2025年6月10日開始、Synspectiveがだいち4号のデータサービス事業者に選定される背景と展望

だいち4号データ事業開始

開催日:6月10日

だいち4号データ事業開始
だいち4号のデータサービスって何ができるの?
だいち4号が取得する高性能なLバンドSARデータを使って、地盤変動や環境変化の監視など多様な地球観測サービスが提供可能になります。
StriX衛星とだいち4号はどう違うの?
StriXは高解像度のXバンドで都市部の詳細観測に強みがあり、だいち4号はLバンドで広域かつ森林や地盤変動の長期監視に適しています。

Synspective、先進レーダ衛星「だいち4号(ALOS-4)」のデータ・サービス事業者として選定

株式会社Synspectiveは、2025年6月10日15時30分に、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)より先進レーダ衛星「だいち4号(ALOS-4)」のデータ・サービス事業者として選定されたことを発表しました。これにより、同社はALOS-4から取得されるデータを基にした様々なサービスの提供を行うことができます。具体的な提供開始時期や詳細については、今後の発表を待つ必要があります。

Synspective、先進レーダ衛星「だいち4号(ALOS-4)」のデータ・サービス事業者として選定 画像 2

SARデータの利用促進に向けた取り組み

SAR(合成開口レーダー)データの将来的な利用促進には、専門的な技術を持たない潜在的顧客に対する支援が不可欠です。Synspectiveでは、解析したSARデータやソリューションを提供することに注力しています。これまでの「だいち2号(ALOS-2)」の活用実績をもとに、ALOS-4で取得した衛星データの販売網を拡大し、日本国内外、特にアジア圏での利用促進を図る計画です。

自社の小型SAR衛星「StriX(ストリクス)」と合わせることで、顧客が利用可能なSAR画像を増やすことができ、新たな価値創出の促進にも繋がると考えています。このように、Synspectiveは、技術の進歩とデータの活用を通じて、顧客のニーズに応じたサービスを展開することを目指しています。

ALOS-4についての詳細

ALOS-4は、H3ロケット3号機によって種子島宇宙センターから打ち上げられたJAXAの人工衛星です。ALOS-4にはLバンド合成開口レーダーが搭載されており、前号機ALOS-2の性能を向上させ、世界最高レベルの解像度と観測カバレッジを実現しています。これにより、様々な地球観測データを取得することが可能となり、地盤変動や環境変化の監視に寄与します。

ALOS-4の詳細については、以下のリンクから確認できます。JAXAサテナビ だいち4号HP

StriXとALOS-4の違い

Synspectiveの小型SAR衛星「StriX(ストリクス)」とALOS-4は、どちらも合成開口レーダー技術を活用していますが、異なる特徴を有しています。以下にその違いを示します。

特徴 StriX ALOS-4
使用するバンド Xバンド Lバンド
解像度 高分解能 広域観測
得意分野 都市部のインフラモニタリング、災害後の迅速な被害評価 地盤変動、盛土の把握と長期的なモニタリング

StriX衛星はXバンドを利用しており、高分解能の画像を取得するのに適しています。特に、都市部の建物や道路などの構造物の把握や変化を捉えるのに優れています。これに対して、ALOS-4はLバンドを使用しており、森林地域や草地などの地表観測において優れた性能を発揮します。

このように、StriXとALOS-4はそれぞれ異なるバンドの特性を活用することで、補完的な情報を提供します。高解像度が求められる都市部の観測にはXバンドのStriXが、また地盤の変化を追跡する必要がある場合にはLバンドのALOS-4が最適です。

まとめ

株式会社SynspectiveがALOS-4のデータ・サービス事業者として選定されたことにより、今後の地球観測データの活用が期待されます。ALOS-4の特徴を活かし、StriXとの連携によって多様なニーズに応じたソリューションを提供することが可能となります。以下に、この記事で紹介した内容をまとめます。

項目 内容
選定日 2025年6月10日
衛星名 だいち4号(ALOS-4)
使用バンド ALOS-4: Lバンド、StriX: Xバンド
提供予定サービス SARデータの販売と解析ソリューション

このように、Synspectiveは先進的な衛星データサービスを通じて、地球観測の新たな可能性を切り開いていくことを目指しています。

参考リンク: