2025年5月27日発表 日本金属の高強度・高延性ステンレス鋼「NK-301ZF」環境配慮製品の新展開

日本金属の新製品「NK-301ZF」のご紹介

日本金属株式会社（本社：東京都港区、取締役社長：下川康志、証券コード：5491）は、環境に配慮した製品ラインである“エコプロダクト”シリーズの第2弾として、ばね用ステンレス鋼「NK-301ZF」を発表しました。この製品は、SUS301（JIS）の化学成分範囲内で優れた加工性と高強度を兼ね備えた新しい素材です。

「NK-301ZF」は、自動車関連、電子部品関連、半導体関連などの市場に向けて多くの採用実績があり、その特性により部品の軽量化や工程の省略を可能にします。これにより、お客様の製造プロセス全体におけるエネルギー効率の向上や環境負荷の軽減に貢献します。

製品の特徴と技術的な優位性

「NK-301ZF」は、以下の特長を持っています。

• 化学成分：化学成分はJIS規格内に調整されており、安定した品質を実現しています。
• 機械的特性：従来のSUS301よりも伸びが高く、加工割れ防止が図れます。硬さはHV580以上も狙える高強度材です。
• 耐疲労特性：鋼中介在物をコントロールし、非金属介在物量を低減することで、耐疲労特性の向上が期待できます。
• 加工性：高延性を持ち、加工効率の向上や歩留まり改善に寄与します。

化学成分の詳細

「NK-301ZF」の化学成分については、以下の表に示すように、JIS規格内で調整されています。

機械的特性の詳細

「NK-301ZF」は、従来のSUS301と比較して、以下のような機械的特性を持っています。

このように、同一強度（硬さ）で比較した場合、NK-301ZFは従来のSUS301よりも伸びが高く、延性に優れています。

耐疲労特性と加工性の向上

「NK-301ZF」は、鋼中介在物をコントロールすることで、巨視的な非金属介在物量を低減しています。これにより、耐疲労特性の向上が期待され、特に自動車や電子部品、半導体関連の用途において、その特性を最大限に活かすことができます。

耐疲労特性に関するMIT試験では、NK-301ZFが他社製SUS301と比較して優れた結果を示しました。この試験は、長辺方向に引っ張られた状態の細長い試験片を表裏に折り曲げ、破断するまでの往復折り曲げ回数を測定するもので、金属箔の耐疲労特性を評価するためのものです。

持続可能なものづくりへの取り組み

日本金属株式会社は、2050年のCO₂排出量Net Zero達成を目指し、環境対応素材の普及を通じた持続可能なものづくりに取り組んでいます。「NK-301ZF」は、当社の第11次経営計画「NIPPON KINZOKU 2030」に沿った製品であり、Near Net Performanceをキーワードに、お客様のニーズに応じた独自製品として位置づけられています。

この計画では、多種多様な素材を圧延・複合成形することで、最終製品に要求される性能を素材で実現し、人と地球の未来に貢献することを目指しています。これにより、環境負荷を軽減しながら、製品の品質向上を図っています。

まとめ

「NK-301ZF」は、高強度・高延性を兼ね備えたばね用ステンレス鋼であり、自動車関連、電子部品関連、半導体関連などの多様な市場での採用が期待されています。環境負荷の軽減やエネルギー効率の向上に寄与し、持続可能なものづくりの実現に向けた重要な製品です。

詳細については、日本金属株式会社の公式ウェブサイトをご覧いただくことをお勧めします。