、彼らが幸福に暮らすための権利の一部といえます。

特に、自閉スペクトラム症の中には、環境とのミスマッチからうつ病などの二次障害を併発したり、ひきこもりになったりする人も少なくありません。障害年金を受給することにより、無理のない働き方を調整したり、生活を立て直したり、自分のペースで社会にコミットしたりすることが可能になります。年金が受給できないという不安は、精神的なストレスを受けやすい自閉スペクトラム症の人々をさらに苦しめる要因となります。

報道の影響と今後の展望

今回の報道が事実であれば、これは社会福祉の根幹を揺るがす問題であり、日本年金機構が自閉スペクトラム症や発達障害についての理解が乏しいことを示唆しています。福岡厚生労働大臣が指示した抽出調査の結果がどのようなものであったのか、また、恣意的に支給を抑制した事実があったのかどうかについても、透明性を持った形で公表されることが強く求められています。

さらに、現行の審査方法が公平な支給決定を困難にしていることが指摘されており、早急に生活や社会参加の状況を客観的に判断できる透明性および公平性の高い審査方法への移行が求められています。自閉スペクトラム症や発達障害の専門医、社労士、当事者団体などをメンバーに入れた第三者委員会の設置が必要です。

まとめ

今回の障害年金に関する緊急声明は、障害年金の不支給判定が急増していることを受けて、社会全体での認識と改革を促すものです。障害年金は多くの人々にとって生活の基盤であり、その重要性を改めて認識する必要があります。以下に、今回の声明で述べられた主なポイントをまとめます。

以上の内容を踏まえ、今後の障害年金制度の改善に向けた取り組みが進むことが期待されます。