2025年5月28日発表、インキュベイトファンドが300億円規模のグロースファンド「IF Growth」を設立し日本発スタートアップ支援を強化

IF Growthファンド設立

開催日:5月28日

IF Growthファンド設立
インキュベイトファンドの新しいIF Growthファンドって何?
IF Growthはインキュベイトファンドが設立した、非上場の成長段階にあるスタートアップに特化した300億円規模のグロースキャピタルファンドです。
IF Growthファンドはどんな企業に投資するの?
Deep Tech、Creative Industry、Business Solutionの3分野に厳選投資し、上場前後の企業価値最大化を目指し、日本のスタートアップの持続的成長を支援します。

インキュベイトファンドが新たなグロースファンド「IF Growth」を設立

2025年5月28日、インキュベイトファンド株式会社(本社:東京都港区、代表パートナー:赤浦 徹、本間 真彦、和田 圭祐、村田 祐介、ポール・マクナーニ)は、グロースキャピタルに特化したファンド「IF Growth」の組成を発表しました。ファーストクローズを完了し、最終的なファンド総額は300億円を予定しています。また、元SMBC日興証券の井原昌史氏が本ファンド専任のジェネラルパートナーとして招聘されました。

この発表は、非上場グロース市場に新たな資本循環をもたらし、日本発スタートアップの成長基盤を強化することを目的としています。さらに、シードステージに特化したファンドも205億円の規模で組成が完了しています。

インキュベイトファンド、総額300億円規模のグロースファンド「IF Growth」を組成。非上場グロース市場に新たな資本循環をもたらし、日本発スタートアップの成長基盤を強化 画像 2

グロースキャピタルに特化した「IF Growth」の設立背景

近年、上場市場改革の進展やM&A・セカンダリー取引への需要が高まる中、スタートアップを取り巻く資本環境は大きな転換点を迎えています。しかし、非上場グロースステージの企業への継続的な資本供給を担えるプレイヤーは国内では限られています。これに対し、インキュベイトファンドは2010年の創業以来、シード特化型ファンドとしての実績を活かし、非上場グロース市場における資本循環の新たな選択肢を提示することを目指しています。

特に、本ファンドは東京都のスタートアップ戦略推進本部が管掌する「官民連携インパクトグロースファンド」において運営事業者として採択され、東京都からの出資を受けて設立されています。これにより、スタートアップの持続的な成長を後押しすることが期待されています。

市場環境とインキュベイトファンドの対応

2025年4月22日、東京証券取引所は「グロース市場における今後の対応」として上場維持基準の見直しを発表しました。この方針により、機関投資家の投資対象となり得る企業像が明確化され、流動性・成長性・業績の質が重視される方向性が示されました。

インキュベイトファンドは、この動きを産業を牽引するスタートアップの選別と支援の仕組みを強化する前向きな改革として捉えています。これからの国内スタートアップ市場においては、非上場期間における成長を支えるグロースキャピタルと柔軟な資本の流動性が求められると認識しており、本ファンドの組成を通じて市場の進化を主導する役割を果たしていく意向です。

「IF Growth」の投資戦略

「IF Growth」では、以下の三つの領域において厳選投資を行い、上場前後の企業価値最大化を目指します。

  • Deep Tech:国家戦略上重要度が増す公益性・公共性の高い先端技術テーマ。
  • Creative Industry:新たなIPを創出すること、または国産IPの価値を最大化するテーマ。
  • Business Solution:国内産業全体の生産性向上に資するデジタルソリューション。

これらの領域における投資を通じて、国内スタートアップの成長を支え、エコシステム全体での価値共創を目指します。

シードステージに特化したファンドの組成

インキュベイトファンドは、シードステージに特化した第6号目のファンド「IncubateFund VI L.P.」を、関連ファンドと併せて総額約205億円でファイナルクローズしました。このファンドでは、以下の四つの重点投資領域に注力します。

  1. Japan to Global:世界に通用するDeep Tech、Entertainment、Consumer Serviceへの投資。
  2. Green Innovation:日本発の脱炭素、省電力化、リジェネラティブテクノロジーへの投資。
  3. National Security Tech:地政学リスクに伴う国家/経済安全保障に関わる技術への投資。
  4. Large Domestic Digital/AI Transformation:国内の巨大産業に係るDXとAIの活用機会への投資。

これにより、インキュベイトファンドは創業初期のスタートアップへの投資を一貫して実行し、”Zero to Impact”及び”First Round, Lead Position, Build Industries”という投資哲学を基に、さらなる成長を目指します。

井原昌史氏の役割と経歴

本ファンド専任のジェネラルパートナーとして招聘された井原昌史氏は、1990年に日興證券(現SMBC日興証券)に入社し、IPOコンサル業務に10年間従事。その後、投資銀行業務において多くのIPO案件をリードしてきました。35年間にわたりコーポレートファイナンス業務に従事し、2025年3月よりインキュベイトファンドに参画しました。

井原氏は、上場前後における企業の継続的な成長を実現するためのエクイティストーリーを策定し、キャピタルマーケットと戦略的に対話する体制を強化する役割を担います。今後も専門性を備えた人材の外部招聘を継続し、「IF Growth」が起点となるエコシステム全体での価値共創を目指します。

ファンド名 総額 特化分野 ジェネラルパートナー
IF Growth 300億円 グロースキャピタル 井原昌史
IncubateFund VI L.P. 205億円 シードステージ 未定

インキュベイトファンドは今後も、スタートアップの成長を支えるために新たなファンドを組成し、資本循環の促進を図ることで、国内市場の発展に寄与していくことが期待されます。

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