2025年6月10日発表 消費者金融CMの好印象と申込み率8%のギャップを分析

消費者金融CM調査結果

開催日:6月10日

消費者金融CM調査結果
消費者金融のCMって本当に借りる人を増やしてるの?
調査によると、消費者金融のCMは好印象を持たれることが多いものの、実際に申し込みを検討する人はわずか8%にとどまっています。印象と行動は必ずしも一致しません。
なんでCMが好印象でも借りる人が少ないの?
申し込みをためらう理由は「審査に通るかわからない」「収入や職業に自信がない」など心理的な不安が大きく、CMの好印象だけでは不安を払拭できないためです。

消費者金融CMの印象とその影響

2025年6月10日、金子賢司FP事務所が実施した消費者金融のCMに関するアンケート調査の結果が発表されました。この調査は、消費者金融のテレビCMが視聴者にどのように受け入れられているか、そしてその印象が実際の利用意欲にどのように影響を与えているのかを探るものでした。

最近の消費者金融CMは、ユーモアやストーリー性を取り入れ、親しみやすさを重視した演出が増えています。具体的にどのブランドのCMが印象に残っているのか、また好印象を持った視聴者が実際に申し込みを検討する割合はどれくらいかを明らかにすることが目的です。

消費者金融CMの印象は?好感は多数でも申込みはたった8%だった理由とは 画像 2

調査概要と結果

今回の調査は、2025年6月4日から6月5日の期間にインターネットを通じて行われ、有効回答数は200件でした。調査結果の概要は以下の通りです。

  • CMに好印象を持つ人が多い
  • 「親しみやすい」「印象に残る」といった声が多数寄せられた
  • 実際に申し込みを検討した人はわずか8%
  • 利用をためらう理由として「申し込みに通るかわからない」「収入や職業に不安」が上位に挙げられた
  • 「面白いけど軽く見えて逆に不安」「借金を想起して身構える」という声も一定数存在
消費者金融CMの印象は?好感は多数でも申込みはたった8%だった理由とは 画像 3

記憶に残るCMとその要因

アンケートの結果、最も多くの票を集めたのはアイフルのCMでした。特に「そこに愛はあるんか?」というキャッチコピーは高い記憶定着率を誇り、視聴者からは「つい口ずさんでしまう」「演者の迫力がすごい」といった声が多く寄せられました。

一方で、「悪い意味で印象に残ったCM」については過半数が「特になし」と回答しており、強烈にネガティブな印象を抱いた人は限定的であることが分かりました。全体としては「印象に残っている=良」と感じた人のほうが多いことが確認されました。

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好印象の理由

好印象を与えた要因として圧倒的に多かったのは「親しみやすさ」「面白さ」「キャッチコピーの記憶性」です。具体的には、以下のような意見が寄せられました。

  • 「初めてのアコムは耳に残る」
  • 「大地真央さんのキャラの変化が面白い」
  • 「千鳥が出演していてコントみたいで毎回見てしまう」
  • 「犬のチワワが可愛くて癒された」
  • 「ドラマ仕立てで短編映画のよう」

これらの意見から、金融というハードなテーマを柔らかく伝える演出力が支持されていることが明らかになりました。

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悪い印象の理由

一方で、「悪い印象を持ったCM」の多くが演出と借金イメージのギャップに起因していることが分かりました。「借金を軽く見せすぎている」という指摘が最も多く寄せられました。具体的な意見としては、以下のようなものがあります。

  • 「バブル感が強すぎて古くさい」
  • 「演出で安心させようとして逆に不信感を持った」
  • 「お笑い演出が目立ちすぎて何のCMか分からなかった」
  • 「楽しげすぎて借金の現実味が薄れる」

これらの意見から、CM制作においては伝えたいことと伝わることのズレがリスクになることが示されています。

申し込みをためらう理由

CMに好感を持った人が多い一方で、実際に申し込みを検討した人はわずか8%にとどまりました。その背景には、視聴者が抱える心理的な壁が存在しています。主な理由としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 「申し込みが通るかわからない」
  • 「収入や職業に自信がない」

どれだけCMで安心感を与えても、視聴者の不安を完全に払拭することはできていないのが実情です。実際、GRO-BELラボによれば、キャッシングやカードローンの「申し込みが甘い」といった金融機関は存在せず、すべてのカードローンやキャッシングには申し込みが義務付けられています。

まとめ

今回の調査結果から、消費者金融CMに対する印象と実際の行動には大きなギャップが存在することが明らかになりました。多くの人がCMを見て「面白かった」「印象に残った」と感じる一方で、申し込みを検討する人はごく少数です。その背景には、心理的なハードルが存在しており、CMがどれだけ印象が良くても行動にはつながらないことが分かりました。

今後のCM制作には、エンタメ性だけでなく「申し込みや借入への不安をどうやって解消するか」という設計が求められます。見た目の好印象を行動に転換できるかどうかが、今後の鍵となるでしょう。

調査項目 結果
好印象を持つ人の割合 多数
実際に申し込みを検討した人の割合 8%
好印象の理由 親しみやすさ、面白さ、キャッチコピーの記憶性
悪い印象の理由 借金を軽く見せすぎている、演出とサービスのギャップ
申し込みをためらう理由 申し込みが通るかわからない、収入や職業に自信がない

このように、消費者金融のCMは視聴者に好印象を与えながらも、実際の行動にはつながらないという現実が浮き彫りになりました。CM制作においては、視聴者の不安を解消するためのアプローチが重要です。

参考リンク: