2025年6月5日発表の第3回相続手続き実態調査で見えた最新の課題と対策

相続手続き調査2025

開催日:6月5日

相続手続き調査2025
相続手続きで何が一番大変なの?
相続手続きで最も大変なのは、必要な情報収集と書類準備です。手続きの複雑さから、何をどう進めればいいか分からず戸惑う人が多いです。
相続登記の義務化って何が変わるの?
2024年4月から相続登記が義務化され、登記をしなければならなくなりました。これにより、登記を行う人が増え、手続きの遅れや放置を防ぐ狙いがあります。

第3回 相続手続きに関する実態調査(2025年)

超高齢社会を背景に需要が高まる「終活」に関するさまざまなサービスを提供する株式会社鎌倉新書が運営する相続情報サイト「いい相続」は、2025年6月5日に「第3回 相続手続きに関する実態調査(2025年)」の調査結果を発表しました。この調査は、相続に関する無料相談サービスや専門家の紹介を行うポータルサイト「いい相続」を通じて実施され、相続手続きの実態を把握することを目的としています。

調査の結果は、相続経験者の声を分析し、相続手続きにおける課題を浮き彫りにしました。調査結果は、相続に関する具体的なデータや経験者の意見を元に、今後の相続手続きの参考になる情報を提供しています。

第3回 相続手続きに関する実態調査(2025年) 画像 2

調査概要

この調査は、2024年1月から12月にかけて「いい相続」経由で専門家との無料面談を行った方、または相続手続きを依頼した方を対象に、2025年3月27日から4月22日までの期間にインターネット調査として実施されました。調査の有効回答数は281件です。

以下に調査の概要をまとめます。

調査名 第3回 相続手続きに関する実態調査(2025年)
調査対象 「いい相続」経由で専門家との無料面談を行った方、または相続手続きを依頼した方
調査期間 2025年3月27日~4月22日
調査方法 インターネット調査
有効回答数 281件
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調査結果の主要トピックス

調査結果から得られた主要なトピックスは以下の通りです。

  • 相続財産: 相続財産の総額は「1,000万円未満」が最多で、代表的な財産は「土地・建物」「現金・預貯金」「生命保険」です。
  • 被相続人: 「兄弟姉妹」や「おじ・おば」の相続では、66.7%が“おひとり様”であったとされています。
  • 相続登記: 2024年4月1日に施行された相続登記の義務化が手続きを後押しし、「義務化を知ったから登記した」と回答した人は46.6%に達しました。
  • 費用: 専門家に支払った相続手続きの費用は「30万円未満」が過半数を占め、平均費用は約41.7万円でした。
  • アドバイス: 経験者が相続で「本当に役立ったこと」として挙げたのは、専門家への相談・依頼、家族・親族との話し合い、生前準備・終活の重要性です。
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相続財産の分析

相続財産の総額に関する質問では、「1,000万円未満」が最も多く44.8%を占めました。次いで「1,000万円以上〜2,000万円未満」が13.5%、「5,000万円〜1億円未満」が12.8%となっています。この結果から、相続財産の総額において高額な財産の相続件数がやや増加傾向にあることが示唆されています。

一都三県における相続財産の平均は約3,505万円で、全国平均の約2,660万円を31.8%上回っています。このことから、一都三県では相続財産額が高い傾向があることがわかります。

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被相続人の状況

相続人の続柄に関する質問では、「子」が最も多く82.6%を占め、次いで「配偶者」が34.9%となりました。また、兄弟姉妹やおじ・おばからの相続では、66.7%が“おひとり様”であったことがわかりました。これは、被相続人が生涯未婚、子どもがいない、または配偶者に先立たれた単身世帯であることを示しています。

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相続登記の義務化とその影響

2024年4月1日に施行された相続登記の義務化について調査した結果、「義務化を知ったから登記を行った」と回答した人は46.6%に達しました。しかし、義務化を知っていたが特に意識せずに登記を行った人も23.1%存在し、制度の認知が十分に浸透していない実態も明らかになりました。

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専門家への依頼とその費用

相続手続きを専門家に依頼した際の平均費用は約41.7万円で、30万円未満で済んだ人は58.9%にのぼりました。最も多かった依頼内容は「遺産分割協議書の作成」で70.6%を占め、次いで「不動産の名義変更(相続登記)」が62.6%でした。

相続財産の調査に関しても36.4%が依頼しており、これは相続税申告や相続放棄を検討する際にも重要な手続きです。

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相続手続きに役立つアドバイス

調査結果の中で、相続手続きにおいて「本当に役立ったこと」として多くの経験者が挙げたのは、以下の3つです。

  1. 専門家への相談・依頼: 相続手続きの複雑さや精神的な負担を軽減するために、専門家に依頼することが重要であるとの意見が多く寄せられました。
  2. 家族・親族との話し合い: 相続を円滑に進めるためには、家族間でのコミュニケーションが不可欠であるとのアドバイスが多くありました。
  3. 生前準備・終活の重要性: 生前に相続についての準備をしておくことで、相続発生後の混乱を防ぐことができるとの意見が見られました。
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まとめ

相続手続きには多くの不安や負担が伴いますが、専門家への相談や家族との話し合い、生前の準備を進めることで、その負担を軽減することができます。特に、相続経験者の声からは、早期の準備が重要であることが強調されています。

また、兄弟姉妹やおじ・おばからの相続では、被相続人が“おひとり様”であるケースが多く、今後の相続手続きにおける課題も増えることが予想されます。長寿化や家族構成の変化を考慮すると、元気なうちからの備えが必要不可欠であると言えるでしょう。

本調査が、相続に関する不安を抱える方々にとっての参考となり、今後の相続手続きが円滑に進む一助となることを期待しています。