2025年6月2日開始、ピーペックが難病者の就労支援と企業の人材不足解消を目指す新モデル発表

難病者の就労支援と企業の人材不足解消を目指す新たな取り組み

2025年6月2日、一般社団法人ピーペックは、難病を抱える人々の就労支援と企業の人材不足を同時に解決する新たな就労支援モデルを発表しました。この取り組みは、公益財団法人 洲崎福祉財団からの継続助成を受けることが決定し、助成期間は2025年6月から3年間、初年度の助成総額は2,000万円に達します。

ピーペックは、病気を持つ人々が「病気があっても大丈夫」と言える社会の実現を目指しており、難病者と企業の双方にとってウィンウィンな関係を築くことを目指しています。これにより、難病者が安心して働ける環境を提供しつつ、企業の人材不足の課題を解決することが期待されています。

ピーペックの理念と背景

ピーペックは、病気を持つ人々やその家族、研究者が集まり設立された非営利法人です。名称の「PPeCC」は「Power to the People with Chronic Conditions」の略で、難病者に力を与えることを目的としています。これまでに、「“こえ”のプロデュースプロジェクト」や政策提言、就労支援などを通じて、病気を持つ人々の声を社会に届けてきました。

実際、ピーペックの実働メンバーの約半数は難病者であり、2024年度には年間経常収益約4,300万円を達成しています。このような実績は、難病者が十分に働ける環境を提供することが可能であることを示しています。

新たな就労支援モデルの具体的な内容

ピーペックが目指す新しい就労支援モデルは、従来の福祉中心の支援から脱却し、企業側のニーズにも応えるものです。このモデルでは、難病者の就労課題と企業の人材不足を同時に解決することを目指しています。具体的には、以下のステップを通じて実現されます。

1. 企業数社の社員に対する離職リスクの調査を行い、特に健康問題を抱える社員のリスクを可視化します。
2. 企業間で「難病者の就労を考えるコンソーシアム」を設立し、課題や好事例を共有します。
3. 企業で働く難病者に対して、自己管理スキル支援のプログラムを実施します。
4. ピーペック所属の両立支援コーディネーターが、企業で働く難病者を伴走支援します。
5. 必要に応じて、難病者の同意の下、企業とのコミュニケーションを支援します。
6. 支援内容を定期的に評価し、プログラムの改善を行います。
7. 取組を白書にまとめ、「難病者が働ける」を社会の当たり前にすることを目指します。

このような取り組みは、難病者の就労を促進するだけでなく、企業にとっても新たな人材の確保につながると考えられています。

代表理事の宿野部武志氏のメッセージ

ピーペックの代表理事である宿野部武志氏は、慢性糸球体腎炎を抱えながらも、就労の重要性を強調しています。彼自身の経験から、難病者が直面する就労の困難さを理解しており、特に手帳を持たない難病者にとっての就職の難しさを訴えています。

宿野部氏は、ピーペックの活動が持続可能な支援の仕組みを作ることで、難病者が社会で活躍できる場を提供することに力を入れていると述べています。企業にとっても、難病者を雇用することは人材の確保において大きな強みになると考えています。

法人概要とお問い合わせ情報

一般社団法人ピーペックは、東京都世田谷区に本社を置き、2019年1月に設立されました。事業内容にはメディア運営、イベント企画、就労支援、政策提言などが含まれます。具体的な法人概要は以下の通りです。

本事業に関する詳細やご相談は、ピーペックの公式ウェブサイトやEメール（info@ppecc.jp）からお問い合わせいただけます。

ピーペックの新しい就労支援モデルは、難病者の就労の可能性を広げるだけでなく、企業にとっても貴重な人材を確保する手段となることが期待されています。今後の展開に注目が集まります。