2025年5月最新調査:生成AIが変えるITエンジニアの業務とキャリアの実態

生成AI普及調査発表

開催日:5月29日

生成AI普及調査発表
生成AIってエンジニアの仕事をどれくらい変えてるの?
約7割のITエンジニアが週1回以上生成AIを業務で使い、情報収集やドキュメント作成で効率化が進んでいますが、一部業務では慎重な利用が続いています。
生成AIの普及でエンジニアは将来どうなるの?
約6割のエンジニアがキャリアに不安を感じていますが、AI活用力や対人スキルが重要視され、経験よりも活用力が価値になる新しいチャンスも広がっています。

仕事はAIに奪われる?現役エンジニアの約7割がキャリアに不安

株式会社ラクスパートナーズは、ITエンジニア約1,000名を対象に「生成AI普及によるエンジニアの意識変化」に関する調査を実施しました。この調査は、生成AIの急速な普及がエンジニアの業務やキャリア観にどのような影響を与えているのかを探るものであり、2025年5月29日に発表されました。

調査結果によれば、約7割のITエンジニアが週1回以上、業務で生成AIを活用していることがわかりました。主な用途としては情報収集やドキュメント作成が挙げられ、業務の効率化が進んでいることが示されています。しかし一方で、約6割のエンジニアが生成AIの普及によってキャリアへの不安を抱いていることも明らかになりました。

仕事はAIに奪われる?現役エンジニアの約7割がキャリアに不安──いま問われる“人にしかできない役割”とは 画像 2

生成AIの業務での使用頻度と活用シーン

調査では、生成AIの業務での使用頻度についても詳しく尋ねました。回答者の中で「ほぼ毎日」使用していると答えたのは31.1%、また「週に数回」使用していると答えたのは40.5%に上ります。これにより、全体の7割以上が週1回以上の頻度で生成AIを使用していることが明らかになりました。

具体的にどのような業務で生成AIが活用されているかについても調査しました。特に頻繁に使用されている業務には以下のようなものがあります:

  • 情報収集・リサーチ
  • ドキュメント作成
  • コード作成

これらの業務では、生成AIが持つ多角的なリサーチ力や即時性が評価されています。一方で、デバッグ支援やセキュリティ診断など、精度や信頼性が求められる業務においては、利用が慎重であることもわかりました。

仕事はAIに奪われる?現役エンジニアの約7割がキャリアに不安──いま問われる“人にしかできない役割”とは 画像 3

効率化とやりがいの変化

次に、生成AIの導入がエンジニアの仕事のやりがいにどのような影響を与えているかを探りました。「生成AIを業務で使用するようになって、仕事の楽しさややりがいに変化はあったか?」という質問に対して、50.4%が「効率化が進みやりがいある仕事に注力しやすくなった」と回答しました。

また、23.1%のエンジニアが「新しい学びや発見が増えて楽しくなった」と答えており、生成AIが単なる効率化ツールではなく、業務の質を向上させる要因になっていることがわかります。しかし、22.8%のエンジニアは「特に変化はない」と感じており、個人差があることも示されています。

仕事はAIに奪われる?現役エンジニアの約7割がキャリアに不安──いま問われる“人にしかできない役割”とは 画像 4

生成AIに任せられない業務

調査では、エンジニアが「生成AIに任せられないと思う業務」についても尋ねました。その結果、以下の業務が上位に挙がりました:

  1. チームマネジメント(34.5%)
  2. 要件定義/企画(29.3%)
  3. テスト(28.5%)

これらの業務は、対人スキルや状況判断が求められるため、生成AIには任せられないと考えられています。特にチームマネジメントは、人間の感情や関係性に深く関与するため、AIによる代替が難しいとされています。

仕事はAIに奪われる?現役エンジニアの約7割がキャリアに不安──いま問われる“人にしかできない役割”とは 画像 5

キャリアへの不安と期待

調査の中で、生成AIの普及に伴うキャリア不安についても尋ねました。全体の約6割が、キャリアに不安を感じていることがわかりました。具体的には、以下のような理由が挙げられています:

  • 生成AIの知識がないと時代の最先端についていけない
  • 自分の仕事が減少していると感じる
  • 経験が重要視されなくなるのではないか

一方で、不安を感じない理由としては、マネジメントの分野は依然として人間が必要であるとの意見や、自分の付加価値を考える機会だと捉えている意見がありました。こうした意見は、AIを使いこなす存在としての自己認識を反映しています。

仕事はAIに奪われる?現役エンジニアの約7割がキャリアに不安──いま問われる“人にしかできない役割”とは 画像 6

変わるスキルへの適応意識

調査において、エンジニアたちは「必要なスキルは変わる」と感じていることが多く、約8割が「大きく変わる」または「多少変わる」と回答しました。特に、生成AIを適切に活用するための判断力や対人能力の重要性が強調されています。

具体的には、以下のようなスキルが今後求められると考えられています:

  • 生成AI活用力(プロンプト設計含む)
  • 設計・アーキテクチャ力
  • ユーザー目線で判断する力

これらのスキルは、単なる技術習得に留まらず、価値を創造するための能力として重要視されています。

仕事はAIに奪われる?現役エンジニアの約7割がキャリアに不安──いま問われる“人にしかできない役割”とは 画像 7

まとめ:生成AI時代に求められる力

今回の調査を通じて、生成AIがエンジニアの業務、価値観、キャリアに与える影響が多面的であることが明らかになりました。業務の効率化が進む一方で、セキュリティ診断やデバッグのような精度が求められる領域では慎重な姿勢が求められています。また、キャリアに対する不安がある一方で、AIを使いこなす力を強みに変えたいという前向きな意見も存在しました。

今後のエンジニアには、生成AIと共存しながら自己の役割を再定義し続ける能力が求められるでしょう。特に、知識やスキルの習得スピードが加速する中で、経験年数よりも「活用力」が重視される時代が到来しています。これにより、若手エンジニアにも新たなチャンスが広がることが期待されます。

調査項目 結果
生成AIの使用頻度 週1回以上使用するエンジニアは約7割
業務のやりがいの変化 50.4%が「やりがいが増した」と回答
キャリアへの不安 約6割が不安を感じている
必要なスキルの変化 8割以上が「必要なスキルは変わる」と回答

このように、生成AIの普及はエンジニアにとって新たな挑戦と機会をもたらすものであり、今後のキャリア形成において重要な要素となるでしょう。

参考リンク: